オキタシロウ

オキタシロウ

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SF 完結 長編
彼女の脳を取り戻すため、俺は自分の脳兵器に詰め込む 「苦しいんです。ここから出たいんです。この狭い宇宙服の中から」  ケイスがドキリとする。生体材料とチタン、炭素繊維のハイブリッドに詰め込まれた脳と人工の内臓と筋肉。  ゴーグル型の瞳から見える世界。人工の心肺での呼吸。ケイスにとっては潜水服に詰め込まれた感覚。 「苦しいんです」  メイサが無造作に奪ったグロッグをへこんだこめかみの辺りに当てる。躊躇なく引き金を引いた。  ゴキンと痛々しい金属音。首が左に吹き飛ばされるが、上体は崩れていない。首を再び戻すと、もう一度引き金を引いた。  再度、重々しい金属音。ピシャリと何かが飛び散った。  あまりの光景にレイチェルが手で顔を覆う。  損傷した頭部から、青い液体が流れ出す。 「安定液が・・・」  ヴァレティナが口を手で覆った。  頭部を覆っているチタン製の槽が壊れ、内部の安定液、青色の液体が流れ出している。  メイサの上体がガクガクと震え左に傾いだ。それでもまだ、グロックを持った腕がゆっくりと上がっていく。 ※小説家になろうをはじめ、複数のサイトへ作品を投稿しています。 ※TW: @kulokulo_net
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文字数 100,103 最終更新日 2019.11.09 登録日 2019.09.30
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