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連載

ダンジョン探索中

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 そうしてしばらくダンジョンの中を歩いたのだが。

「どうです?」「これも雑草だなぁ……」

 薬草も毒草も見つからず、途中で見つけた草を引っこ抜いて調べてみた結果は全部雑草。ここまで外れが続くと、てんしょんはびっみょーに下り気味。モンスターも居ないし……いや、ようやく反応があった。ただ、これはどういう事だ? モンスターの反応は二つなのだが、そのモンスターの周りには罠の反応がびっしり。その数は十や二〇では効かない。ここはダンジョンの経験者に聞いてみよう。

「ちょっといいか? モンスターの反応があった。あったのだが、なんかモンスターの周りにものすごい数の罠が設置されてる。こういう特性を持ったモンスターの心当たりはないかな?」

 自分の言葉に、ミリー、カザミネ、カナさんの三人がひそひそと話し始めて、「あいつですね」「間違いないと思います」「面倒ですね〜」何て声が聞こえてきた。ふむ、どうやら心当たりがあるようだ。

「では私が。おそらくそのモンスターはマンドラゴラ・トラッパーだと推測します。マンドラゴラという貴重な薬草である彼らは、自分の周りに多数の罠を仕掛けて敵を狩り、その狩った獲物を養分として生きているそうです。あと、マンドラゴラですから引っこ抜く時にあげる悲鳴を聞くと即死します」

 とカナさんからの説明が行われたが……また即死系持ちモンスターですか。マンドラゴラだから仕方がないのか……? ファンタジーにおける貴重なポーション制作にはよく関わって来る存在であるマンドラゴラだが、問題がいくつか。罠の解除は自分がやるとして、誰がマンドラゴラを引っこ抜くのか? そしてさらに言うなら、上手くマンドラゴラが手に入ったとしても今の自分のスキルレベルでポーションへの加工が可能なのか? そう考えると、戦うメリットが『無い』んじゃないかこれ?

「うん、スルーしないか? 何というか戦うと言うか引っこ抜く事にメリットが見いだせない。耳栓の類なんか誰も用意してきてないでしょ? それに万が一うまく手に入ったとしても、そのマンドラゴラを加工できる自信が自分のスキルレベルから考えると全くない」

 この自分の意見は、満場一致で通った。事前準備がないと相手にしちゃ駄目な奴っているよね、今回のマンドラゴラ・トラッパーもそう言ったモンスターの類だろう。どうしても回避できない場所にいるというのならばともかく、今回はどうしても進まなきゃいけない道の途中に居る訳ではないので、スルーした方が良いだろう。

 マンドラゴラをスルーしてしばらく、再びモンスターの反応が。詳細は分からないから初見のモンスターなんだろう。とりあえず皆に伝えておくか。

「モンスターの反応を感知した、数は四、罠の反応は周囲に無いから恐らく先程のマンドラゴラ・トラッパーではないと思う」

 自分の報告を聞いたカザミネ達は、すぐさま戦闘態勢に入る。ここら辺の切り替えの早さはさすがだな、先程まで漂っていた気の抜けた雰囲気は一瞬で霧散した。さて、まずはモンスターのお姿を見せて頂くとするか。

「自分が少し先行して、モンスターの様子を確認する。目の前に見えるあのT字路の右側から反応があるので、ここで待っていて欲しい」

 と、カザミネたちを待機させておき、気配を出来るだけ消してそっとモンスターの反応がある方向をのぞき込む。そこにはラフレシアの様な顔を持った草系統のモンスターが四匹たむろしていた。蔦もうねうねと動いており、拘束攻撃などを仕掛けてくる可能性は十分にあると見ておくべきか。更に観察を続けたが、足元は葉っぱに覆われていてイマイチよく見えない。事前に植物系統だからって移動しないとは限らないとカザミネ達から教えられている以上、確認しておきたかったのだが無理そうだ。とりあえずある程度は分かったのでカザミネ達の元に戻る。

「どうでしたか?」

 カザミネの言葉にモンスターの姿形を伝えると、すぐに思い当たるモンスターが居たようだ。マンイーターフラワーというド直球な名前のモンスターで、非常に好戦的なモンスターらしい。ラフレシアの華っぽい顔を持っているがそれはどうもダミーらしい。本命はその下にある球根みたいな部分らしく、花の部分を切り落としても大したダメージを与える事はできないらしい。そのため、ぶった切るなら縦に切り裂かないといけないとのこと。

 あと、ほとんどの打撃系統や突きに対する抵抗力が高い特性があると言う。その為、斧や弓矢、格闘攻撃はあまり効果的な攻撃方法ではないとの事。無論全く効かないという訳ではないが、素直に大剣や大太刀使いがぶった切った方が楽であり被害も少ない。魔法攻撃に対する抵抗は、土と水属性を大幅に軽減する。その反面、火や切り裂く系統に限定されるが風魔法は有効らしい。そうなると、自分の中では《ウィンドカッター》ぐらいしか有効打を与えられないのかな。燃やしたら肝心のドロップアイテムが手に入らない以上、強化オイル系統は考えに含まない。

「ここは私とカナさんに任せてください。彼奴らとは散々戦いましたから、ミリーさんとアースさんに軽い援護をして頂ければ十分です」

 との事なので、ここは前衛の二人に任せる事にした。最初に矢を射ってある程度の注意を引き、カザミネとカナさんの突撃するチャンスを作る。ミリーも風魔法で攻撃を仕掛け、マンイーターフラワーについているいくつかの葉っぱを切り落とす。そうしてマンイーターフラワーがこちらに蔦を伸ばし、攻撃を仕掛けようとした所でカザミネが突撃した。向かってくる蔦を大太刀で次々と切り裂きながら距離を詰める。そのカザミネの後ろからカナさんが続く。

 マンイーターフラワーとの距離を一気に詰めたカザミネは、迷いなく大太刀を縦に一閃。スカァン! という音と共にマンイーターフラワーの一匹が真っ二つになる。おそらくクリティカルヒット判定を受けたと思われるそのマンイーターフラワーは、その一太刀でカザミネの持つ大太刀の錆の一つとなった。残り三。

「やりますね、私も負けてはいられません!」

 カザミネの一太刀を見たカナさんが、別のマンイーターフラワーに斬りかかる。だが、獲物は片手剣なのでさすがに一刀両断とはいかない。それでもタンカーとしてモンスターからの敵意を引きつけつつ、襲い来る蔦を切り落とし、カウンター気味にマンイーターフラワー達を切り裂いていくその技量は実に見事だ。そうしてカナさんに生き残っている満イーターたちの注意が集まれば、自分達がフリーになるので……

「円花!」「チャンスと〜らいという奴ですね〜」

 自分は円花を展開して、ミリーは風魔法でマンイーターフラワーの蔦や葉、茎などを切り落としていく。特に蔦を切り落とせば、マンイーターフラワー達の攻撃手段である蔦を鞭のように使っての攻撃頻度が落ちるから、前衛二人の攻撃チャンスが増えるので積極的に行っていく。

「見えました、そこです!」

 動きを制限する物が減れば、輝くのがカザミネの大太刀による鋭い攻撃。カザミネの大太刀によってマンイーターフラワーが一匹消滅。これで残り二。マンイーターフラワー側はこのままでは旗色が悪いと見たか、ここで急に戦法を変えてきた。それは、突如花の中央部分から緑色の霧をカザミネに向かって吹き付けてきたのだ。が、カザミネはこれを何とか回避。すかさず距離を取った様だ。

「カザミネさん、毒霧です! いったん私の後ろに回って!」

 毒霧か、そんな攻撃手段も持っていたのか。とはいえ、その毒霧もカナさんの盾を貫くほどの腐食能力は無い様だ。何度も毒霧が吹き付けられるが、カナさんはそのすべてを盾を使っていなし切った。あれは盾が大きいからできる方法だな、自分のような小盾では無理だ。

「アースさん、あの毒霧を吐き始めたと言う時点で〜マンイーターはもう後がないギリギリな状態なんです〜。ですから、近寄りにくくなったお二人の代わりに、私達がトドメをいただいちゃいましょ〜」

 あ、あの毒霧は最後の手段という奴なのか。なら、円花を伸ばして滅多切りにすればいいかな。円花なら毒霧の間合いのはるか外から攻撃できる。という事で、自分の円花とミリーの風魔法によって残り二匹のマンイーターフラワー達は始末された。前衛二人によってかなり弱っていた様子で、その最後は実にあっさりとした物だった。

「申し訳ないです、本来ならばあの毒霧を吐かれる前にケリをつけるつもりだったのですが」

 と、戦闘後のカザミネの一言。調整を失敗したのか、それともタイミングが狂ったのか。まあ、全員無事に戦闘を終えられたのだから問題は無い。カザミネにも「そこまで気負う必要はないよ」と言っておいた。実際カザミネの活躍は大きく、ダメージを一番与えていた事は間違いないのだから問題は無いと思うけどね。

 そして、このマンイーターフラワーを火を用いずに倒した事でようやく未鑑定の薬草? も獲得できた。ここから、もっと薬草を集める事が出来ると良いのだが。
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スキル

風迅狩弓Lv50 The limit! 砕蹴(エルフ流・限定師範代候補)Lv42  百里眼Lv38  技量の指Lv55  小盾Lv42  蛇剣武術身体能力強化Lv3 ↑1UP ダーク・スラッシャーLv3 ↑1UP 義賊頭Lv47   隠蔽・改Lv7 妖精招来Lv18 (強制習得・昇格)(控えスキルへの移動不可能)

追加能力スキル

黄龍変身Lv2.58  偶像の魔王 1.12 

控えスキル

木工の経験者Lv13 上級薬剤Lv35  釣り LOST!  料理の経験者Lv27  鍛冶の経験者LV31  人魚泳法Lv10

ExP 11

所持称号 妖精女王の意見者 一人で強者を討伐した者 竜と龍に関わった者 妖精に祝福を受けた者 ドラゴンを調理した者 雲獣セラピスト 人災の相 託された者 龍の盟友 ドラゴンスレイヤー(胃袋限定) 義賊 人魚を釣った人 妖精国の隠れアイドル  悲しみの激情を知る者 メイドのご主人様(仮) 呪具の恋人 魔王の代理人 人族半分辞めました 闇の盟友 魔王領の知られざる救世主  無謀者 魔王の真実を知る魔王外の存在  天を穿つ者 

二つ名 妖精王候補(妬) 戦場の料理人

強化を行ったアーツ

《ソニックハウンドアローLv5》
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