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連載

ダンジョン進行中、その2

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 さて、ケンタウロスの兄妹と合流してダンジョン攻略を再開したが……流石に手数が一気に増えたおかげで、戦闘が格段に楽になった。自分がモンスターを発見し、最初は3人とも弓で攻撃。ある程度削った所でライさんが前に出て大剣を振い、ライさんの隙をつこうとしたゴブリンを自分のスネーク・ソードや、ティカさんの弓攻撃で迎撃すると言う立ち回りで、4階、5階はさくっと通過する事ができた。

「うーむ、なかなかライナさんと合流できないな……」

 結構歩き回り、6階へと降りるエレベーターの上に乗りながら自分はそうぼやく。モンスターの強さ的に、ライナさんが倒されたとは思えないのだが。もしかしたら厄介な罠にかかったのかもしれないが……それでもアンチポイズンポーションなどはちゃんと事前に用意してからここに入ったのだし、早々簡単にライナさんがやられているとは思えない。

「ふむ、ライナという者とPTをくんでいたのか?」

 ライさんの言葉に自分は頷く。合流できないのは本当に困るな……

「そういえば、お2人は早く合流できたようですが、何かコツみたいな物はあるんですか?」

 自分の質問に、ティカさんが首を振る。

「いえ、今回は本当に偶然なんです。何せダンジョンに入った直後、隣に立っていたのですから。ここのダンジョンに挑むのは4回目ですが、2回目と3回目は兄と合流できませんでした」

 ああ、なるほどね。そういう幸運に恵まれたのか。

「そうなると、地下10階まで降りれたとしても合流できない可能性も頭に入れておかないといけないか」

 そんな話をしているうちに、地下6階に到着した。

「さて、何回か先に入っている先駆者として、アースに話しておく事がある。6階から10階まではモンスターの数がやや増えるぐらいで、この3人ならば苦戦はしないだろう。問題は罠だ。ここからは踏むと一瞬でPTが全滅するレベルの罠が混じり始める。だからこそ、ここから先はお前の罠を見破る技術に頼らせてもらいたい」

 ライさんからの言葉に「了解」と返答を返す。なるほど、ここからが本番か。5階までは段階を踏んでダンジョンに慣れるために準備運動をさせてくれる領域だったというわけね。

「実は、1回目と3回目は罠で私はやられているんです。かといって、罠を見破れるアースさんのような知り合いもおらず途方に暮れていたのですが……ようやくこれで確実に前進できそうです」

 2回目はモンスターに囲まれてやられてしまいました、と教えてくれる。そういえば2回目と3回目は合流できなかったと言っていたし、上手く戦えない部分もあったのだろう。──ダレだ、馬ゆえに。とか考えた人は?

「話を聞いて納得しました。二人ともちょっとそこで動かないでくださいね。ひどいな、入った部屋がいきなりトラップハウスとかいじめに近いぞ」

 自分の言葉を聞いたケンタウロスの兄妹がビクッとしたのは見逃さなかったが、黙っておく方がいいだろうな。部屋の中には罠がひーふーみー……21個もあるよ。よくもまあ、これだけの罠を大きいとはいえ一つの部屋に敷き詰めたもんだ。

「流石に全部を解除していたら時間がかかりすぎるか……右と左、どっちの通路に抜けようか?」

 自分の問いかけに、ケンタウロスの兄妹も悩んだようだ。正解なんて分からないから仕方が無いのだが。そしてかえってきた答えは……

「アースにとって、解除しやすい罠のある方向に抜けよう」

 と言う結論に達したようだ。だが、罠の厄介さなどは左右どちらもあまり変らない。強いていうなら右側は地雷原が多く、左側は毒が多いと言う事か。いうまでもないが毒は数種類あり、一般的な体力を削る毒に始まり、麻痺、混乱に加えて、1つだけだが窒息毒が混じっている事も確認した。ぶっちゃけると、罠の危険性や解除難易度は左右どちらとも大差ない。

「じゃ、右側に抜ける事にしよう。絶対に自分より前に出ないで欲しい。そして、自分の真後ろについてきて欲しい」

 そうケンタウロスの兄妹に伝えながら、親方に作ってもらった罠解体の7つ道具を取り出し、地雷原を相手に解除を試みる。右を選んだのは、人は選択に悩むと左側を選ぶ事が多いと言うデータを思い出したからだ。──そして、罠の解除作業を始めた自分だが、罠の質としては大したことはないな、と言うのが正直な感想だ。

 あくまで罠を察知しききれない存在を引っ掛ける事を目的にしているようで、罠自体の威力は高いが罠の解除難易度としては非常に低い。油断をしてはいけないが、カチャカチャカチャ、ピンッという感じで、さくさく解除できる。〈盗賊〉スキルを取りたての人なら苦戦するかも知れないが、〈義賊頭〉までスキルが進化している自分の前では、朝飯前と言う言葉通りにすぐ解除できる。

「──大した物だ。危険な罠をこんなにたやすく無力化するとは」

 ライさんの賞賛がどうにもむずがゆい。自分にできることをただやっているだけなのだが。とにかく手元が狂って罠を作動させないように注意を払いつつ、ようやく右側の通路に逃げ込めた。

「うう、トラップだらけの部屋は2回目ですけど、眼に見えない分下手なモンスターより怖いですね」

 ティカさんが体を震わせながらそんな事を言っている。どうやら、1回目でひどいトラウマでも植えつけられたのかもしれない。トラップ部屋を抜け出して、通路を歩いた先に会った次の部屋にはウォーゴブリンの4匹がPTを組んでたむろしていた。今のところ、こちらに気が付いた様子は無い。

 ライさん、ティカさんの2人と視線だけでお互いに意思を確認した後に、3人揃って矢を構える。放たれた矢は、自分とティカさんの矢がゴブリンの魔法使いに。ライさんの矢は槍使いに突き刺さった。ゴブリンの魔法使いは絶命して消え去り、ゴブリンの槍使いは痛みで倒れこんでいる。その槍使いを回復しようと槍使いに近寄ったゴブリンの回復魔法使いだが……

「やっと他のゴブリンの影から出てきましたね、頂きます」

 ティカさんの放った矢に脳天をぶち抜かれて、あっさり昇天。流石に矢の飛んできた方向からこちらに気が付いたゴブリン達だが……。

「もう遅いな。魔法使いも回復使いもいないなら、押し切るだけだ!」

 弓を背中に背負い、代わりに大剣を構えたライさんが、ドカッドカッドカッと足音を大きく立てながらゴブリンの集団に向かって駆けてゆく。自分も走るが、流石にケンタウロスのスピードには付いていけない。その勢いのままにライさんは突っ込み、地面に倒れていたゴブリンの槍使いの首を大剣のリーチを生かしてすれ違いざまに跳ね飛ばした。

「情けはかけん、塵と化すが良い!」

 そう宣言をしたライさんは、トラップ部屋では何もできなかった鬱憤を晴らすがごとく、最後に残ったゴブリンに向かって大剣を振りおろす。最後に残っていたゴブリンの中でも重装備をした奴が必死で盾を構えて受けるが、ライさんの大剣によって盾を真っ二つにぶった切られる。

「隙あり、《ブラッド・メイデン》!」

 何とか追いついた自分は、ライさんに盾を両断されてたたらを踏んだ重装備のゴブリンの首に、魔スネーク・ソードの惑でアーツを使い、惑の切っ先を延ばして首に絡めて遠慮なく掻っ切る。

「グゲ……」

 首を落とすとまでは行かなかったが、大量の出血による致命傷にはなったようで、重装備ゴブリンも光の粒子となって消え去った。念のため《危険察知》で周辺を探るが、モンスターのおかわりは確認できない。

「良い感じだ、この感じで6階も抜けるぞ」

 ライさんの声に、自分とティカさんは頷く。油断はできない、気を引き締めて攻略を進めよう。
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スキル

風迅狩弓Lv29 剛蹴(エルフ流・一人前)Lv37 百里眼Lv28 技量の指Lv30 小盾Lv28 隠蔽・改Lv1 武術身体能力強化Lv64 スネークソードLv48 義賊頭Lv25 ↑1UP 妖精招来Lv12 (強制習得・昇格)(控えスキルへの移動不可能)

追加能力スキル

黄龍変身Lv1.54

控えスキル

木工の経験者Lv1 上級薬剤Lv23  釣り LOST!  料理の経験者Lv16 鍛冶の経験者LV28 人魚泳法Lv9 

ExP 17

所持称号 妖精女王の意見者 一人で強者を討伐した者 竜と龍に関わった者 妖精に祝福を受けた者 ドラゴンを調理した者 雲獣セラピスト 人災の相 託された者 龍の盟友 ドラゴンスレイヤー(胃袋限定) 義賊 人魚を釣った人 妖精国の隠れアイドル  悲しみの激情を知る者 メイドのご主人様(仮)

二つ名 妖精王候補(妬) 戦場の料理人

進化武器 護魂の弓

Atk+110 魂弓こんきゅう 所有者が変身中のみ使用可能 魂をささげた者の力が宿っている 大きさが必要に応じて変化

特殊能力 貫通力強化(中) 大雷光招来(確率低) 大砂塵招来(確率低) 矢が光状になり、命中直前に4本に分裂する 大妖精の魔薬(ランダムで状態異常を付与する、確率中)弦1本 サハギンの水膜(水による矢の威力減衰無視) エルフの魂(一部の弓技を変身中でも使用可能)

妖精の記憶

外見は青い本。今まで呼び出した妖精の記録や指示の内容が記録され、同じ指示をするときの説明の必要がなくなる。また、呼び出し触媒の側面もあり、高位の妖精を呼び出しやすくなる。MP消費が抑えられたりもする。
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