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連載

休憩時間中の会話

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本日の作業用BGM 【CR風来のシレン】RUSH!

作業用BGMのネタ切れが激しい。
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「なあ、アース……少しいいか?」

 ダンジョンで休憩中、エミューさんの胃袋に納めるハイ・ラビットの肉を焼いている自分にライさんが話しかけてきた。

「ライさんか、どした?」

 目は調理中のハイラビットの肉から外さず、声だけで返答する。まあ、かっぽかっぽと馬の歩く音がするから近寄ってきたのはライさんだと分かっていたというのもあるから、料理作業中でも別段驚く事はなかった。

「強いって言うのは何なんだろうな……俺もケンタウロスの集落で修行を積んで戦士としての力を練り上げて来たつもりだった。だが、今日はその修行なんてまだまだ可愛い物でしかなかったと思い知らされた気分だ」

 あー、うん、気持ちは良く分かるよ。オークを両手に持って撲殺の嵐を生み出すダークエルフのライナさんに、魔曲で同士討ちを誘い、PTへの被害を出さぬようにモンスターを殲滅する魔族のエミューさんの姿を見ればな。色々と今までの考えがひび割れて粉砕されてしまうのも仕方が無いだろう。

「戦士としてみればライナ嬢に遠く及ばぬし、被害を仲間に出さぬ様にするという面ではエミュー嬢に及ばぬ。大剣を振り回して戦う私よりもはるかに強いとは……世界には凄い猛者が多くいるものだ。悔しいが、彼女達の実力は認めざるをえない」

 口調はややうなだれているライさんの心を表すかのように覇気が無い。強烈な物を合流してからから見続けてしまったからだろうか。ハイ・ラビットのステーキを仕上げつつ、そんな事を言うライさんに自分は話を振った。

「いいじゃないか、自分が弱いと感じても」

 「え?」というライさんの言葉が聞こえてくる。そんなライさんを一旦置いといて、仕上がったハイ・ラビットのステーキをエミューさんに手渡し、戻ってきた所でもう一枚自分はハイ・ラビットのステーキを焼き始めた。

「ライさんは、ライナさんやエミューさんの戦いぶりを見てあの二人が強いと感じたんだろう?」

 確認するように自分が問いかけると、ライさんはすぐさま「ああ、そうだ」と返事をしてくれる。

「という事は、ライさんは目の前で強者と認めた者の戦いを見れるわけだから、それはすなわち強さという物の一端を学んでいる事になる。ライナさん達を強いと感じ、悔しく感じてもその強さを認めたというのであれば、ライさんもその様に強くなりたいと思ったはずだ。違うかな?」

 これにライさんは「それは、違わない、な」と返してくる。

「ならば、ライさんも強くなれると思うぞ。強いと感じるからこそそうなりたいと願う。そうなるために努力をする。強いとはどういう事なのかの一端を見ることが出来たのなら、どういった努力をすれば強くなれるのかの道のりもうっすらと見えてきたはずだ。後は、自分なりの方法でそれを実現すればいい。そうだろう?」

 出来上がったハイ・ラビットのステーキをライさんの前に差し出す。

「そんな風に強くなるためにも、まずは食う物を食って気合を入れておけ。貴方は強者を見て『自分はあんな風に強くはなれない』とすぐに諦めてしまうような性格ではないだろう?」

 ライさんも、「そうだな、まずは腹ごしらえだな」と、出来立てのハイ・ラビットステーキを食べ始める。そうして半分ぐらいを食べた後に、ライさんは更に話をふってきた。

「逆にアースはどうなんだ? あんな2人を見て凹んだりしないのか?」

 ふむ。なるほど……そういう質問が飛んできてもおかしくはないか。

「いやぜんぜん。凹んだ事は無い……な」

 この自分からの返答に、ライさんはあまり理解できない、納得できないといったような感じを受けたので、話をもう少し続ける事にした。

「理解できないって顔をしているようだから、ここからは自分なりの考えを話すぞ。自分は確かに腕力ではライナさんやライさんには到底及ばない。戦闘でも、モンスターに与える打撃の量という意味ではここにいる4人の中ではこれまた一番低いだろうな。だが、だからといって自分は自分を弱いとは考えていないな」

 ふむ、とステーキを食べながらもライさんは相槌をうつ。

「この4人の中では、モンスターの接近を気付かれずに早く感じ取ったり、仕掛けられている罠の発見と解除を行えるのは自分だけだ。そうしてこんな風に現場で出来立ての料理を提供できたりできるのも自分だけだな。これだって立派な『強さ』だとは思わないか?」

 それは一理あるな、とライさんも同意する。

「自分は『特化していないが、その代わりある程度色々な事が出来る』事を強みとしている。だから純粋な戦闘能力はそこそこでいいんだ。純粋な戦闘力は仲間にお願いする。その代わり、直接戦闘以外の部分でPTのために貢献しなきゃいけないけどな。それが罠の発見、解除だったり、モンスターの早期発見だったり、料理の提供だったりするわけだ」

 そういう考えもあるのか、とライさんはステーキを食べつつも考え始めた。ライさんが食べ終わったタイミングを見計らって、自分はさらに口を開いた。

「ライナさんや、エミューさんは確かに強いだろう。だが、ライナさんはモンスターを掴む事ができなければリーチに乏しいし、打撃に耐性が高いモンスターの前では一気に弱体化する。何せ殴りつける攻撃がメインなのだから、その方面の耐性が高い相手だとかなり苦しい戦いになるだろう。エミューさんの魔曲も強いが、魔曲をモンスターに掛ける為にはモンスターに気が付かれる前に仕掛けることが出来なければならないという前提条件がある」

 ここで一度自分は口に飲み物を運んでのどを潤す。ふうっと息を吐いてから、自分は話を続ける。

「そういった点を踏まえて、こんどはライさんだ。改めて言うまでもない事だが、ケンタウロスであるライさんは機動力ではこのPTでは間違いなくトップだ。そして大剣、片手剣と盾、弓を扱えるということで状況に合わせて戦えるという柔軟性を持っている点もすばらしい。そして大剣を扱えるから、打撃や弓矢による攻撃でもダメージが通りにくいモンスターが出てきた場合はライさんがこのPTでは一番の攻撃力を持つことになるんだぞ?

 それに、モンスターに不意打ちを受けてもライさんは機動力や防御力が高いのだから、危険な状況に陥った仲間の所に一番駆けつけやすいし、仲間をかばって戦う事も十分に出来る筈だ。これは自分、ライナさん、エミューさんでも代わりにやれといわれても難しい役割だな。そう考えればライさんだって十分に強いじゃないか」

 自分の話を聞いていたライさんは、なるほどな……そういうのも確かに強さだなと考え始めたようだ。どうしても人の目は派手に目立つ強さに行きがちだが、見えにくい部分の強さという物も存在するからな。ライさんはライさんなりの強さがあるのだから、あまり凹む事はないんだが……このPTにいる女性陣の戦い方を見ると、圧倒されて落ち込むのも仕方ないだろう。

「アース、感謝する。彼女達の強さを認めた上で、俺なりの強さを探ってみる事にしよう。そう考えれば凹んでいる時間などないな」

 どうやらライさんも立ち直ったようで、言葉に覇気が戻ってきた。そうこうなくっちゃな。ちょうど休憩時間も終わるし、いいタイミングだった。落ち込んだ気持ちのままで戦うのは、良い事ではないからな。
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スキル

風迅狩弓Lv29 剛蹴(エルフ流・一人前)Lv37 百里眼Lv28 技量の指Lv30 小盾Lv28 隠蔽・改Lv2 武術身体能力強化Lv64 スネークソードLv48 義賊頭Lv25 妖精招来Lv12 (強制習得・昇格)(控えスキルへの移動不可能)

追加能力スキル

黄龍変身Lv1.54

控えスキル

木工の経験者Lv1 上級薬剤Lv23  釣り LOST!  料理の経験者Lv17 ↑1UP 鍛冶の経験者LV28 人魚泳法Lv9 

ExP 17

所持称号 妖精女王の意見者 一人で強者を討伐した者 竜と龍に関わった者 妖精に祝福を受けた者 ドラゴンを調理した者 雲獣セラピスト 人災の相 託された者 龍の盟友 ドラゴンスレイヤー(胃袋限定) 義賊 人魚を釣った人 妖精国の隠れアイドル  悲しみの激情を知る者 メイドのご主人様(仮) 呪具の恋人

二つ名 妖精王候補(妬) 戦場の料理人

進化武器 護魂の弓

Atk+110 魂弓こんきゅう 所有者が変身中のみ使用可能 魂をささげた者の力が宿っている 大きさが必要に応じて変化

特殊能力 貫通力強化(中) 大雷光招来(確率低) 大砂塵招来(確率低) 矢が光状になり、命中直前に4本に分裂する 大妖精の魔薬(ランダムで状態異常を付与する、確率中)弦1本 サハギンの水膜(水による矢の威力減衰無視) エルフの魂(一部の弓技を変身中でも使用可能)
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