贖罪の花嫁はいつわりの婚姻に溺れる
幼い頃の事件をきっかけに、家族から疎まれてきたエステル。姉の婚約者を誘惑したと言いがかりをつけられ、修道院へ送られることになったはずの彼女に、とある高貴な男に嫁ぎ、彼の子を産むようにとの密命が下った。その男アンデリックとかたちだけの婚姻を結んだエステルは、初めこそ不安を抱いたものの意外にも穏やかな彼に、うまくやっていけるのではとの希望を抱く。けれどエステルの胸に安らぎが訪れる度、過去の記憶が彼女を苛んで―― 文庫だけの書き下ろし番外編も収録!
公主の嫁入り3
雪解けは枯木に愛の花咲かす
雪花と蓮の間に待望の娘・林杏が生まれ、賑やかな日々を過ごす焔家の面々。彼らは帝の招きを受けて雪花の生まれた後宮を訪れることになる。苦い記憶はあるが母の眠る場所でもある後宮。そこはちょうど三人の妃が入内したばかりで賑わいを見せていた。懐かしさにふける雪花だが、突然の任務で蓮が離れることになってしまう。その上、後宮では女官たちが次々に失踪する事件が起きているという。事件の謎を探る雪花は、とある呪いの噂を耳にして――!? 大人気シリーズ待望の第三巻!
私が死んで満足ですか?
疎まれた令嬢の死と、残された人々の破滅について
伯爵令嬢ロロナが事故死したという知らせが舞い込んだのは、彼女が王太子に婚約破棄を告げられた翌日のことだった。妹を虐げたなどといわれなき罪で糾弾されながら、その咎めをあっさり受け入れたロロナ。その死を知ったロロナの妹は喜んだ。「これで王太子は自分のもの」と。王太子は笑った。「もっと早く死んでくれればよかったのに」と。しかし、彼らは知らなかった。ロロナの死がもたらすものは、幸運だけではないということを…… 文庫だけの書き下ろし番外編も収録!
公主の嫁入り2
娶られた雪は愛し子を慈しむ
名実ともに夫婦となった雪花と蓮。幸せな日々を過ごすふたりのもとに、焔家の前当主の妻を名乗る女が現れる。彼女は焔家に追い出された恨み言とともに、蓮によく似た子供を置いて去っていった。彼の名は翠。傷つき怯えた様子の少年の姿に、かつて後宮で虐げられていた自分を重ねた雪花は彼を慈しみ、甲斐甲斐しく世話を焼く。けれどあるとき不注意で翠が蓮に傷を負わせてしまうと、蓮の体に呪いの印が現れて――。幸せ夫婦に降りかかるのは災厄か、それとも……!?
公主の嫁入り
後宮の雪は龍の道士に娶られる
後宮で生まれ育ち、一度も外に出たことがない孤独な公主・雪花。幼くして母を失った彼女は、先帝の娘でありながら後ろ盾をもたず、虐げられて生きてきた。そんなある日、雪花の兄・普剣帝が彼女に降嫁を命じる。相手は龍の血を引く一族の末裔・焔蓮。国のため、特別な血筋を絶やさぬよう子を成すのが自らの役目――そう覚悟を決める雪花に、夫となったはずの蓮は意外な事実を告げる。それは、この婚姻は偽りで、雪花を後宮から救い出すためのものなのだ、ということで……?