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考え事前半・新機能によるExPの使い方

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(さて、今後の事を考えると、やっぱり最初に考えるべきなのはこれだよな)

 あてがわれた個室(といっても、ハーピー達サイズの考えの下に作られている個室なので馬鹿みたいに広い)で、ステータスウィンドウを展開して頭をかく。特に考えなければいけないのはメインウェポンである弓のスキルである〈風迅狩弓〉の表記が The limit! と表記されている事だ。つまり、スキルの成長限界という事になる。

(最後に習得したアーツは……《ロード・オブ・ウィンド》か。まずはアーツを発動した後に自力で一本の矢を当てると風の道が出来上がる。そうして二射目をその風の道に向かって放つとその風の道の中で矢が威力を高めながら敵に向かってホーミングしていくという内容なのか。最初に自力で当てなければいけないと言うのは《七つの洛星》と似てるな。スキル値三○で覚えたアーツ《二矢の競演》とはまた違った使い道になるか)

 《二矢の競演》は、二本の矢がどちらも命中するか完全に外れて効果が切れるまで動くことができないというデメリットがある。その分、早く飛ぶ一矢目が相手を麻痺させるという効果があるので射程距離のある足止め効果が望めるという利点もある。どちらを使うのかは状況によりけり、という事になる。

(まあ、アーツの方は後でおいおい練習しよう。せっかく狩場も近い事だし、ブルーカラーのメンバーに了解を貰ってからやることにすれば問題はない。それよりも、こっちが肝心だな。なんでレベルを上げきるとExPが増えて余裕が出来ていくのかという理由がここで判明するとは)

 大半のスキルは、習得時にExPを消費する。しかし、レベルを最大まで上げればExPはアーツの習得前よりも多くなっていた。そうなるとあらゆるスキルをすべて取れる事になってしまう。

 まあ、そんな事をすれば鍛える時間がいくらあっても足りないから普通はやらないが。まあそれはいったん横に置いといて、とにかくExPはいくらでも稼げてしまう仕組みになっていたという事だ。こういうゲームは、普通その辺を制限するものなのだが……。

 だが、ここでそんな風にExPが増え続ける理由が判明した。 The limit! となったスキルのなかにあるアーツ限定で、ExPを割り振れるようになったのだ。ExPを割り振った時の効果と必要量は以下の通りになる。


Lv0 これが今までのアーツの姿。

Lv1 アーツ威力や効果が若干上昇する ExP2消費

Lv2 アーツの威力や効果が上昇する。アーツ再使用待機時間クールタイムがほんの僅か減少する。 ExP4消費

Lv3 アーツの威力や効果が上昇する。アーツ再使用待機時間が少し減少する。MP消費量が僅かに減少する。 ExP6消費

Lv4 アーツの威力や効果がかなり上昇する。アーツ再使用待機時間がそこそこ減少する。MP消費量が減少する。 ExP8消費

Lv5 アーツの威力や効果が大幅に上昇する。アーツ再使用待機時間が減少する。MP消費量がかなり減少する。 ExP10消費


 つまり、余ったExPはその人にとって使いやすいアーツ、もしくは一発逆転を狙える可能性が高いアーツの強化といったその人なりのベストアーツを作り出す為にあったのだ。

 だがむやみやたらとExPを突っ込むと、今度は他のアーツを限界まで鍛え上げたときにExPが足りない! という事にもなりかねない。この割り振りは慎重に行う必要がある。ましてや自分はこの時点で限界に到達してしまった以上、この選択を失敗すると悲惨な事になりかねない。

(今は何か一つのアーツを最大のレベルにまで引き上げるに留めておく方が良いだろうな。今後何にExPを使うか分からないし、こういう物は中途半端に割り振ると弱くなる……ことはない様だが、物足りないと感じる事になる可能性は高いからな)

 とはいえ、最大まで上げるとExPが一気に三〇もふっ飛んでしまう。それゆえに、何に割り振るかが肝心だ。弓のアーツ一覧を引っ張り出して考えるが……せっかく習得したのに全然使っていないアーツも結構ある事に気がついた。ブルーカラーと一緒に居る今の機会を逃さず、一つづつ試していくことにしよう。と、横道にそれた思考を今考えるべきことに引き戻す。

(うーん、とは言え序盤の弓技はもともとMP消費も少ないし、再使用までの時間にイラついた事も無いから却下だな。そうなると強化すべきは中盤から後半のアーツという事になるが……〈風塵狩弓〉の《ワイドアロー》や《スコールアロー》、《ブラストアロー》辺りが選択肢に入ってくるな。範囲攻撃や吹き飛ばしと言った能力は便利だ)

 と、とりあえず候補スキルを絞っていく。とりあえずある程度数を絞ってから考えないといつまでたっても終わらない。

(あと候補に入れるとすると……〈風震狩弓〉の《ソニックハウンドアロー》ぐらいか。もっと〈風迅狩弓〉のアーツである《二矢の競演》を使いこんでおくんだった。ろくに使わんかったせいで評価のしようがない。とりあえずそっちは後回しで今は絞り込んだ四つのアーツの中からどれを強化するかを考えよう)

 絞り込んだ四つのアーツは、何回も使ってきた信頼できるアーツだ。複数の矢を扇状放ち、射程のある複数攻撃ができる《ワイドアロー》。円状の範囲に風の矢を大量ぬ振らせることができる範囲攻撃の《スコールアロー》。厄介な相手を、強力な一矢で吹き飛ばして距離を開ける《ブラストアロー》。そして矢の周りに振動を発生させることで範囲は狭いが高威力の一撃を叩き込める《ソニックハウンドアロー》。どれも強化を施したいアーツである。

(ワイドやスコールなら範囲、ブラストは後方援護、少数高威力のソニック。うーむ……森での戦いは数が多いが、今は逆にワイドやスコールで範囲攻撃しちゃうと不味いんだよな。一斉に自分がターゲットにされてしまう。だが、この二つは街への襲撃があった時には一気に輝くスキルでもあるな。今後もそう言った出来事がやってこない、とは言えない。それにワイドはアクティブモーションで動きをいじれば、一転して拡散する矢を一体の敵に集中させることもできるな。これには練習が必要だが)

 スコールはスコールで、氷の洞窟の奥にあった闘技場で、素早く動く相手に面制圧をするという考えで使う事もあった。単体相手でも使い道はきちんとあるから強化しても無駄になることは無い。

(そしてブラストを強化すれば、危険になったら即突き飛ばしという手段が気軽に取れるようになるな。前衛がやられそうなときなんかに使っていける分、支援能力の強化になるか。その反面何も考えずに使うと妨害になってしまう一面が出るけど。突き飛ばして距離を開けるという事は、前衛の武器の範囲外に押し出すという事にもなる。ソニックは完全に単体、もしくは固まっている少数相手に撃ってきたアーツだな。威力も絞った四つのアーツでは一番高い。これを上げればソロが楽になるかもしれない)

 こうして改めてアーツを考えてみると、どれも上げたくなってしまう。が、今は一つだけに絞ると決めた以上は初志貫徹で行くべきだ。迷うと大抵ろくなことにならない。

(──よし、決めた! 《ソニックハウンドアロー》を強化しよう。いざという時に押し込むことができる火力があると言うのはやはり心強い。範囲攻撃や吹き飛ばし攻撃も魅力的だが……今回はソニックだ)

 ウィンドウを操作して、《ソニックハウンドアロー》にExPを三〇ポイントを注ぎ込む。そうすると『Lv5にする事でこのように強化が行われます。実行しても宜しいですか?』という確認メッセージと、強化されたソニックハウンドアローの詳細が浮かび上がった。


《ソニックハウンドアローLv0》→《ソニックハウンドアローLv5》

威力100%→155%  再使用待機時間クールタイム100%→78%  MP消費量100%→65%


 威力が約五割増し、再使用出来るようになるまでの時間が二割カット、MP消費も三割五分カットされるのか。これはかなり大きいな、大量のExPを食うだけはある……これはもう完全に別の技となった感じすらするな。このアーツをしばらく運用してみて、効果のほどを完全に掴んだら次はどのアーツを上げるべきか前もって考える事にしよう。とにかくこれはOKしておこう。実行していいかを問いかけるウィンドウのOKボタンを押すと、ExPが消費されてアーツの強化が行われた。

(よし、これでアーツの方はひとまず良しとしよう。どのアーツを強化するのかはまた今度だな。ExPもごっそり減ってしまったし、今後他のアーツにも強化してみたいものが出て来る可能性が高い)

 考え事の一つを片づけた自分は伸びをする。今日はログアウト前にもう一つ考えるべきことがまだ残っている。だがそれを考える前に、自分は一呼吸置くことにしたのだった。
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今までExPにやたらと余剰が出来てたのはこのためです。
この強化で自分の好きなアーツを強化してより自分なりの戦闘スタイルを
作っていくことになります。

そして、アースの弓スキルがここでカンストした理由は、
武器も魔法も制作もするという事によるスキル限界値低下による影響です。

スキル

風迅狩弓Lv50 The limit! 剛蹴(エルフ流・一人前)Lv42  百里眼Lv37  技量の指Lv53  小盾Lv39  隠蔽・改Lv7  武術身体能力強化Lv90 ダーク・チェインLv49 義賊頭Lv43 妖精招来Lv17 (強制習得・昇格)(控えスキルへの移動不可能)

追加能力スキル

黄龍変身Lv1.92

控えスキル

木工の経験者Lv8 上級薬剤Lv34  釣り LOST!  料理の経験者Lv23 ↑1UP 鍛冶の経験者LV28 人魚泳法Lv9 

ExP 6

所持称号 妖精女王の意見者 一人で強者を討伐した者 竜と龍に関わった者 妖精に祝福を受けた者 ドラゴンを調理した者 雲獣セラピスト 人災の相 託された者 龍の盟友 ドラゴンスレイヤー(胃袋限定) 義賊 人魚を釣った人 妖精国の隠れアイドル  悲しみの激情を知る者 メイドのご主人様(仮) 呪具の恋人

二つ名 妖精王候補(妬) 戦場の料理人

強化を行ったアーツ

《ソニックハウンドアローLv5》
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