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連載

蒼海鋼で生み出す武具

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お待たせしました。色々とあって間が開いてしまいました。
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「感覚はつかめた?」

 ニテララさんに肩を掴んでもらい、呼吸を整えながら休憩を兼ねた雑談。とりあえず触ってみた事で基本的な事は分かったと思う。だが、今の状態で弓を打つのはちょっと怖いかな。もうちょっと練習したいが、だからと言って稀少だと思われる蒼海鋼をそうポンポンと浪費するわけにもいかない。そうなれば、均一の硬さで作れる物を作ることにするか……練習にもなるし。

「とりあえず、次は自分が実際に使う物を作ってみようと思う。それを作ってみて、問題がなければ弓の製作に取り掛かろうと思う」

 蒼海鋼を再び炉に入れて熱しながら製作の準備に入る。作る物はファング・レッグブレード。現行の物を作ってからかなり時間が経っているし、そろそろ新しく作り直そうかと内心で考えていたのでちょうど良い。靴部分に使う蒼海鋼の硬さはほぼライトメタルと同じで良いだろう。そして杭やらドリル状の角は硬めに調整だな。

 とりあえず先に杭やドリル状の角を先に作る。熱した時間で硬度が変わる蒼海鋼の特性上、同時進行は厳しいだろうからな。熱する時間には注意を払わなければならないが、そこさえ間違えなければ失敗する可能性はかなり低い……設計図が流用できるからね。まあそんな感じで、さくっと杭部分と角部分を完成させた。

「──随分変わった形だけど、それをどう使うの?」

 と、ニテララさんからの質問が飛んできたので、今履いているファング・レッグブレードを見せながらこう使うのだと説明。とても興味深そうに眺めて来るので、脱いで見せる事にした。手に取ったニテララさんは、あーとかうーとか言いながら四方八方からファング・レッグブレードを眺めている。

「さて、では靴本体を……ニテララさん、そのつま先付近にある刃には絶対触らないでね? それはドラゴンの素材で作った特製品で、その爪で怪我をするとドラゴンの毒が回るよ」

 触りそうな様子が伺えたので、先にくぎを刺しておく。知らずに触られて人魚を毒殺しましたなんて事になったら、シャレでは済まされないからな。殺意の欠片も無いのに犯罪者に転落するとかお断りである。

「──了解。これを量産できれば、今回攻めてきている赤鯨に一泡吹かせられそうと思ったのに……残念」

 なんとなくしょんぼりしているような雰囲気を漂わせてニテララさんが刃部分から手を遠ざける。協力したいのはやまやまなんだけど、素材の数がもう少ないからどうしようもない。さて、頭を切り替えてファング・レッグブレードの製作の続きを行おう。適度に熱した蒼海鋼を取りだし、作り上げる。まずは右足を、次は左足。ふむ、やっぱり一度作った事があるから設計ミスはないな。後は一度履いてみて具合を確かめるか。

「──うん、問題は無しか。設計図を作るのは大変だが、一度でも出来ると安定するってのは良いんだか悪いんだか……いや、良いんだよな」

 素材を無駄にしないで済むと言う点は特によい。さて、今まで使っていたファング・レッグブレードからドラゴンで作った爪部分を移植して完成。性能はどうなったかなーと。


蒼海・レッグブレード

製作評価 6

蒼海鋼で作り上げられた蹴り攻撃全般の火力支援を行う鉄製の靴。しかし蒼海鋼の恩恵により、金属靴でありながら水中行動の動きを補佐する効果がある。他の素材等と融合可能

Atk+51 追加Def+31 龍の毒 水泳補佐


 ファング・レッグブレードの能力が 『Atk+38  追加Def+10 龍の毒』 だったので、威力が上昇した上に特殊能力がついたから純粋な強化となった。だが、まだこの靴の製作は終わりじゃない。ここに、今まで使って来たファング・レッグブレードを蒼海鋼の特性で融合する、と。そうして蒼海鋼で作り上げたファング・レッグブレードに、今まで使って来たレッグブレードを近づけて融合させると剣の融合を行った時には発生しなかった金色の光が発生して周囲を照らす。


マリン・レッグセイヴァー

製作評価7

蒼海鋼を鍛え上げて作り上げた蹴りを補助する靴に、同じ目的で作り上げられて、長く使われた鋼鉄の靴が融合した。素材の強さだけではなく、長く使われたことによる経験と想いが込められた物が融合したため、一定の変質が起きている。

Atk+64 追加Def+44 龍の毒 水泳補佐 悪路軽減 足封じ系妨害効果軽減


 あれま。なんか一気にパワーアップしちゃってるぞ。新しくついた効果のうち、水泳補佐は言うまでも無く蒼海鋼の効果で付いたんだろう。そして悪路軽減と足封じ軽減の方は今まで靴が積み重ねてきた経験が表に出てきた事とかが関係しているのかもしれない。《サクリファイス・ボウ》の長く使った武具ほど効果が高くなると言った所から、この世界の武器や防具は一定の意思を持っている可能性が高いからな。そこら辺の見えない部分から来る要素は無視できない。

 ──そうなると、これから弓を作る訳だが……新しい弓を生み出すだけではなく、今使っている伏虎の弓に蒼海鋼で作り上げた弓を融合させれば更なる強化が図れるかもしれない。そうと決まれば、まずは伏虎の弓に融合させる事を目的とした弓を作り上げよう。将来を見据えた弓はその後で良い。と、その前に。

「ニテララさん。かなり現時点で蒼海鋼をかなり消費してしまっているけど、まだ使っても問題はないですか? それともそろそろ量的にまずいかな?」

 と、ここの責任者であるニテララさんに確認を取る。実験も合わせるとかなりの量を消費した。ストップがかかるかもしれないから、しっかり確認しておかないと。

「大丈夫。蒼海鋼はまた集めればいい。それに、貴方の作業を見る事で私としてもいい経験になる。気にせず続けて」

 まだ大丈夫か。ならば弓の製作に取り掛からせてもらおうかな。蒼海鋼を熱する事により粘りや硬度が変わると言う特性上、弓を作るには各自パーツごとに製作する必要がある。そのため合成弓を作る方法をとるしかない、な。幸い今までの経験で設計図自体はあるから、後は蒼海鋼の硬さ調整を失敗しないように気を付けて行えばいいだろう。

 そうして炉とにらめっこしつつパーツを作成。不良品をいくつか出してしまったが、何とか一張分の蒼海鋼で作り上げた弓が完成。


蒼海合成弓

製作評価 5

蒼海鋼を調整し、生み出された金属弓。弓としては例外的に水中でも運用が可能。他の素材等と融合可能

Atk+41 水中使用可能


 製作評価がいまいちなんだが……妥協するか? いや、出来が悪いパーツを交換してもうちょっと評価を上げたい。ニテララさんに許可を貰った後に蒼海鋼をさらに使用して、出来のいいパーツと取り換える。その結果……製作評価が五から七と上昇しAtkの増加量も四一から五九まで上昇した。これならば、伏虎の弓と融合させても良いだろう。ただ、この場合どっちがベースとなるのだろう? 先のファング・レッグブレード系は形が同じだったからどっちがベースとなっても問題はなかったのだが、この伏虎の弓は頂き物だ、外見だけでも伏虎の弓をベースとしたいのだが。

 しかし、良い方法も思いつかなかったので……伏虎の弓を下に置き、蒼海合成弓を上から合成させると言う方法を取ることにした。先に置いてある物の方が合成のベースになるゲームもいくつかある事だし、そこに賭ける事にした。あと、蒼海合成弓に(ベースはあっち、ベースはあっち)と念じても居る。意味はないかもしれないが、気休めにはなる。そうしてそっと蒼海合成弓を伏虎の弓の上に乗せた所、融合が発生して弓が形を変える。


蒼虎そうこの弓

アッパーレジェンド

獣人連合でごく一部の者に与えられる伏虎の弓が、新しき姿に昇華。その蒼き姿から撃ちだされる矢は、虎の牙と爪のごとく相手を食い破る。

Atk+84(+??)

特殊能力 虎の咆哮(矢を撃ち出すと、虎の咆哮が狙われた相手に襲い掛かり身を竦ませる) 虎の牙(射られた相手は、虎の強靭な牙によって噛み砕かれたかのような痛みを追撃として受ける) 蒼の闘気 (主人の戦意により、攻撃力がさらに上昇する。逆に主人が弱腰になると弱体化する。主人の戦意が一定以上に高まっていると、弓本来の姿を表す) 蒼牙撃襲そうがしゅうげき (水中で矢を射た場合、矢の周りにある水が刃となって敵に襲い掛かる)

 なんと、攻撃力だけならドラゴンの骨などから作った双咆を上回ってしまったぞ!? しかもこっちの方が特殊能力は少ないがMP消費を強いられない分使いやすいんじゃないかな。予想以上に蒼海鋼という素材は、とんでもない将来性を秘めている事を見せつけられたな。惜しむらくは、この場に双咆がないという事か。蒼海鋼で作り上げた弓と融合したら、どこまで行ったんだろうか。あと、特殊能力の偽装が蒼の闘気と言う物にさし替わったな。普段は木の弓にしか見えないこの蒼虎の弓だが、今度はどうなるのやら。

「それが完成品?」

 ニテララさんの言葉に、自分はあいまいに頷く。なぜなら、あと一張。妄想していた自分の弓を作り上げるための土台としてもう一張だけ作りたい弓があるのだ。そしてその為のデータはこの蒼虎の弓の素材となった蒼海合成弓で取れた。自分的にはここからが本番である。
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スキル

風迅狩弓Lv50 The limit! 砕蹴(エルフ流・限定師範代候補)Lv42  百里眼Lv38  技量の指Lv54  小盾Lv39  蛇剣武術身体能力強化Lv1 NEW! ダーク・スラッシャーLv1  人魚泳法Lv9 鍛冶の経験者LV30 ↑2UP 妖精招来Lv17 (強制習得・昇格)(控えスキルへの移動不可能)

追加能力スキル

黄龍変身Lv1.94

控えスキル

木工の経験者Lv8 上級薬剤Lv34  釣り LOST!  料理の経験者Lv27 義賊頭Lv47  隠蔽・改Lv7

ExP 9

所持称号 妖精女王の意見者 一人で強者を討伐した者 竜と龍に関わった者 妖精に祝福を受けた者 ドラゴンを調理した者 雲獣セラピスト 人災の相 託された者 龍の盟友 ドラゴンスレイヤー(胃袋限定) 義賊 人魚を釣った人 妖精国の隠れアイドル  悲しみの激情を知る者 メイドのご主人様(仮) 呪具の恋人

二つ名 妖精王候補(妬) 戦場の料理人

強化を行ったアーツ

《ソニックハウンドアローLv5》

7巻の製作の方は、大半が終わりました。後は細かいチェックですね。
それに伴い、9月の15日前後に該当部分を取り下げます。詳しい事は
9月の頭に活動報告にて行わせていただきます。
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