トップ>小説>転生貴族の異世界冒険録〜自重を知らない神々の使徒〜
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第一章 幼少期編

第二話 勉強

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「まずは、この世界のこと、文字や歴史とか勉強しないとだめだよな」
 
 シルビアは俺付のメイドらしく、文字も読めるので、色々と教えてもらった。
 
「カイン様、絵本をお読みいたしますね」
 
 精神的には高校生だが、文字がわからないので仕方なかった。
 前世の高校生だった頃の記憶を持ちながら、少女から絵本を読んでもらうという屈辱を味わいながらも文字を覚えていった。
 文字を指差しながら読み方を聞いて、書き方を教わりながら自分でも練習をしていた。
 この世界にはまだ綺麗な紙というのはなく、羊皮紙や布地、木板に書き込むのが主になっている。
 やはり精神と知識は高校生。しかも脳は子供だ。
 勉強すればどんどんと頭に入っていく。一ヶ月を経つ頃には文字については問題なくなっていた。
 
「カイン様。もう文字の読み書きは大丈夫ですね。三歳で完璧に覚えるなんて天才です」
 
「シルビアのお陰だよ。上手に教えてくれたからすぐにわかったし」
 
 本命の本を探してもらうのに、まずはおだてておかないとな。
 シルビアはカインにおだてられて、頬に両手を当て照れていた。
 
 ここからが本番だ。
 
「そういえばシルビア。この国の歴史とか、魔法の本ってこの家にあるのかな?」
 
「この屋敷の書庫に両方ともございますよ」
 
「両方ともあるの? それ読ませて欲しい。何冊か持ってきてくれないかな?」
 
「わかりました。昼食後にお持ちいたしますね」
 
 この世界に転生して、一ヵ月。やっと魔法の本が読める。気持ちが高ぶった。
 あれから体調も万全で問題もなく、母親からも家の庭内ならと自由行動の許可をもらっている。
 
「魔法が早く使いたい。その前に俺に魔法使えるのかが心配だけどな」
 
 昼食後、部屋に置いてある絵本を読んでいると、シルビアが魔法と歴史の本を持ってきてくれた。
 
「カイン様、この国の歴史と、簡単な魔法の本をお持ちいたしました」
 
「ありがとう。シルビア」
 
「歴史も魔法も難しいですよ。ステータス魔法はまだ使えませんし」
 
「いいんだ、シルビア。そのうち使えるようになった時のための知識だからね」
 
 本を受け取り、さっそく題名を見てみる。
 
『エスフォート王国の歴史』
『魔法の手ほどき初級編』
 
 そのままだな。
 
 エスフォート王国とは今、俺が住んでいる国の名前だ。
 王国が出来て約三百年、今の国王は十五代目になるらしい。
 初代国王は、冒険者から勇者となり、名をはせ村を起こし、そこから街、国を一代で築いたらしい。ただ、どこの出身かは不明だそうだ。
 
 初代国王の名前がユウヤ・テラ・ヒラサワ・エスフォート。
 
 名前を読んで、思わず吹いた。
 
「これって、確実に日本人だよな」
 
 現在の国王はレックス・テラ・エスフォート。
 何代か前にヒラサワは抜いたそうだ。
 
 この国は貴族制をとっており、王族・大公・公爵・侯爵・辺境伯・伯爵・子爵・男爵・騎士爵とわかれている。
 名誉職と騎士爵は当代限りで、その他は世襲制だ。
 うちの家は辺境伯家だから、上級貴族となっている。まぁ住んでいる家も結構大きいし豪華だからなんとなくわかっていたけど。
 
 そしていよいよ魔法の本に手をかけた。
 
「やっぱり魔法はファンタジーだよな」
 
 本をめくり最初に書いてあるのは一文だけだった。
 
 『五歳の洗礼を受けて、ステータスに素養があれば読むべし』
 
 もしかしてそれまで出来ないのかと、思いつつも次のページをめくる。
 
 『体内の魔力を感じること』
 
 この世界の人間にある魔力袋は、へその近くにある丹田あたりにあるみたいだ。
 生き物の種類によって異なるそうだが。
 
 目を閉じて瞑想してみる。
 体の中を感じながら探っていくと、丹田あたりが熱くなってくる。
 
「これかな」
 
 魔力の流れを意識してみると、ゆっくりだが体内のあちこちを巡っているのがわかる。
 
「なんか血管みたいな感じだよな」
 
 そういいながら意識していると、自分の意思で動くことがわかった。
 体の中をぐるぐると動かしながら、さらにページをめくっていく。
 
 『指先に魔力を集めて、詠唱せよ』
 
「うーん。こんな感じかな」

   指先に魔力を集めるように集中し、ロウソクみたいなイメージで『火よ』と唱えた。
  五センチくらいのイメージのつもりだったが、指先から五十センチくらいの火柱があがった。
 
「うおっ! びっくりしたぁ」
 
 指先から出ている魔力を拡散させ火を消した。
 
「魔法は使えることはわかったけど、部屋の中で火の練習は危ないな。今日のとこは魔法の本を読むだけにしておこう」
 
 本を読みながらわかったことは、魔法属性の基本として火水風土の四元素があり、他にも無闇光空などがある。イメージに魔力をのせて発現するので他にもオリジナル魔法などがあるらしい。
 
「日本のラノベ知識のある俺としてはたまらんな」
 
 先程使った魔法で、魔力減少の怠さを感じながら、また魔法の本に目を向ける。
 
「魔力操作と魔力量増加を伸ばすのはどこかに載っているのかな」
 
 ページをめくりながら探していく。
 
 『体内魔力循環を日々使うことによって魔力操作が上達する』
 『体内魔力を使い切り休息することが魔力量の上限が増える。但し、上限は人により異なる』
 
「まずはこの二つがメインだな。まだ三歳だし伸び代は結構あるだろ。これからは魔力量を増やすこと、あと実験だな」
 
 ニヤニヤしながら目的のものを見つけられ満足する。
 
「カイン様、そろそろ夕食のお時間です」
 
 シルビアの声だ。窓を見ると夕焼けの光が差し込んでおり、いつのまにか夕暮れになっていた。
 魔法の本に集中しすぎたらしい。
 
「今いくよ」
 
 机に魔法の本をしまい部屋をでる。
 ダイニングに向かうと既にサラとレイネが待っていた。
 席につき待っていると、最後に父のガルムが入ってきて席に座る。
 
「それではマリンフォード七神に感謝をしていただこう」
 
 ガルムが最初に口をつけたあとに、みなも食事を始める。
 
「カイン。最近は本ばかり読んでいるとシルビアから聞いているぞ。本は楽しいか」
 
「はい。父上。まだ外出できる年ではありませんので、外の知識を今から勉強するのも楽しいです」
 
「カインったらまだ三歳なのに、もう文字の読み書きを完璧にこなせるのよ」
 
 サラは笑顔で答えている。やはり自分の子供の頭がいいと思っているからだろう。
  そりゃいくら文字が違うけど、実際高校生の集中力はあるから頭には結構入ってくるよね。
 
「早く洗礼を受けて、魔法を使ってみたいです」
 
 実際はさっき使えたけど。
 
「そうか。将来宮廷魔術師かな。カインは」
 
 父のガルムもワインを飲みながら喜んでいる。
 
「私だって、もっとすごい宮廷魔術師になってるわよ。カインの先輩になって待ってるわね!」
 
 姉のレイネは魔法の素質があったようで、早く学園に入学して勉強したいみたいだ。
 この世界では十歳から十五歳の間を学園で過ごす。かく領都に学園は設けられているが、一番レベルが高い学園は王都にあるエスフォート王立学園だそうだ。そこを卒業すると、領都に戻って仕事を探しても歓迎されるということだ。
 



 そして二年が経ち、五歳の洗礼の時を迎えた。
 
 魔法を知ってからの二年間、勉強に鍛錬、魔法の訓練をひたすら行った。
 散歩と言いながら、隠れて魔法の実験もやりまくった。
 さすがに環境破壊のような魔法を使うとバレてしまうので自重したけど。空に向かっていつも魔法を放っていた。
 自己訓練については自重という言葉を忘れていた。
 
「うん。俺は魔法使いになれる」
 
 そう思いつつ日々過ごしていった。
 


 そして洗礼日を迎えた。
 
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 書き貯めあまりないので書かないと。書こうと思ってタブレット開くと、他作読んでしまって全然進みません(汗)

11/24 文書修正してます。

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