トップ>小説>転生貴族の異世界冒険録〜自重を知らない神々の使徒〜
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第一章 幼少期編

第六話 お披露目会

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 家族へのお披露目が済んでから、一週間が経ち、今日はグラシア領内の貴族や有力者にお披露目をする日だ。

 あれから魔法の創造はしていないが、魔力操作や魔力量増強の修行は欠かさずにやっている。あと、武神サーノスから言われてたので庭で木剣を振っている。
 

「カイン様、いよいよお披露目ですね!」

 シルビアがお披露目用の服を用意してくれる。

「そうだね。今までは家族と庭内くらいしか出ていないから、いろいろな人に会うので緊張するよ」

「カイン様なら大丈夫ですよ。なんせ天才ですから」

「天才は言い過ぎだよ。でもありがとう」
 
 服も髪もセットできた。あとはお披露目だけだ。

 夕方になり、お屋敷の大広間には数十人の招待客が集まってくる。
 主催者のガルムが演台に立ち、第一声をかける。

「今日は忙しい中集まってくれて感謝する。三男のカインが無事に五歳を迎えられこうしてお披露目することになった。先週洗礼も済ませ、神の加護もいただいた。では、カイン入ってこい」

 扉が開けられて、中に入る。
 ガルムの横に立ち、周りを見渡す。

 うわっ。人いっぱいじゃん。
 深呼吸して、息を整える。

「ご紹介に預かりました、カイン・フォン・シルフォードでございます。皆さまのおかげで無事に五歳を迎えられました。まだ若輩ものですので、これから皆さまのご指導によって成長していきたいと思っております。これからもよろしくお願いいたします」
 
 頭を下げた。
 よし、事前に前世の知識を駆使して書いた、脳内台本通りに言い切った。

 あれ。なんも返答がない。

 周りがシーンとしてる。
 
 隣を見ると、ガルムもこちらを見ながら苦笑いしてる。

 数秒経ち、ポツポツと拍手が出始め、次第に大きくなっていき盛大な拍手となった。

「五歳らしくない挨拶ではあったが、皆もよろしく頼む。では乾杯」

 ガルムが最後をしめた。


「「「「「「「「乾杯」」」」」」」」

 手にもったグラスを高々とあげた。
 
 あ、さすがに五歳ではあの挨拶はありえないか。
 まぁしちゃったものは仕方ないのでそのまま通そう。

 次々と挨拶にくる人が並んでいる。

「カイン。覚えておくといい。こいつがトリスだ」

 ガルムが紹介してくれる。

「トリス・フォン・サラバス子爵です。初めまして。グラシア領の東にある隣国バイサス帝国との国境の砦の町ラメスタにて領主をしております」

 金髪で貴族服を着ているが、武人の雰囲気だ。

「トリス子爵とは昔馴染みだ。トリス子爵がラメスタを守ってるから、グラシア領は帝国と接してるが安全なんだよ、よく覚えておけ」

 ガルムが説明してくれる。

「ガルム辺境伯が色々と補助してくれるお陰で、兵士も揃えられてるし助かってるよ。それにしても先ほどの挨拶といい、カイン君は神童かな」

「カインは本ばっかり読んでたからなぁ。もう文字も計算もできるみたいだ」

「それは素晴らしい、三男だし、婿の貰い手はいくらでもつきそうだね。うちに娘がいたら婿にもらいたいくらいだよ」
 
 褒めてくれるのはうれしいが、五歳に婿の話をされても困るよ。

「ありがとうございます。まだまだ勉強が足りません。学園に入るまでは家の書庫にて楽しんでいます」

「そのうちラメスタにも来るといいよ。色々と勉強になると思うし」

「わかりました。父と相談してお伺いできるようにしてもらいます。その時はよろしくお願いします」

「ますます五歳らしくない。でも将来楽しみだね。あ、次の人が待ってるからまた後で」

 そう言って人込みに戻っていった。
 次は文官みたいな人だ。

「サライ・フォン・マクレーン男爵です。このグラシア領にて代官をしており、ガルム辺境伯が王都で留守をまかされております」

「そうそう。サライはいつも書類の山を持ってきて、なかなか逃げさせてもらえないんだよ。印を渡すから適当に押してもらっていいのに」

 ガルムがそう言ってるが、それはそれでダメだろう。

 サライさんも苦笑いしている。

「書類はガルム様に目を通していただかないといけません。これも領主の仕事ですから」

 思わず頷いてしまった。

「わかったわかった。カイン、この領都のことはサライに聞くのが一番だ。わからないことがあったら教えてもらえ」

「サライ男爵、グラシア領のこと色々と教えてください。よろしくお願いします」

 素直に頭を下げる。

「カイン様なら喜んで。文官になれる教育もいたしますよ」

 サライはかなり乗り気になっている。

「待て待て。まだカインは五歳だ。成人してから自分で選ばせる。その時に文官希望だったら、その時は頼む」

「ガルム様承りました。では私はこれにて失礼いたします」

 次に来たのは、汗をふきふきして、重そうな身体を揺らしながら近づいてきた。商人のようで、宝石の腕輪や指輪を両手につけていた。

「カイン様ご機嫌うるわしゅう。わしは王都が本店でグラシア領支店長をしてるナルニス商会のマティアスと言いますわ。言ってくれれば奴隷でもなんでも用意しまっせ。ご用命はわしに頼んますわ」

「奴隷はわかりませんが、お願いすることもあるかと思います。その時はよろしくお願いいたします」

「これは知的な坊ちゃんですわ」

 この商人、コロンつけすぎで臭いし。

「すいません。一度席をはずします。父上よろしくお願いします」

「わかった。ここにいるから早めに戻ってくるんだぞ」

 さっさと大広間を出た。
 トイレを済ませ、大広間に向かってると、同じ年くらいの女の子が迷っているようだった。

「君、迷ったの?」

 振り向いた女の子は、普通の人が頭にないものがついていた。
 猫耳である。


 ねこみみきたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

 しかも顔も目がくりくりして可愛い!!
 色々な本を読んでて、獣人がいるとは聞いていたけど、まだ会ったことがなかった。
 街にも出たことないしね。

「うん。父さんと一緒に来たんだけど、お手洗いに行ったら戻れなくなっちゃったの」

 不安そうに答えてくれた。

「僕、カインって言うんだ。君の名前は?」

「私パルマって言います」

「じゃあ一緒に大広間に戻ろうか。あんまり戻らないとお父さんも心配しちゃうしね」

「うんっ」

 パルマが笑顔で答えてくれた。

「大広間に戻ったら、一緒にお父さん探してあげるよ」

「ありがとうカインくん」

 やばい。可愛すぎる。猫耳撫でたい。頭に伸ばしたい手を必死にこらえながら歩く。

 パルマを案内しながら一緒に大広間に戻った。
 部屋のあちこちでは人々が雑談をしながらグラスを傾けてた。

「お父さんどこらへんにいるかなー?」

 一緒に歩いてると声を掛けられた。

「あ、パルマ。戻ってこないから心配したんだよ」

 振り向くと、同じ猫耳をした優しそうな男性が立っていた。

「あ、お父さん。迷っちゃってカイン君に案内してもらったの」

「それはどうも、ありが……」

 お礼の途中でお父さんが止まった。

 冷や汗をかきながら聞いてくる。

「もしかして、カイン様ですよね」

「はい。そうです。初めまして。カイン・フォン・シルフォードです。今日はお祝いに来てくれてありがとうございます」
 
 丁寧に頭を下げる。

「いえいえ。こちらこそ申訳ありません。うちのパルマがお世話になってしまって」

 隣でパルマは理解できてないようで首をかしげてる。

 うわ。めっちゃ可愛い……。

「パルマ! この方は今日の主役のカイン様だぞ。失礼はなかったか??」

「えっ。カイン君って貴族様だったの? そういえば豪華な服着てるなって思ってたけど」

「パルマ! カイン君なんて呼んだらいけません。貴族様なんだからカイン様とお呼びしなさい」

「いやいや、気にしないでください。まだお互い子供ですから。今まで屋敷に籠っていたせいで同年代の人と話す機会がなかったもので。よかったらパルマ、友達になってくれるかな?」

「うん! カインく……様なら喜んで」

「ありがとう」

 いつかその猫耳撫でさせてほしいです。

「そういえばご挨拶がまだでした。私はこのグラシア領にてサラカーン商会をしておりますサビノスと言います。パルマ共々よろしくお願いします」

 丁寧に頭を下げてくる。
 さっきの宝石豚よりずっといい。

「こちらこそ。まだ子供で何もできませんが、何かありましたらよろしくお願いしますね。そろそろ戻らないといけないので父のところに戻ります。サビノスさん、パルマまたよろしくね」

「こちらこそよろしくお願いします」

 パルマに手を振ってから、ガルムのもとに戻る。
 そのあと何人か紹介されたが、そこまで記憶に残っていない。
 五歳に紹介しても、そこまでわからないっていうの。

 お披露目会も無事に終わり、来賓もすでに帰った。
 家族用のリビングでのんびりと紅茶を飲んでいたら、ガルムが入ってきた。

「今日はお疲れだったな。楽しいことでもあったか? 顔がにやけてるぞ」

 ガルムはカインの対面のソファーに座った。

「はい、父上。今日初めて猫の獣人の方と会いました。女の子がいたのですが可愛かったです」

「五歳で色気づきやがってまったく」

 ガルムもカインの神童ぶりが発揮され、今日きた来客からの評判もよくご機嫌だった。

「色気づくなら成人してからにしろよ。カインは三男だからうちを継ぐことはできんからな、成人したら自分の道を見つけるといい。何かするなら手助けはしてやる」

 カインのステータスを知っているガルムとすれば、どの職種につこうとも成功すると思っている。 
「はい、わかってます。僕は冒険者になりたいと思ってます」

 ガルムを見て真剣に答えた。
 ガルムは少し悩んだ顔を見せたが、すぐに笑顔になった。

「宮廷魔術師や騎士や商人ではなく冒険者か。それもいいかもな」

「はい、冒険者になってこの国の王都や他の地域、できれば他の国を回ってみたいです」

「わかった。冒険者になれるのは十歳からだが、十歳になったらカインは学園に行く必要がある。それまで剣と魔法の家庭教師をつけよう。こちらで人は探しておく」

「父上ありがとうございます」
 時間も遅くなったこともあり、ガルムに挨拶をしてから部屋に戻った。
 服を脱いでシルビアに渡していく。寝間着に着替えベッドに入る。

「カイン様、本日はお疲れさまでした。やはりカイン様は天才です! 将来楽しみです」

 シルビアも今日の挨拶を聞いていたようで、興奮している。

「シルビア、そんなに乗せないでよ。それにしても疲れたよ。今日はゆっくり休むね。おやすみ」

「おやすみなさいませ、カイン様」

 シルビアは脱いだ服をまとめて持ち、部屋出て行った。
 それにしてもやはり猫耳最高!
 そう思いながら、ベッドの中で意識を手放した。

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 いつも読んでいただきありがとうございます。
 ヒロインいつになったら出せるんだろ。
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