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第4話 女装潜入警官、再び

04:蓮華座

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    04:蓮華座

「トバシの件どうします?」
「奴はこれ以上、潜らせたくないな、、」
「でもトバシはいう事をきかんでしょう、今はトバシを止める方が大変だ。それに、奴の身体は奴のものですからね。」
「喉黒、、君は子どもがいるか。」
「申し訳ありません、いてもいなくても、答えは同じです、おわかりの筈でしょう?でもこれだけは言えます。皆、貴方について行きますよ。」
「そうか、、、君の方はどうだ。」
「蓮華座が、手強いですね。」
「依存性のないスーパー麻薬か、、依存性がない事が最高の依存を産むんだがな。雲上人の皆さんには、それが判らないと見える。」
「右手にコーラン、左手に剣ですな。いや、あれは勝手に欧米人が付けたイメージとも言われれるそうですが、今の美馬の勢いを現すにはピッタリだ。」
「今思えば、最初に戸橋が潜入した頃の美馬に対する読み違えが悔やまれるよ。反社会的勢力のサラブレッドだと思っていた。大きくはなるだろうが、やることはスマートでクール、故に血を見るとことが少ない頭脳戦が主、奴と渡り合うことになっても、そんな感じになるだろうとね。」
「確かに美馬の経歴を見ると、そんな感じですね。私の調べによると奴が改名した辺りで、奴に何か決定的な変化があったようです。」
「神覇か、、、普通の感覚で付けられる名じゃないな。しかし美馬は、蓮華座をどうやって手に入れたんだろうね?」
「現在の調査では、美馬は門戸照人という人間に繋がっていて、その伝手を辿って東南アジアに渡り、独自に蓮華座を入手する事に成功したのではないかと推測されます。詳しくは御白羅巡査部長が警部に報告を上げると思います。」
「そっちは、御白羅がやっているのか、だとすると相当、危険なんだな。」
「ええ、美馬は例の殺し屋ビジネス以外は、我々を挑発するかのように、奴が関わっている全ての灰色ビジネスを、おおっぴらに展開し始めていますからね。」
「国家権力相手に、喧嘩をしかけるか、、」
「、、その国家権力の幾つかを、奴は蓮華座を使いながら、うまく取り込んでいます。」
「早く6係の昇格を急がないとな。他の部署が美馬を意識し出す頃には、もう手遅れかもしれん。放っておくと、この前やっと潰した広域暴力団以上の存在になるかも知れん。この国の組織は、一旦、欲得に食い込まれると、自浄が効かんからな。増員だけは、目処が付きそうだが、、。」


 戸橋から連絡を受けた指尻ゑ梨花女史は、驚きを隠せなかった。
 美馬の内懐に潜入しようとする戸橋が、本戦に臨む前の予選で、四苦八苦しており、その予選の相手が門戸照人だったからである。
 そして今度、戸橋と指尻女史は、この門戸照人が考え出したセッティングで見知らぬ者同士として出会うことになるのである。
 奇遇と言えば奇遇だった。

 門戸は指尻ゑ梨花女史の知人だったからである。
 エピキュリアンを自認する指尻ゑ梨花女史には、彼女の遊び場があった。
 その中でも、最も危ない場所に位置するのが、クラブ・ATOMAGEだ。
 クラブ自体の問題と言うより、そこに出入りしている人間達の問題なのだが、その中で最も厄介な人物がドクター門戸こと、門戸照人である。
 東南アジア・シンジケートとも親交のある麻薬売買の元締めだという噂もある人物だった。
 指尻ゑ梨花女史は、ATOMAGEの開催するイベントやパーティなどを通じて、門戸照人とも面識はあったが、女史の方で意識的に彼との接触を避けていたようだ。
 それは賢明な判断と言えた。
 が、その関係が指尻女史が戸橋未知矢に対して行っているフォローの為に、崩れる事になった。
 門戸照人が、最近手に入れた新しい「玩具」を、誰と一緒に楽しもうかと考えた時、自分のテリトリーに存在する手付かずの存在、シーメール指尻ゑ梨花の顔を思い出したからである。
 偶然のように見えるこの結びつきも、シーメールにして精神科医であるという希有な存在である指尻ゑ梨花女史を考えると、それは一種の必然による帰着だったかも知れない。

 人気のない高速のパーキングエリアの端っこに、門戸はワゴン車を止め、後部座席に座っているゑ梨花と奈央のスペースに割り込んでくる。
  奈央の正体は、警察官・戸橋未知矢だが、それは勿論、門戸照人に知られてはいない。
 この時、指尻ゑ梨花は、潜入捜査でならした戸橋未知矢の実力と自分が教え込んだ女装者としての戸橋の変態ぶりを同時に体験する事となった。

 先ほどからゑ梨花の隣で黙りを決め込んできた奈央が、門戸の参入で途端に勢いを増した。
 ゑ梨花は奈央と門戸に挟まれてのダブルペッティングで責められる。
 勿論、ゑ梨花の手は二人の股間にある。
 ただし奈央のペニスは、奈央の履いたマイクロミニの下にあるパンスト、更にそれにピッチリと覆われたパンティの中にあるので、刺激を与えるのはちょっと面倒だった。
 それに奈央は、ゑ梨花が仕込んでやった変態レズプレイの、メイクがとろける程の激しいキスと舌の顔面愛撫をしてくるくせに、ゑ梨花からの奈央のメイクを崩すようなリアクションは避け続けていた。
 メイクが駄目になっても、女装プロのゑ梨花がいくらでもケアしてあげると言うのに、彼女なりのメイクポリシーがあるから嫌だという。
 そんな台詞は教え込んだ記憶がないので、それは戸橋の本音か、アドリブなのだろう。
 そのくせ奈央は、ゑ梨花が2・3回、ペニスを刺激しただけで、それを素直に勃起させてる、困ったものだ。
「わざわざこの日の為に、用意したんだよ、サンルーフ付き。もしかして2階建てバスに出くわすかも知れないしね。信号待ちで、二台平行に並んだりしたら、スリリングだろうな。ゴム人形になったゑ梨花ちゃんが、奈央に責め立てられるのを、上から眺められるんだ、幸せな奴らだよ、まったく。」
 ゑ梨花の耳たぶを吸い上げながら門戸が言葉で楽しんでいる。
 門戸は本当にこういったシチュエーションプレイを楽しむのが上手い。
 その想像力が、「快楽」の源になるのだ。
「ゑ梨花ちゃんって、私の見立てなんだが、時々はゴムを使って、セルフボンデージもするんだろう?」
 図星とは言わないけれど、当たらずも遠からず、どうしてそんな事まで判るのだろう?
 そんな性の探求者とも言えるドクター・モンテールこと、門戸のプレイは全てがスリリングだった。
 この人物の「裏の顔」の噂は有名だが、ATOMAGEで門戸はそう言った表情を見せた事がない。
 自分の性の遊び場を、ヤクで汚染したくないのだろう。
 門戸は知的でゲーム的要素に溢れた遊びが好きなのだ。
 今も、ずり落ちたブラの縁からはみ出したゑ梨花の乳首を人差し指の先で転がしながら、その指を時々、奈央に吸わせている。
 実に見事で卓抜な性のマエストロ振りだった。

「さあ奈央、おまえの大先輩なんだから、ゑ梨花さんに色々教えてもらいなさい。」
「・・・でこれからは門戸さん、この子オンリーって言うわけなんですね。折角、誘って頂けて、これからお付き合いが出来ると思ったのに」と喘ぎながらゑ梨花が拗ねてみせると、「奈央はこれから私が仕込もうと思ってるんだ。ちょっとした預かりものでね。ニューハーフとはちょっと違う。それに、ゑ梨花ちゃんは特別でしょ。今まで通りATOMAGEの女王様だ。ゑ梨花ちゃんとは、これからも大人同士のお付き合いをさせてもらいますよ。」と門戸がいう。
 二人とも、さっきから勃起しっぱなしなのに、全然射精しない、コックリングでも付けているのだろうか、、、車のシートに座ったまま、しかも二人の人間に挟み込まれた体勢からの手サービスでは、どうも勝手がよくない。

 門戸が「私が仕込む」と呼んだ奈央は、薄い唇と形の綺麗な大きめの鼻、しっかりして大きな目、男モードの時のトバシの顔を、完全に女性のもの変化させている。
 驚きべきは、その色気だった。
 ゑ梨花がトレーニングした時よりも数段、そのフェロモンが濃厚になっている。
 例えとしては場違いだが、戸橋はまさに「本番に強い」のだろう。
「ゑ梨花ちゃん。奈央って綺麗だろ。こうなるまでに、結構手間暇をかけたんだ。」
 門戸が自分を中心に、ゑ梨花達三人のほっぺたがくっつくように背後から腕を回して手で頭部を押さえてくる。
 車のバックミラーに上気した三人の顔が映っている。
 奈央は口を半開きにして恍惚としてる。
 ゑ梨花もエロ雑誌のグラビア女優みたいに、眉根を寄せて目を細めているけれど、それは勿論、演技だ。
 そして門戸の得意げな表情。
 この時の、戸橋の本当の心中はゑ梨花にも判らなかった。
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