弦屋繭糸

韮埼篥瑛(にらさきりきえ)はクラスメイトの楠莉天音(くすりあまね)に密かな恋心を抱く高校二年生である。 彼は自身の名前が嫌いだ。 しかし、彼女とはじめて関係が持てた時、天音から篥瑛の名前が好きだと告げられる。 篥瑛は彼女を天音さんと呼び、天音は彼をキリエ君と呼び始める。 六月の七日。 この日を篥瑛は忘れる事はないだろう。 同時に、この日、偶然にも篥瑛は『更新者』という存在となる。 その後、篥瑛の日常は大きく変わってゆく。

　大学二回生の山本銀二は彼女がいない歴＝年齢の冴えないハタチの自称隠れヲタク。 　神頼みのつもりで縁結びのお守りを神社で買った帰りに、当然の権利のごとくトラックに轢かれ死亡する。 　再び目を覚ますと、そこは広大な森の中で巨大なドラゴンに追われるハメに。 　さっそくの二度目の死の危機。そんな彼の窮地を救ったのは、可愛らしいメイド服姿の女の子だった。 　しかし、彼女には――――顔面が無かったのだ。 　『無貌の神』。彼女はそう名乗り、銀二は彼女を無貌ちゃんと呼び、二人でロマンシュアの世界を旅する。 　無貌ちゃんとゆくのだ、銀二。

『無貌ちゃんとゆこう』のエンディング後、スピンオフ作品になります。ある種、続編のようで二次創作です、 全力でネタバレしてゆくスタイル。 本編と比べて、文体に差があります。 世界観やキャラクターは一部引き継いでいます。 これ単体で読んでも、大丈夫な仕様にはしています。

　剱咲庄夕（つるぎざきしょうゆう）は長年思いを伝えられずに居る幼馴染の草水垂穂（そうずたるほ）が井之頭公園で男性と二人、歩いているところを不意に見かけて、いよいよ行動し始めなければ、と躍起になるが、庄夕の前に度重なる障害や誘惑が立ちはだかる事となる。 　庄夕は垂穂に思いを告げ、結ばれるのか、否か――交わる事のない運命に翻弄されてしまうのか。 　神様のいたずらと調味料の猛襲から抜け出せ、しょーゆ。