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第2話 ファック・パペットの憂鬱

06:豚の欲望

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   06:豚の欲望

「生か、、?」
 ゑ梨花が騎乗体位から挿入を企んでいると、悟った男は驚きをあらわにして言う。
「生で入れさせてあげるってのに、何か文句あるの?」
「いや、そうじゃなくて、、」
「病気が心配なら女を買うなんてことしないで、自分でマスかいてたら?」
「、、、、」
 この男の言いたいことは、わかっている。
 こんな綺麗な女が、ゴムなしの生挿入させてくれるなんて、と感激しているのだ。
 美人の娼婦の正体が、本当は男だと知らずに。
「ほら、入れるからね。しっかりおっ立てて」
 ゑ梨花は、片手で男の幹を軽く握り、もう一方の手はコートの中にしまった。
 自分のペニスを手で押さえつけておいて、男だと露見しないようにする為だった。
 熱い男の先端が、アナルの入口に触れた瞬間、さすがに、ゑ梨花も「んんっ!」と呻きそうになったが、この男の前では弱みを見せるつもりはないので辛抱した。

 ラブホに入ってすぐ、化粧を直してくるからと言って洗面所に行きアナルにはローションを塗りこんである。
 ゑ梨花の柔らかな下水パイプの内径に塗布したゼリー状の潤滑剤は、体温にあたためられて溶けて粘膜に馴染んでいる。
 ローションはヌルヌルネバネバの粘度の強いものを使っているので、ちょうど女性の液と同じようになっているはずだ。
 男のペニスの角度を微調整して、アナル穴の口に押しつけ、「ゑ梨花の濡れてるの、わかる?」と、男の顔を見ながら言ってやる。
 うんうん、と頷き、男は自ら腰を突き上げてくる。
 もう待てない、一刻もはやく、今は閉じている伸縮自在の肉パイプにこれをインサートしたい。
 このエロおやじときたら、理性をすっかり失って獣になってしまっている。
 孫悟空の八戒か、いやこの男には神聖の欠片もないから、ブタ男か。
 ゑ梨花も男だから、この感じはわかる。
 もう少し焦らせてやってもいいのだが、ゑ梨花のほうも、早くこのペニスを尻穴で喰わえこみたいのだ。
 ゑ梨花は、ゆっくりと腰を沈めていった。
 開いた傘の部分が通過するまでの、強圧にアナルの口が拡げられる感触。
 痛みとも痺れともつかない姦淫される快悦に、ゑ梨花は顔をしかめて歯を食いしばって耐える。
 そして、男の先端の根本の開いた部分が通り過ぎると、後はゆっくりと心ゆくまで奥へと貫かせてやる。
 この、ずぶずぶと、自分の肉体が領域侵犯されてゆく感覚もたまらない。

 肛門の伸縮自在粘膜パイプ管で男の硬いペニスを味わいながら、「どう、エリカの?」と訊いてやると、男はうれしそうな顔で頷いた。
「トロトロになってるでしょ?」と言いながら、ゑ梨花は腰を上下に動かしはじめる。
「締めつけてあげてるのが、わかる?」
 ゑ梨花のアナルは、収縮して男の欲情しきったペニスを搾り上げる、と同時に、硬化したペニスに内壁粘膜を摩擦され、ゑ梨花は得も言われぬ程の快感に酔い始めていた。
 けれど、この痴戯の主導権はあくまでも幻のリクだ。
 ファック・パペットとは、リクの事ではなく、リクに誘惑された人間達の事を言うのかも知れない。

「よく締まるでしょ。うれしい?」
 腰を使って男の下腹部の先端にピストンを加えながら、ゑ梨花は男の顔をじっと眺め続けた。
 女装した男のアナルに喰わえこまれているとも知らず、このエロおやじは嬉々となって顔面を真っ赤にしている。
 額から禿げ上がった前頭部に、玉の汗を浮かせ、鼻の頭にも汗粒を噴いている。
「中で出したりしちゃダメよ。わかってる?」
 女の経験が豊富なら、アナルと膣とのちがいはわかるかも知れない。
 けれど、このブタ男に尻穴と女の穴の区別がつくはずもない。
「中出ししたりしたら、承知しないからね」
 と、きつく言い、男が射精を懸命にこらえているのがわかり、会心の勝利感がゑ梨花の背筋をゾクゾクさせる。
 女を騙り、女になりきって男を誑かすには、こういう方法もあるのだ。
 なぜかリクに褒めてもらえるような気がして嬉しくなった。
 ブタおやじは、もうこれ以上、堪えきれそうにないようだった。
 それは男の表情と、自分の尻穴がペニスを締めつけている感触でわかった。
 今、射精されてしまったら、せっかく捕獲した獲物を嬲る楽しみが、その時点で終わってしまうかもしれない。
 ゑ梨花は腰を引いて、ぬぷっ、と男のペニスを抜去した。
 噴出せずにいてくれる保証があれば、もっとアナル結合の楽しみに耽っていたかったが、仕方がない。

「何よ、そのもの欲しそうな顔は?」
「もう……終わりか……?」
  ゑ梨花は男のかたわらに横座りになり、上半身を傾け、男に自分のメイクした顔を近づけていった。
 大量に発汗してぶざまな裸身をさらしている男は、性交が終了してしまったのか、と心配している。
 いきなり、パシッ!と、男の頬にビンタを食らわしてやると、男は何をするんだ?という感じで怒りの表情になった。
 こんなブタ男であっても、男の矜持は持っているのだ。
 いやな匂いのする汗をいっぱいかいているブタのくせに。
「ふふふ」と誘惑的な笑みを見せ、ゑ梨花は男の勃起したままのペニスを握った。
「エリカの、よかった?」
 まだ怒りは消えていないが、男はうんうん、と頷く。
「もっと入れたい?」
「ああ、入れさせてくれ」
「その前に、しゃぶって欲しくない?」
「、、、、」
 ゑ梨花は、もう一度、男の頬を、パシッ!と叩いた。
「しゃぶってあげるって言ってるのよ。返事ぐらいしたらどうなの?」
「しゃぶってくれ、たのむ」と、男はブタの欲望をあらわにして声をふるわせた。
 ルージュを蠱惑的なまでに赤く塗り込め、下の唇の脇には男を惑乱させるホクロまで描いているのだ。
 どんな男であっても、この紅い口唇に咥えてもらいたいと願うはずだ。
 ブタ男のおまえなんかにはもったいないけど、リクが私にそうしろって言ってるの。
 だから、気持ちよくさせてあげる、、、。



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