トップ>小説>転生貴族の異世界冒険録〜自重を知らない神々の使徒〜
56 / 94
第二章 学園・冒険者編

第十九話 やっぱり

しおりを挟む
 昼食は食堂で食べた。

「カイン! さっきの光すごかったな」

 両手で食事のプレートを持って声を掛けてきたのは同じSクラスのコリットだった。
 コリットは平民だが、実家が魔道具の店を経営しているということで、魔法科と魔道具科で一緒に授業を受けており、それがきっかけで仲良くなった。

「んー。なんだったんだろうね。僕にもよくわからないや」

 自分でやったことだけど、ごまかしておいた。

「でも、あの人みたいのが出てきてたけど、すぐに消えちゃったね」

「うん。そうだったね。可愛い動物が出てくれば良かったのに……」

 契約しているハクとギンは大きくなってきたけど相変わらず可愛かった。
 そう思っていたら出てきたのは魔王だったし。

「そういえば、午後はカインって貴族科だっけ?」

「……うん……。あんまり受けたくないんだけどね」

「まぁ貴族だし、仕方ないし頑張れよっ」

「コリット、ありがとう」

 二人は向かい合わせて食事をすすめた。
 コリットは気を使わない数少ない友達だった。

「じゃぁまた帰りにねー」

 食べ終わったコリットは空いた器を下げに行った。


 そして午後の貴族科の授業となった。
 貴族科の授業は、内政や外交、貴族についての礼儀作法などがある。
 そしてこの授業を受けたくない理由があった。

「カイン様、ちゃんと聞いてますか?」
「カインくん、寝ちゃだめだよ?」

 両隣がなぜか、テレスとシルクになっている。
 そしてもう一つあった。

「カイン男爵! なんであなたは王女殿下と公爵令嬢の二人にいつも挟まれているんですか!」

 コルジーノ侯爵の息子のハビットだ。
 ハビットはBクラスだが、選択科目で一緒になっている。
 貴族当主となってからは、気を遣ってくれるが面倒だったりする。
 
「うん。ハビットくん、ここは学校だからカインでいいよ? なぜかって言えば僕にもわからない」

「はい、雑談はそこらへんで!」

 教師から怒られた。

「「はいっ」」


 授業に関しては座学がメインとなっているため、説明されたことをノートにまとめていった。
 そして授業も終わり、帰る時間になった。

 北門の出口を歩いていると、テレスを迎えにくる馬車がついていた。
 そしていつもに増して大人数の護衛の騎士が立っていた。いつもは数人なのに、今日は二十人位の騎士が立っている。
 何かあったのかなと思いつつ通り抜けようとすると声がかかった。

「カイン男爵。お待ちしておりました。陛下がお呼びです」

 振り返ると副騎士団長のダイムが立っていた。

「また……なにかやりましたっけ……」

 カインには呼ばれるようなことをした記憶がなかった。というか、何を召喚したかをすでに忘れていた。

「それは陛下の前でお願いします。私も詳細は聞いておりませんので」

 テレスが来たことで、一緒に馬車に乗せられた。

「カイン様と一緒に帰れるなんて、私うれしいですわ」

「うん……そうだね……」

 カインは何かしたかと思いつつも王城に行き、いつもの応接室に入った。
 応接室にはすでに陛下と宰相、エリック公爵、グラット先生がいた。

「え、グラット先生? なぜこの場所に」

 陛下がいきなり確信をついてきた。

「カイン、今日、授業で何を呼び出した……」

「えっ……」

 思わず、グラット先生の顔を見た。視線の合った先生は顔を横に振った。

「……」

 少しの沈黙が続いたあとに、カインが折れた。

「す、すいません……魔族が出てきました……」

「……魔族? 違うだろう。カイン……正直に言え」

 陛下の視線がかなり真剣だ。そしてカインは諦めた。

「……ま、魔王が出てきました」

「……やはりそうか。それでどうしたんだ? 帰ったわけではないだろ?」

「召喚契約しました……」

「やはりそうか……」

 陛下はがっくりと肩を落とした。

「カイン……お主は自重という言葉を知らんのかっ! もし魔王が暴れたりしたらこの王都がどうなったか……」

 

「はい……もちろん知っております……。つい、魔力を込めたらどんどん吸い込んでいくので……まさかそんなのが出るなんて思ってもいませんでした」


「初代様のところで修行もしたのだろう。あのおかしなステータスからまた上がっているのだろう。どうなったか見せてみよ」
 
 ユウヤから修行の時にステータスを見るなと言われてから見ないことが常態化し、ステータスを確認することをすっかり忘れていた。

「グラットよ、これから見るものは一切の他言無用だ。国家機密だと思え。他に話せば死罪だ」

「えっ……はい、陛下」

 グラットも死罪とまで言われれば気を引き締めて返事をした。

「カイン」

「……はい」

 全てを諦めたカインはステータス魔法を唱えた。

『ステータスオープン』

 【名前】カイン・フォン・シルフォード
 【種族】人間族? 【性別】男性 【年齢】十歳
 【称号】辺境伯家三男 転生者 神の使徒 魔物の森の天敵 自然破壊者 竜殺し 神々の寵愛を受けし者 剣神 亜神 他世界の創造神の弟子 神龍の弟子 神獣の主人 神龍の主人 魔王の主人 
 【レベル】測定不能
 【体力】測定不能
 【魔力】測定不能
 【能力】測定不能
  ー筋力 測定不能
  ー体力 測定不能
  ー知力 測定不能
  ー敏速 測定不能
  ー魔法行使力 測定不能

 【魔法】
  創造魔法Lv.10
  火魔法Lv.10
  風魔法Lv.10
  水魔法Lv.10
  土魔法Lv.10
  光魔法Lv.10
  闇魔法Lv.10
  時空魔法Lv.10
  生活魔法
  複合魔法
  召喚魔法

 【スキル】
  鑑定Lv.10
  アイテムボックスLv.10
  武術Lv.10
  体術Lv.10
  物理耐性Lv.10
  魔法耐性Lv.10
  森羅万象

 【加護】
  創造神の加護Lv.10
  生命神の加護Lv.10
  魔法神の加護Lv.10
  大地神の加護Lv.10
  武神の加護Lv.10
  技能神の加護Lv.10
  商業神の加護Lv.10
  ファビニール創造神の加護Lv.10



「「「「……」」」」



 誰一人として口が聞けなかった。
 カインも同じだった。

 種族が「?」になっているし、疑問形かよっ!
 さらにいつの間にか称号が増えている……。亜神っていつの間にか神になってた。
 ステータスなんて測定すらできなくなってた。他世界の創造神ってユウヤさんのことだろうけど、神龍ってなんだ? 自分でもよくわらかない称号がついていた。

 グラットはいきなり膝を付き祈り始めた。

「おぉ。神よ」

「カイン……その称号は……」

 さすがにレックスも想像以上のステータスで何も言えなかった。

「カインくん! 神になってるよ!」

 エリック公爵はお腹を抱えて笑っている。

「カイン殿、いや、カイン様と呼んだほうがいいのかな?」

 マグナ宰相も想像以上の内容で動揺した。

「皆さん、今まで通りでお願いします……」

 カインはテーブルに手を付き頭を下げた。

「カイン……ほんとに国滅ぼさないよな? 国というかこの世界を滅ぼすことができそうだが……」

 陛下が真剣な顔して質問してくる。

「そんなことしませんよっ! 学園だって楽しいんですから」

 さすがにカインも反論した。

「お前に国よこせって言われたら、素直に渡そうと思ったぞ」

「いりませんっ!!!」

 ステータスを見た後の陛下は疲れ果てていた。

「そうか……わかった。グラット……他言無用の意味がわかったか」

「もちろんです……陛下、このことは何があっても他言いたしません」

 陛下の言葉に納得したグラットだった。

「それにしても、カイン、その称号の中で魔王の主人は今日の召喚魔法の影響だろう。他にも獣神とか神龍がでていたのだが……」

 陛下が称号のことを気にしていた。

「あ、それは修業中に仲良くなったのです。『召喚サモン「ハク」「ギン」」

 カインの足元に、神狼フェンリルのハクと、銀龍のギンがでてきた。
 大きさは部屋に合わせて出てきてくれたおかげで、ハクは大型犬程度、ギンも同じような大きさだった。

「あ、神龍って、ギンのこと?」

 カインはギンに問いかけると、ギンは縦に首を振り「キュイ」と鳴いた。

「契約している神狼フェンリルのハクと、銀龍改め神龍のギンです。かわいいでしょ」


「「「「……」」」」


「おぬし……もう、驚かんわいっ!」

 レックスは額をピクピクさせている。そして大きくため息をつき、話し始めた。 


「とりあえず、来週謁見を開く。カイン、お主は子爵になれ。そして一つ街をやる。好きなようにしてみろ。それで成功したら婚約発表だ」

「えっ」

「これに関しては、異議を認めん。王都に近い街なら大丈夫だろ。今いる代官もそのまま使え」

 こうして、カインのステータスがバレたせいで子爵就任が決まった。



 ◇==================◇
 いつもご愛読ありがとうございます。
 引っ張ってましたが、ステータスを出すことにいたしました。
 誤字が多いですが、これからもよろしくお願いいたします。







しおりを挟む