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第6話 トリプルシックスの本気

04:女装潜入警官へのレッスン

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    04:女装潜入警官へのレッスン

 指尻ゑ梨花は、明日の引き継ぎの為にようやく整理し終えたネクロフィリア関連の資料を机の上に積み上げると、門戸の元に潜入している戸橋の顔を思い浮かべていた。

 戸橋未知矢には口舌テクニック、そして、相手の人物をホモ性交に中毒させるために、性愛テクニックだけではない、プラスアルファを教えてやる必要があった。 
 巧緻絶妙のフェラチオで相手の口腔内射精を導く方法、あるいは、相手が狂おしいまでに勃起させた性器を、こちらが男であってもそのアナルに挿入したいと思わせ、欲情させる方法。 
 まずはゑ梨花の実体験を克明に話してやって、男としての未知矢の劣情を刺激してやった。
 戸橋は、女性になりたがっている・あるいは女性としての自分に戻りたがっている男ではないからだ。
 そして同時に戸橋が持っている警察官としての心の激しさや強さを押さえる精神上の施術も施さねばならなかった。
 これが一番難しかった。
 指尻ゑ梨花自身はシーメールとして生きる今も、社会への、あるいは己れの人生への闘争心を保持しているが、今回、戸橋が目指しているのは「指尻2世」ではない。
 性的に誰からも可愛がられ、求められ、手放せなくなる存在だ。
 警官としての彼本来の姿は、「その時」が来た時に、浮かび上がるのが理想だった。
 その為にゑ梨花は、話の中に登場する仮想の男性には戸橋の上司である真澄警部を投影した。
 もちろん、それらの事は口にはしない。
 しかし、この仮想の男のイメージだけは、そのまま戸橋に通じるだろうと、ゑ梨花は考えていた。 

 ゑ梨花は真澄の下肢にしなだれかかって手練手管を尽くした。
 恥知らずなまでに、舌と口唇を駆使した。
 こんな場面になったら、女の恥知らずと男の恥知らずと、どちらのほうが淫猥なのか、わからせてやるのだ。 
 真澄の性器はもちろんのこと、陰嚢の縮緬皺の肉袋もくまなく舐めまわしてやる。
 一日の激務を終えた真澄の精液と尿と汗と垢が混じり合って饐えた臭いに満ちている。
 不潔だと承知しているが、不快ではない。
 気に入った男の恥部を舐めるのはシーメールにとっては悦びなのだ。 
 ゑ梨花はさらに、真澄の膝を立たせて両脚を開かせ、双肢の付け根の奥にまで鼻先を突っ込み彼の肛門口まで舌を這わせた。
 不潔を通り越して汚穢の極みだ。
 アナルを舐め回し、舌を尖らせて舌先を肛穴に差し入れる。 
 こうしてシーメールの痴態をこれでもかと見せつけてやると、果たして真澄はゑ梨花の肛門へのインサートを自ら切望して来るのだ。 

「ゑ梨花さん凄い。」 
 戸橋は髪を金髪に染めていた。
 それに今は、最初から女言葉だ。
 そうやって退路を断ってきたのだろうが、指尻ゑ梨花にして見れば、その様子は、自動車教習所に免許を取りに来た人間が最初から無免許のスピード狂だったという話に近い感覚を受けた。
「そうやって淫欲に狂ってるふりをするのも大変なのよ。」 
「でも、うらやましい。やることが、ふっきれてるもの。」 
「よし、今度、いっしょに男をハントしに行こうか。」 
「えっ?」 
「それで今まで教えた事試して、その後で私が直ぐに採点して上げるわ。いや?」 
「だってゑ梨花さん、どういう風の吹きまわし? 今まで、そういうの駄目だって言ってなかった?」 
「ちょっとね。この件に関してふっきれたいのは私も同じだってこと。それに未知矢を中途半端に仕込んだら、このトレーニングに踏み出した意味ないし」
  未知矢が感謝顔で頷く。こんな事で感謝されても仕方がないが、、。
「未知矢はさ、黒髪で女装すると、こまっしゃくれているけど、どことなくお嬢さんぽいじゃん。相手によるけど、結構、そういうお嬢さんには遠慮する男が多いよ。だからさ、折角、髪染めたんだし、トレーニングの時は、確率上げる為にも、うんと派手目のイケイケでいいんじゃない?」 
「ドラッグクイーンみたいなの?」 
「あそこまでケバくすることはないと思うけど、悩殺ケバエロで迫ってみたら?」 
「あたし一人だと心もとないけど、ゑ梨花さんが一緒だと心強いし、それでやって見るかな。」 
「いい男がみつかってさ、いっぱいお尻掘ってもらえるといいね、」 
「えーっ、ゑ梨花さん、そうと決まると、言う事がえぐいなぁ。」 
 未知矢のうれしそうな顔を見るのは、悪い気分ではなかった。 

 その日、未知矢は捜査を抜けたらしい。 
 仕事が終わってからでもいいし、用意する時間が心配なら私に頼めばいいんじゃないの、6係って忙しいんでしょ、とゑ梨花は言ったのだが『表の事案捜査なんかしてる場合じゃない、自分の分は香山微笑花がやるから』とのことだった。 
 待ち合わせの喫茶店に、未知矢は早くやってきてゑ梨花を待っていた。 
「未知矢のそんなのはじめてね。」 
「似合う?」 
「うん。いいよ」 
 未知矢は花柄ベアトップのミニワンピース姿だった。 
 白地に花柄が片方にプリントされていて、なかなか粋で可愛い。
 染めた金髪はくるくる巻き髪にしてあって、エロいフランス人形という感じもした。
 もっとちゃんと表現すれば外国人の超高級娼婦。
 日本人でこんな感じに仕上がるのは珍しいし、しかも元は男性警官なのだ。 
「未知矢ったら、そんに緊張しなくってもいいからさ。リラックスして。入り口の所は、いつもの潜入捜査と変わらないんだから。」 
「だって、、、」 
 朝からバスを使って身体を清め、メイクアップして、いろいろな衣装を着ては姿見に映して、メイクを落としてバスルームに入って体を洗う、そうして、またメイクを工夫して、ちがう衣服を着てみる・・ゑ梨花と待ち合わせる時間まで、未知矢は一日中、そういうことを繰り返していたらしい。 
 だが、それだけではないだろう。 
 シーメールのゑ梨花は知っている。 
 未知矢は自分の手で何度も浣腸して尻穴性器の内部を洗滌しているはずだ。 
 もちろん、未知矢は、そんなことをしたとは口に出さない。 
 男を実際にハントしに行き、いく所までいく、それも自ら望んでだ。
 それは潜入捜査でならした未知矢にとっても冒険である筈だ。
 ハントに成功して肛門性交にまで至るのを望んでいるから、肛門穴はきれいにしておかねばならない。 
 未知矢なら一人でも、男を探して街をうろつくくらい簡単だろう。
 だが、今日の未知矢は、最後まで、ただ性交目的の為にだけ、行動しなければ意味がないのだ。
 その為に、ゑ梨花が一緒にいる。 

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