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秦代末期。
始皇帝は崩御し、天下が再び争乱の時代を迎えるなか、旧世界時代を人知れず生き延びた楚の英雄項燕(こうえん)は、宿敵王翦(おうせん)の孫、王離(おうり)より【麒麟の子】とよばれるものを託される。
【麒麟の子】は大帝国秦の根幹を揺るがし、凋落する秦に代わって大帝国を築きあげるほどの力を秘めたものだった。
やがて、項燕が【麒麟の子】を掌中のおさめたことが天下に明らかにされ、秦によってその首に千金の賞金がかけられることになる。
陳勝(ちんしょう)、劉邦(りゅうほう)、項羽(こうう)などの群雄が割拠する中、項燕は天下を敵に回し、お尋ね者として追われることとなっていく…
文字数 110,273
最終更新日 2022.06.27
登録日 2022.05.30
時は戦国時代。
舞台は北朔の国、燕。
燕は極北の国故に、他の国から野蛮人の国として誹りを受け続け、南東に位置する大国、斉からは朝貢を幾度なく要求され、屈辱に耐えながら国土を守り続けていた。
だが、嫡流から外れた庶子の一人でありながら、燕を大国へと変えた英雄王がいる。
姓名は姫平《きへい》。後の昭王《しょうおう》である。
燕国に伝わりし王の徴《しるし》と呼ばれる、宝剣【護国の剣】に選ばれた姫平は、国内に騒擾を齎し、王位を簒奪した奸臣子之《しし》から王位と国を奪り戻し、やがて宿敵である斉へと軍勢へ差し向け、無二の一戦に挑む。
史記に於いて語られることのなかった英雄王の前半生を描いた物語である。
文字数 122,826
最終更新日 2022.05.21
登録日 2022.05.01
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