「そうですか」
「おっしゃるとおりにいたします」
「問題ありませんわ」
王様が十年ぶりに思い出した人形のような王妃は、その3つしか話しませんでした。
文字数 5,578
最終更新日 2021.05.09
登録日 2021.05.07
「お姉さまの一番大事なものを奪ってやりたいの」
これをそのお姉さまに身に着けてもらうといいわ。
あなたみたいな強い妄執を練り上げた、呪いのネックレスってところね。これを身に着けて、一番大事なものを想像させなさい。
そうすれば、彼女はそれを失うことになる。
文字数 3,869
最終更新日 2021.04.25
登録日 2021.04.24
「クリアーネ・ティシントン! おまえとの婚約を破棄する!」
「わたくしとの婚約は十二の時に解消されております。それも殿下がわたくしを拒否なさったからです。ご記憶ではありませんか? そう『こんな醜女と結婚したくない』とおっしゃったのです」
殿下はぱくりと口を開いて、鯉のようにしばらく黙りました。よかった、思い出してくださったようです。
「それは……それは……だが……では、私の婚約者は誰なのだ……?」
文字数 4,665
最終更新日 2021.04.18
登録日 2021.04.17
「あなたの身体は私がもらったの」
こんなことは認められない。それは私の身体だ。可愛くて愛されている私だ。陰気でつまらないお姉さまが奪うなんて許せるわけがない。
「すぐおかしいって気づかれるわ。まるで中身が入れ替わったみたいだって! そしたらお母さまだって……」
「じゃあやってみましょうエルリィ。楽しみよ。本当にそうなるのかしら」
文字数 8,322
最終更新日 2021.04.12
登録日 2021.04.09
何度も何度も約束を破られて、さすがに結婚するのが不安に。
とにかく会って話を、と思ったら、婚約者と友人の話を聞いてしまいました。
「ああ、まったく残念だ。結婚してしまえばこんな自由もない!」
「あっははは! 今からでもやめたらどうだい」
「そうはいかないよ。彼女はすっかりその気なんだ。もっと先にしようなんて言ったら、どんな修羅場になるかわかったものじゃない」
頭の中は疑問符でいっぱいです。結婚なんてまだずっと先で良いと言ったのは私で、早く結婚したいと情熱的に言ったのがエイリーク様です。
文字数 7,854
最終更新日 2021.04.04
登録日 2021.04.02
お母さまが亡くなってから、伯母様と従姉妹のイリアが我が家に住まうようになりました。
でも、おかしいでしょう。あのお父さまがペットのようにイリアを甘やかし、なんでも言うことを聞き、殿下の婚約者を私からイリアに変更することさえ許すなんて。
文字数 6,164
最終更新日 2021.03.30
登録日 2021.03.28
アリア様は私に騙されて、生贄にさせられたと言います。
何を言っているのでしょうか。生贄になるとご自分で名乗りをあげ、生き神がごとく扱われてきたというのに……。
文字数 7,001
最終更新日 2021.03.21
登録日 2021.03.19
お姉さまはあんなに色々持ってるんですから!
婚約者の王子様とか! えっ、あ、やっぱりいりません。いりません!
文字数 5,718
最終更新日 2021.03.17
登録日 2021.03.15
「死んでいるではないですかっ!」
まばたきをしない瞳、血の気のない白い肌、血で濡れた口は生きているかのように声を発するが、もはや生前の知性は残っていない。
アンデッドだ。
「私はもう噛まれてしまった。いいんだ。愛するリリアンをひとりにさせられない。これで……いいんだ」
文字数 6,483
最終更新日 2021.03.10
登録日 2021.03.08
神託に誤解があり、神子は大事に育てられた高慢な令嬢ではなく、彼女に虐げられた名もない少女だった。
神子が幸福でなければ国が滅ぶ。
「神子様、お望みはございますか?」平伏した者たちの問いかけに、純真無垢な少女は眉をひそめた。「私は……」
文字数 6,553
最終更新日 2021.03.06
登録日 2021.03.04
「カローネ、貴様との婚約を破棄する」
(やったわ!)
エミリアは歓喜した。あの聖人ヅラしたカローネに勝ったのだ。
(でもこの人、私のことを、なんでこんなに好きになったのかしら?)
文字数 3,993
最終更新日 2021.02.24
登録日 2021.02.23
両親にかわいがられる妹と、不細工だと言われる私。
妹は私の婚約者を気に入ったようです。でも、そんなの上手くいくわけがないのです。だって妹は本当は……
文字数 6,150
最終更新日 2021.02.08
登録日 2021.02.06
まずはちゃんとした土下座から、どうぞ。
文字数 6,283
最終更新日 2021.01.18
登録日 2021.01.16
今日も企画会議は暗雲。そこに遊びに来た若社長が婚約破棄を言い出した。今じゃないよねそれ。
え? 私はクビ? はあ。まあ、後はがんばってください。
文字数 6,606
最終更新日 2021.01.15
登録日 2021.01.13
サヘルはお飾りの妻で、夫とは式で顔を合わせたきり。
何もさせてもらえず、退屈な彼女の趣味は、天井裏から夫と愛人の様子を覗くこと。そのうち、彼らの小説を書いてみようと思い立って……?
文字数 32,089
最終更新日 2021.01.14
登録日 2020.12.30
何をしても平凡な私ですから、王太子妃なんてふさわしくない……ですよね?
10カ国の言語は日常会話程度ですし、剣も銃も魔法も馬も兵学も地学も刺繍もダンスも鍛冶も魔力付与も、ぜんぶ平凡にしかできないですから。
文字数 6,398
最終更新日 2021.01.07
登録日 2021.01.05
「ひゃっほう!」
もうこんな生活ともおさらばだ。クソみたいな夫、クソみたいな義両親!
文字数 13,525
最終更新日 2020.12.04
登録日 2020.11.29