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魔物娘たちの御主人様!

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序編

第7話 魔物使いの仕事探し

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タロウは町中で情報収集を重ねた結果、大まかな金の稼ぎ方が分かった。
というよりも、やはり「それ」しか無かった。

「やっぱ稼ぎが良いのは魔物殺しと魔物狩りしかないのなー」

タロウは「うーん」と唸る。

「異世界にチート持ちで来ておいて普通の労働で汗水を流すなんて夢がなさすぎるもんな。でも、魔物と会話できる俺としては魔物殺しと魔物狩りというのはなんかこう心がもやっとするんだよな」

「あいー」

プス子も小さく項垂れる。

「でも今後は同種族である人間相手でも殺し合いをすることもあるだろうし、そうなるともやっとしているだけバカだよなー」

「あいー」

プス子は「確かに」と頷く。

「(ただ、いくら徳ポイントが減らないからといって意味もなく悪いことはしたくないんだよな。せめて自分の中にあるルールぐらいは守っていきたい。最低限そうしておかないと自分の心が病みそうだからな……)」

タロウは「うーん」とまた唸ってしまう。  

「……それかプス子と山にこもって獣を食って生きるか」

「おー!」

プス子が「さすがタロ様」という感じで手を叩く。

「私、狩り大得意だよー! 私がタロ様の為に毎日、獣を狩ってくる!」

「いやいや、冗談だから」

「えー!」

プス子は不満そうに頬を膨らませる。

「(本当は案外、悪くは無いアイデアなんだけども、異世界に来て早々に世捨て人になるというのも忍びない。せっかくのチート能力を使って楽しまないのはやはり勿体無いんだよな。欲が有るようで無いようで、無いようで有るようで。ま、いつでも定まらずふらふらしているのが人間ってもんだよな〜)」
   
とタロウは思う。

「なあプス子。魔物の中で知性の無い奴っていないの?」

「んー。話が通じない奴等なら何種族かいたよー」

「お、マジか。何がいるんだ?」

「えとー。魔物と獣の間の子が先祖と言われる種族だよ。そいつらは獣と同じで知性が無いの」

「そいつらを殺すのに罪悪感はあるのか?」

「特にはないよ。いつも捕まえている獣と同じです」

「そうか。なら、そいつらで金を稼げるかな?」

「うーん。でも昔、山で見かけた魔物狩り達はその種族を執拗に追っかけてたから、お金が貰えるのかも」

「それは良い情報だな。ちょっと魔物奴隷商に聞いてみるか」

タロウはプス子を買った魔物奴隷商の所まで早足で向かった。
魔物奴隷商の店にタロウ達が着くと店主がすぐに反応する。

「あら、お客さんどうしたんですか」

「ちょっと聞きたいことがあって」

「え? 返却はお断りですよ!」

店主が慌てて応える。

「いや、サイクロプスはとても気に入ってるよ」

タロウの言葉通り立派な装備を施されているプス子を見て、店主は「あら、ほんとだ」と呟いた。

「噂で聞いたんだが魔物の中には、魔物と獣の間の子が先祖な種族がいるんだって?」

「ああー、はいはい。確かにいますよ。半魔獣(はんまじゅう)とかいうやつですよ。どれも獣を大きくして凶暴にした奴等です。頭が獣並なので魔物奴隷としては売れませんが、人里に下りてくると家畜や人を食い荒らしたり繁殖力は高いわで、ロイレン帝国では半魔獣にも賞金をかけてますよ」

「1匹いくらくらいかな」

「確か最低でも銀貨1枚は出たと思いますよ」

「へー(おー! なかなかの賞金だな!)」

「昔はここいらにも居たらしいですが、今は北の未開拓地に押し戻すことに成功して領内への侵入は許していない状態らしいですよ。今のここらの若い魔物殺しなんかは知らない者も多いんですが、よくご存知でしたねお客さん」

「あ、うん。前に見かけた魔物殺し達がそんな話をしていてね」
 
「ああ、それなら彼等はあそこの者達ですよ。未開拓地の入り口には魔物殺しや魔物狩り達の前線基地みたいな都市がありましてね。そこらの魔物殺しなんかにとっては獲物ですからね」

「魔物殺し達の前線基地があるのか?」

「ええ、もうそれはそれは凄い賑わいで夜も眠らない不夜城らしいですよ。前に仕入先の魔物狩りに聞いた話では、魔物殺しや魔物狩りにとっては楽園だと言ってましたよ。確か名前は「要塞都市バルタロ」だったかと思います。私も力があれば自分で魔物を狩りたいところなんですけどもね。いやー魔物ドリームですよ。羨ましい限りです」

「ありがとう店主。また何か仕入れたら宜しくな」

「ええ、またのお越しをお待ちしております」

タロウは店先から離れた後、プス子と共に人の少ない道脇に逸れる。

「半魔獣だって」

「人間はそう呼ぶんですねー。私達は大獣(おおけもの)と呼んでました」

「でかいのか?」

「はいー。だいたいどの種族も通常の獣の倍はあります。ただ肉も獣と同じなので私達は狩って食べてました。猪の大獣なんて肉が倍も手に入るのでお宝です」

「ということは、プス子は半魔獣を狩れるんだな!?」

「あい。タロ様から貰ったこの装備があれば余裕です!」

「偉いぞプス子!!」

「えへへー」

プス子の頭を撫でようと思ったが手が届かないので、タロウは胸当ての中に手を突っ込んでおっぱいを揉む。

「あん! タロ様止めて下さい! 気持よくて困ります!」

何とも変な抗議だったが、なにせタロウの「波動愛撫(バイブ)」の触感による強制的な快楽は最弱にしてもそれなりに効果があるので仕方のない事だった。

「おっと悪い。それじゃ、今晩もがっつりご褒美をやるからな」

「あい!」

プス子は頬を染めながらも嬉しそうに返事する。

「魔物達が集う北の未開拓地は俺には危なすぎると思っていたけど、前線基地があるのならばちまちまと自分達に合った狩りができそうだな。上手くいけば新しい魔物娘と出会えるかもしれないし……」

タロウは右手の指先で顎先を擦りながら思案する。

「――よし、次の目的を決めたぞ! 北の未開拓地の入り口にある魔物殺し達の前線基地「要塞都市バルタロ」に行き半魔獣を狩って稼ごう!」

タロウが拳を天に突き出すとプス子も真似をする。

「おー!」

二人は早速、旅の食料を買い込む為に市場へと向かうのだった。
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