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連載

惑の覚醒??

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 近づいてきた結晶の集団が、カナさんの挑発アーツによって引き寄せられた事を確認してから戦闘開始。結晶体達は早速カナさん目がけて多数の水弾を放っている。その攻撃を受けたカナさんは半分防御、本文回避という形で対処している。カナさんはレイジより敏捷性が高いようだな……レイジならどっしり構えてすべてを受け止めている所だ。

「注意は引き付けました、どうぞ!」

 カナさんの声に自分とカザミネが結晶に刃を向ける。カナさんに意識を向けていることもあって、すぐに結晶の数は半分以下になる。そうして結晶の手数が減ったところでカナさんも攻撃に参加。反撃に注意しつつ剣を振るうカナさん。そうして結晶体達の数が残り五まで減った事で、生存している結晶達はすぐさま回避重視状態に移行した。

「ここからが本番ですね。ですがまだ遅いです!」

 カザミネがサクッと二つの結晶体を切り捨てる。以前一緒にここに来た時よりも大太刀を振るう力が鋭くなっているように思う……一から叩き直したという言葉は偽りない言葉か。これは負けていられないな。

「ならばこちらも鍛えてきた力を存分に出させていただく!」

 惑に念じて闇の刃に変化してもらう。最初は声を掛けなければできなかったこの行為も、今は念じるだけでMPを捧げて闇の刃に変化してもらう事が出来るようになった。後は『走れ』と、惑にイメージを送り込みながら振るえばいい。自分のイメージと寸分たがわず惑は刃を動かし、結晶体を二つ貫く。これで残り一。だが、まだ惑の刃は元に戻らず最後の一体を捕えるべく走り続けている。逃げまくる最後の結晶体だが、もう詰んでいる。なぜなら。

「そこです!」

 そう、自分は惑の刃を使って最後の結晶をカナさんの攻撃しやすい場所に誘導していたのだ。そしてカナさんは期待通りに最後の結晶を一閃。以前苦労した結晶体達だが、訓練を積み重ねてきた成果が発揮された事で短時間で倒す事が出来た。だが、今回はカナさんが盾になってくれたからこそ楽だったわけであり、一人で戦うとなれば難易度は大きく跳ね上がるだろう。

「無事倒せましたね。そしてアースさんには早速質問があるのですが、少々よろしいでしょうか?」

 そうしてカザミネと情報交換。MPを魔剣に流すとさらに特殊な効果が発揮されることはカザミネも知っており、惑の刃が闇に変わった事もすぐに納得してもらえた。ちなみにカザミネの氷の魔大太刀は魔力を流すと、切った場所を凍らせて相手の生命力を下げる効果があるそうだ。よりゲーム的にいえば、一定時間最大HPの上限を無理やり下げる物と考えてもらえればいい。

 より具体的に説明すれば、最大HPを1000と仮定してカザミネの魔大太刀に切られて300のダメージを負ったとする。普通ならそこで回復魔法なりHP回復ポーションなりを飲めば1000に戻るが、カザミネの魔大太刀の効果が発揮されていると最大HPが一時的に下げられる効果で上限が下がる為に800までしか戻らないという感じだ。

「なるほど、そちらの魔スネーク・ソードのMP消費して解放される特殊能力はそうなってるんですね。そうなると盾を完全に無視しての急所攻撃とかも可能になるわけですね。味方ならありがたいですが、敵に回したくはない物がまた一つ増えてしまったことになります。ブルーカラーにもスネーク・ソードの使い手は数人いるのですが、これを知ったら貴方の魔スネーク・ソードを欲しがるのは間違いないですね」

 そう、この魔スネーク・ソードの本領はそこにある。一般的なスネーク・ソードとは比べ物にならない自由に動く刃の前では盾を回避して頭や首を直接狙う事も可能なのだ。だが、それを動きながら完全にイメージできるかどうかは別問題なわけで……今回のように盾役の人がいればイメージを集中しやすいから最高のパフォーマンスが出せるが、これをソロで動きながら行うとなると今の自分ではまだ難しいはずだ。

「そろそろ、次の結晶体をお願いします」

 カザミネとの話がひと段落つく頃には、MPは完全に回復していた。そこでかけられたカナさんの言葉に頷いて次の結晶体を引き寄せる。今日はモンスターがほどほどにばらけているので、釣るのが楽である。

「よし、次が来るから構えてくれ」

 自分の声で戦闘態勢を取るカザミネとカナさん。こんな調子で氷の結晶体と戦い続けた。


 ──そして戦いを続けるうちに少しづつ妙な違和感を感じ始めた。違和感の原因は惑にある。乗っ取られそうだとかそういう事ではないのだが……なんだか、惑の刃が訓練の時よりもより過敏になっているような気がするのだ。

 それに付け加えて、石を用いた訓練の時には一切感じなかった重圧みたいな物も今の惑から感じられる。MPを受け取ると、自分が敵と認識している存在を食い破ぶるように走って貫く。そして結晶体を倒して敵が消滅したと自分が認識すると、一気におとなしくなって刃を元に戻す。

「どうしました? 魔剣の耐久力が減りましたか?」

 戦いが終わってちらりちらりと惑を見ている自分を見て、カナさんが声をかけてきた。耐久力はきちんと出かける前に手入れをして来たからまだまだ問題はない。

「いや、ちょっと何というか違和感が……耐久力はちゃんとここに来る前に手入れをしてきたので問題はないです」

 首をかしげる自分に、カザミネも「もしかして具合が悪くなったのですか?」と心配そうに聞いてきた。別段体の具合が悪くなったわけではないので「大丈夫だよ」と返答しておく。うーん、一種のトリップみたいな物なのか? あくまでそういう風に自分が思い込んでいるだけなのかもしれない。極端にテンションが上がっているという自覚は無いのだが、二、三回ほど深く深呼吸をすることで念入りに落ち着かせる。

「──もしかしたら、ギルドマスターのツヴァイさんが何か知っているかもしれません。時々なんですが、ツヴァイさんも先程のアースさんのように魔剣を眺めながら『なんだか最近、妙な違和感があるんだよなー? なんだこれ?』と言っていた事があります。同じ魔剣使いとして感じるものが何かあるのかも知れません」

 そんな自分を見ていたカナさんが、そんな情報を教えてくれた。そういえばツヴァイの魔剣と、自分の魔スネーク・ソードは手に入れた時期も近いし……ここの戦いが終わったら、メールかウィスパーで連絡を取ってみるべきか。もしかしたら何かわかるかもしれない。昔から魔剣を使っている人にも、もしかしたらこんな兆候があるのかも知れないな。

「そうですね、ここの戦いが終わったら早速連絡を取ってみる事にします。カザミネ、そちらはどうなんだ?」

 ついでとばかりにカザミネに確認を取ってみるが、カザミネは「いえ、そんな違和感はないですね。違和感があったら真っ先にここで話しています」と返答。ふむ、カザミネは特に何もないのか。いったい何なんだろうな?

「とりあえずこの話はここまでにしておこう。時間はまだある事だし、結晶狩りを続行しようか」

 あまりこの話を長引かせてカザミネやカナさんの貴重な時間を削らせてしまうのは宜しく無いので、自分はそう二人に呼びかける。そうして狩りを続行したのだが、惑から感じる妙な感覚はより感じられる様になってきている。ただこちらに害をなそうとか反抗しようとかの感じではなく、むしろ一体化して自分の手そのものになっていくような感じがする。振るえば振るうほどに武器を振るっているのではなく、刃と化した手を振るっているような錯覚を覚えてきている。

 もはや箸やペンを掴むような軽い感覚で、結晶体に闇と化した惑の刃を振るって破壊している。もはや刃をどう動かしてどの角度から狙うかなどの細かいイメージすら不要になりつつあるのだ。あそこに居るんだから、こうやれば貫けそうだなと軽く考えるだけで惑の刃が結晶をその通りに貫く。

(──これはここの狩りが終わったらツヴァイに話を聞いてみるべきだな。さすがにちょっとこの感覚は異常すぎる……なんか気持ち悪い)

 一流の剣士は剣すら自分の体の一部と成すらしいが、自分はそんな境地に至った一流の剣士なんかでは断じてない。そんな悟りの境地に入れる資格などあるわけがないのだ。なのに、今の自分が感じている感覚を表現するとなると、そんな言葉しか浮かんでこない。それとも、これもまた魔剣が持っている能力の一つなんだろうか? できるだけ早く確認をするべきだな。
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スキル

風迅狩弓Lv40 剛蹴(エルフ流・一人前)Lv38 百里眼Lv32  技量の指Lv47 ↑1UP 小盾Lv31 隠蔽・改Lv3  武術身体能力強化Lv81 ↑1UP ダーク・チェインLv38
 ↑4UP 義賊頭Lv28 妖精招来Lv13 (強制習得・昇格)(控えスキルへの移動不可能)

追加能力スキル

黄龍変身Lv1.87 ↑UP

控えスキル

木工の経験者Lv8 上級薬剤Lv26  釣り LOST!  料理の経験者Lv17 鍛冶の経験者LV28 人魚泳法Lv9 

ExP 26

所持称号 妖精女王の意見者 一人で強者を討伐した者 竜と龍に関わった者 妖精に祝福を受けた者 ドラゴンを調理した者 雲獣セラピスト 人災の相 託された者 龍の盟友 ドラゴンスレイヤー(胃袋限定) 義賊 人魚を釣った人 妖精国の隠れアイドル  悲しみの激情を知る者 メイドのご主人様(仮) 呪具の恋人

二つ名 妖精王候補(妬) 戦場の料理人
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