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第一章 幼少期編

第九話 初戦闘

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 カインとミリィとニーナの三人は街道を進んでいく。
 カインは初めての外ということもあり、周りを見渡しながら歩く。
 一時間ほど歩いただろうか、先頭を歩くミリィが止まる。

「これくらい距離があれば、魔法の訓練もできるわね」

 街道を外れ、草原地帯を歩いていく。

「ここで練習しましょう」

「ミリィその前に、ごはん」

 冒険者ギルドで余計な時間が掛かったこともあり、太陽は真ん中あたりまで上がっていた。

「そうね。食べてから訓練しましょうか」

 ミリィがリュックから弁当箱を三つ取り出す。

「いつも泊まっている宿で弁当を作ってもらったのよ。ここのご飯は美味しいから」

「うん。青銀の鷲亭の料理は最高」

 ニーナも同調している。

「それは楽しみですねっ!」

「あんまり満腹まで食べて動けなくならないようにね」

 そういって、弁当を渡してくれる。
 弁当箱を開けると、そこにはサンドウィッチが数種類入っていた。
 一つ食べてみる。

「これ本当に美味しいですね」

 勢いよく食べ始めたカインにニーナがコップに魔法で水を注いで渡してくれる。

「急いで食べると詰まらせる」

「ニーナさんありがとう」
 
 コップを受け取り、口に入れていたものを流し込む。

「ニーナが水魔法使えるから便利よね。私は火魔法と身体強化くらいしか魔法使えないからなぁ。だから剣術がメインになっているし」

「……ミリィは脳筋」

「うるさいっ!」

 いいコンビだとカインは苦笑いした。

「それじゃぁそろそろ訓練しましょうか」

「はい!ミリィ先生」

「カイン。最初は水魔法から。あそこに出ている岩に当てて」

 20メートルほど離れたところにある岩を指す。

「わかりました。ニーナ先生」

 カインは構えて右手を前に出す。

水球ウォーターボール

 1メートルくらいの水球が打ち出される。

「次は火魔法で」

火球ファイアーボール

 また1メートルくらいの火玉が打ち出される。

「次は土魔法」

岩弾ロックパレット

 小さい岩が現れ岩に向かって飛んでいき当たって弾ける。
 風も手のひらから岩に向かっていく。

「初級魔法は特に問題ない。あとは中級魔法が見てみたい。好きなのをしてみて」

岩杭ロックパイル

 岩の手前から数本の岩杭が起き上がる。

「次は火魔法使ってみますね」

火壁ファイアーウォール

 高さ5メートル、横幅10メートルの壁ができる。波のように岩に向かって着弾する。

「とても五歳とは思えない。同じ中級でも威力がまったく違う」

「まったくよ。五歳で中級まで魔法使えるなんてどうかしているわ。しかも威力も桁違いときた」

「魔力量が少なくなっただるさはない?」

「まったく問題ありません」

「魔力量も一流か」

 ミリィとニーナが呆れている。

 その時、近くの草がガサガサと揺れた。

「ニーナ!!」

「わかってる」

「カイン。何か近くにいるわ。注意しなさい」

 思わず構えた。
 草むらから顔を出したのは、角の生えたうさぎだ。

「ホーンラビットね。一匹しかいないみたいだし、カイン魔法で仕留めてみる?」

「はい!ぜひともやりたいです」

「革も肉も売れるから、火魔法はだめよ」

「わかりました」

 ホーンラビットのほうに構える。
 うーん。どの魔法にしようか。ここは風魔法だな。

空気弾エアバレット

 勢いよく空気の弾丸が飛んでいき、ホーンラビットの体に直撃する。
 そのまま倒れ痙攣した後、息絶えた。

「やったっ!」

「初めてにしては上出来よ」

「カイン、ホーンラビットそのまま持って帰るといい」

「いいのですか?母上と姉上に見せたいです」

 ホーンラビットに近づきアイテムボックスに収容する。

「アイテムボックスあるといいわね。私も欲しいわ。もうちょっと貯金できたら魔法袋を買いたいのよね」

「魔法袋なんてあるのですね。初めて聞きました」

「レアな空間魔法特性もっている魔法具屋で売っているのよ。収納できる量によって値段はまったく違うけどね」

 いいこと聞いた。アイテムボックスはレアだけど、魔法袋はお金さえあれば持てる。目立たないようにするためにカモフラージュできそうだと、心のメモに書き込んだ。

「あと数匹探して狩っていこうか。ニーナ。探索できる?」

「ん。やってみる」

 ニーナが杖を持ち呪文を唱える。

『我求める。我近くの敵を探し出せ、探査サーチ

「ここから300メートルくらいのところに数匹いるみたい」

「ニーナ先生!今の魔法なんですか?」

「魔力を持っている魔物を探した。魔力を薄く広げる感じ。ただ強さとかははっきりわらかない」
 あれば魔法便利だな。魔力を薄く広げるように伸ばしていく。

『我求める。我近くの敵を探し出せ。探査サーチ

 ニーナの言った方角から敵の感覚が認識できた。

「ニーナ先生!できました!魔物が5匹いたのがわかりました」

「……普通一回で出来ない。しかも方向的な感覚はわかるけど何匹いるかまでは普通はわからない」
 
 溜息をつくニーナだった。

「カインのことは、諦めが必要よ。それより狩りにいくよ」

 ミリィは狩る気満々だ。
 静かに敵に近寄っていく。

「五匹いるから、私とニーナで二匹ずつやるわ。カインは一匹受け持ちできる?」

「大丈夫です!」

 ミリィは身体強化を自分に掛けて走り出した。
 おぉ。速い。オリンピックの短距離選手より速いスピードでホーンラビットに近づき剣を一閃した。
 ホーンラビットは何も出来ずに首を刎ねられた。

「私も倒す」
『我求む。一閃する風の刃よ駆け抜けろ。真空刃エアカッター

 ニーナの魔法もホーンラビットに一直線へ飛んでいき首をはねる。
 カインも自分が受け持った一匹に向かう。
 イメージでいいよね。真空の刃をイメージする。

 『真空刃エアカッター

 手から離れた真空の刃がホーンラビットに向かっていく。
 首に当たらなかったが、胴から真っ二つになった。
 戦闘はものの数分もせずに終わった。

「ホーンラビットくらいなら特に問題ないわね。早く血抜きしましょう。匂いにつられてウルフが寄ってくるわ」

 穴を掘りそこに血を流す。
 血が抜けたところで、アイテムボックスにしまう。

「そろそろ帰りましょうか。遅くなると領主様に責められるわ」

「そうですねー。ただでさえ初めての外なので心配していると思うので」

 荷物をまとめて帰り支度をする。
 三人でまた同じ道を戻った。

「外から見ると、領都も大きいですね。壁も高いし」

「帝国から砦の街を過ぎたら、この街だからね。しかも森には魔獣が沢山いるのよ。数十年前にも大氾濫が起きて数百匹の魔獣が出てきたと言われているわ」

「帰ったら書庫でも見てみます」

 三人で話しながら、門についた。
 門番にカードを見せながら中に入る。

「入るときはギルドカードの提示か、住民タグを見せる必要があるのよ」

「僕証明するの何も持ってないですよ?」

「いいのよ。出るときに領主様のご子息と説明してあるから」

「それならよかったです」

 街中を歩き、領主の館に到着する。

「今日はこれで終わりね。また次も草原に出ましょうか」

「はいっ!外にでるの楽しいです」

「カインまたねっ!」
「カインまた」

「またよろしくお願いします。今日はありがとうございました」

 門を開け、家に入る。部屋に戻ってまずは防具を外して着替える。

「今日楽しかったな。ホーンラビット二匹しか倒せなかったからレベルなんて上がらないと思うけど」
 一応見てみるか。魔法使ったし。

 『ステータス』
 【名前】カイン・フォン・シルフォード
 【種族】人間族 【性別】男性 【年齢】五歳
 【称号】伯爵家三男 転生者 神の使徒
 【レベル】8
 【体力】3,180/3,180
 【魔力】254,890/254,890
 【能力】SS
 
 【魔法】
  創造魔法Lv.10
  火魔法Lv.10
  風魔法Lv.10
  水魔法Lv.10
  土魔法Lv.10
  光魔法Lv.10
  闇魔法Lv.10
  時空魔法Lv.10
  生活魔法
 
 【スキル】
  鑑定Lv.10
  アイテムボックスLv.10
  武術Lv.10
  体術Lv.10
  物理耐性Lv.10
  魔法耐性Lv.10

 【加護】
  創造神の加護Lv.10
  生命神の加護Lv.10
  魔法神の加護Lv.10
  大地神の加護Lv.10
  武神の加護Lv.10
  技能神の加護Lv.10
  商業神の加護Lv.10


 なぜ朝までレベル1なのにすでに8まで上がってるんだ。ホーンラビット二匹しか倒してないよっ!
 しかも体力も魔力も上がり方がおかしいし。
 一万で宮廷魔術師って言っていたよね……。
 ますます人外認定されちゃうよっ!!!

 またステータスを見つめながら崩れ落ちるカインであった。


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 10/6 魔法が下書きのままだったので修正しましたorz
 10/21 ステータス表記修正しました
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