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この世にある理、起こる全てを記す書物──律理典。
世界が始まった瞬間から、終わるその時までのことが細緻に書かれている。
その書を開けるのは皇帝ただ一人。そして、律理典の命を受け、国民に布達するのが裁定官の役目だった。
人々はそれを神の書と崇め、“悪”と記された者が親であろうと子であろうと、ためらいなく宮廷へ差し出した。
だがある日、国を支配するとも言えるその律理典に──茶が零される。
噂が広がり、不安が渦巻くなか、かつて宮廷に仕えていた元軍人・沙煌の前に、幼なじみの裁定官・漣熙が現れる。
五年ぶりに再会した彼は、「律理典の補修を手伝ってくれ」と言い出して……
文字数 124,303
最終更新日 2025.11.04
登録日 2025.10.01
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