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連載

そしてデコンドの街へ

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半月ぶりの更新です、お久しぶりです。
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 サルアへと向かう馬車のスピードから考えて、あと数分でサルア近くまで到着するだろう。それまでの時間を使って、大雑把にこれからの予定を確認しよう。

「まず、今日はこの馬車がサルアの街付近に着いたら降りて、そこからデコンドの街だっけ? に向かう。今日はデコンドの街に着いたらログアウトして、ダンジョンアタックは明日からって流れで良いかな?」

 この自分の確認に、ツヴァイが頷く。

「そうだな、その形になるだろうぜ。今日は移動で、ダンジョン攻略は明日からの方が時間的にも良いし……無理にダンジョンに行っても、碌な事にならないからな」

 ツヴァイの言うことは尤もだ。焦って行動を起こしても良い結果に繋がる様な事はない。特にこのワンモア世界はドS運営だから、いやらしい仕掛けがある日ポンと告知無しで出現してもおかしくはない。今までにも散々前科があるからな。今日はやはり移動だけにとどめておく方がいいだろう。

「とりあえずダンジョンに関しては、サルアからデコンドの街に向かう途中でざっと説明するぞ。アースには耳に入れておいて欲しいからな」

 レイジの言葉に、片手を上げて了解の意思を示す。と、その直後にゆっくりと馬車のスピードが落ちていく。街まではもう少し距離があるが……この馬車で街まで乗り付けると目立つから、そろそろ降りておけと言う事だろうか。まあこの近辺なら街が遠くに見えるし、今の天候も悪くはない。街に到着するまでに死ぬ可能性はまずないだろう。

「そろそろ降りる頃合いて負いう事ですね〜、忘れ物をしないようにしましょ〜」

 ミリーの言葉に従い、皆がもう一度身の回りを点検した。まさか魔王城に「すみません、忘れ物をしたので取りに来ました」なんて理由でお邪魔するのは避けたい。各自確認をしてから、足を止めた馬車から順番に降りていく。最後に降りた自分が「主殿に感謝を」とここまで引っ張ってくれた白熊に告げると、白熊は一度頷いた後に魔王城に向けて走り出していった。ここまで休みなしで走って来たのにまだ走れるのか、すさまじいスタミナだな。

「じゃ、とりあえずサルアの街に移動かな? それからデコンドの街に向かおうね」

 ロナの言葉に従い、皆でサルアの街に移動を開始。モンスターの反応は近くにないし、戦闘になることも無いだろう。ダンジョン以外だと、魔王領のモンスターとあまり戦っていない気がするな……まあいいや、明日からのダンジョン攻略で嫌というほど戦えるだろう。

 サルアの街へは問題なく到着できた。各自炭を始めとした消耗品を確認した後にデコンドの街へと出発。街を出発してしばらく後に、レイジが「ではそろそろデコンの街周辺にあるダンジョンについての説明を始めるぞ」との前置きをしてから喋りはじめた。デコンドの街周辺にあるダンジョンは、以前にもチラッと聞いていたがゴーレムなどの硬いモンスター、もっと大雑把に言ってしまえば岩とか鉱石を用いた連中の住処であり、そして熱い。例外はコウモリ系統のモンスターだけ。

 時々溶岩なども噴き出す事があるそうで、それが天然のトラップにもなるんだそうだ。ちゃんと退路を考えて進まないと、溶岩に燃やされて死亡する危険性も高い。特に高い所から低い場所へと移動する時はよく地形を調べてから降りないと、タイミングによっては部屋一つが丸々溶岩のプールとなる事があるので悲惨な結末になるんだとか。逆に溶岩が噴き出す場所が高台にある時も怖い。通路を伝って溶岩が下の階に流れ込んでくるからだ。

「──何その地獄」

 ここまでのレイジの説明を聞いて、自分の素直な感想がそれだ。モンスターが固くて厄介なだけじゃなく、溶岩による責め苦まで付いてるとか容赦がなさすぎるだろうに。

「だから絶対に無理はできないし、安全地帯と思われる場所の確保が急務となるダンジョンなのよ。幸い溶岩が噴き出すタイミングは小さな地震となって教えてくれるから、地震が起きたら即座に安全地帯と思われる高台に走るのが必須となるわ。例外的に特定のスキルを持っているプレイヤーが、壁や天井にMPコストがほぼゼロで貼り付けるらしいんだけど……アタシ達には該当者はいないわ。アース君は持ってる?」

 ノーラのセリフに、自分は首を左右に振る。というか、そんなスキルもあるのか。話を聞く限りだと忍者系かアサシン系かな? とにかく自分の知識にはないな。使えるとダンジョン攻略には便利そうだけど……ワンモアにPKシステムがなくてよかったよ。もしあったとしたら、気配を消して天井からするすると近寄って来て、頭上から不意打ちで頭部攻撃によるクリティカルヒット判定で即死させて来るプレイヤーが絶対生まれる。

「さらに追加で、落ちたら即死の異界穴何て通称がついている落とし穴もありますね。落とし穴と言っても隠されている訳ではないのですが、戦闘中でその存在を忘れていると落ちる事がたまにあると言った所でしょうか。時にはゴーレムに体を掴まれて、ポイ捨てされた人もいると言った話も聞いたことがあります。なので、よっぽどの事が無い限り落とし穴のある部屋には長居しない、戦闘をしないが基本的な行動の一つになります」

 もう何も言わないぞ。ワンモアの運営ならやりかねん事の一つとしか言いようがないからな。

「その分、色々な鉱石も手に入るしスキルレベルの上りも良い。危険を伴う代わりにリターンも大きいって言う典型的な例って感じだな。だからこそ、精神的に疲れてるときには行くべきダンジョンじゃないぜ。ちゃんをリアルで休息をとって、元気な状態でやらないとデスペナルティを食らいまくるだけで終わっちまう事もある所だからなぁ」

 と、ツヴァイの総括。なるほど、相応のリターンもしっかりあるって事か……というより、無かったら行く人はいないよな。きつい所を裸に武器だけ持って攻略するのが楽しいと言う一部特殊な方々を除けば、だが。オンラインゲームとオフラインゲームのどちらにもいるんだけど、ものすごい腕前と判断力で普通の人では対処できない、実行できない戦闘方法や回避方法を用いて被弾を一回もせずに難所や強敵を圧倒しちゃう猛者が存在する。そしてそれを動画に収めた物をみたりすることもあるんだけど、到底真似できない。まあ、自分には関係ない世界だね。

「そんな場所ならなおさら、今日はデコンドの街に着いたら大人しくログアウトで潜るのは明日からだなぁ。別段、大急ぎで鉱石を集めなきゃいけないって話でもないんだろう?」

 と、ツヴァイに確認を取った所、ツヴァイは大きくうなずいた。なら問題はないな。この日はデコンドに到着後、宿屋を確保してログアウトした。さて、明日からはゴーレムたちが相手となる訳か……ダンジョンの中の猛暑は、持っているマントでどうとでもなりそうだな。
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ちょっと短いのですが、今日はこの辺で。
やっぱり半月も更新してないと感覚がおかしいですね。
筆の進みが滅茶苦茶遅くなってます。
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