1
件
ラルフは双子の弟のルイスとクレイン公爵家に生まれた。そして、一目惚れして心から愛したこの国の第一王子グレイシスの婚約者として選ばれたことに喜びを感じていたが、グレイシスが愛したのはラルフではなくルイスだった。
愛した人に愛されないことから次第に病んでいったラルフは、ついに邪魔な存在であるルイスを殺害しようと考える。
が。
その瞬間、窓に映った自分の醜く歪んだ顔を見たラルフは、自分の醜さに怯え間一髪のところで正気を取り戻す。こんな醜い嫉妬心から何の罪もない愛していた可愛いルイスを殺そうとした自分に絶望し、こんな自分が愛されるわけはなかったんだと深く反省して自ら婚約破棄と家との断絶を父に申し入れる。ルイスに婚約者の座を譲って自分は修道院で心を清め、神にのみ愛情を注いで静かに余生を過ごすことを決意し華やかな舞台から静かに姿を消した―――はずだったのだが。
「ラルフ。俺の愛しいラルフ。どうか俺を見捨てないでくれ、ずっと俺の側に居て欲しい」
「自分勝手な兄上などには見切りをつけて、私を選んでほしい。ラルフ。本当はずっとお前のことが好きだったんだ」
「お前こそが俺に相応しい伴侶だ。迷うことはないだろう?この俺を選べ」
「オマエは、凄く良い匂いがする。オレの嫁はオマエがいい」
何故か、元婚約者のグレイシス以外にも様々な見目麗しい王子達から寵愛を受けるはめになり――!?
「俺はもう静かに余生を過ごしたいんだが!?」
エブリスタ様にて同時連載しております。
文字数 47,549
最終更新日 2024.12.01
登録日 2024.11.24
1
件