現代の「日本」と呼ばれる世界に、「異能」という概念が存在する、そして、世界には「怪異」と呼ばれる者たちが蔓延っていた。
そのすべての始まりは、そう、たった一人の少女のためにすべてを滅ぼした男の所業である。
ただ、世界には「怪異」が存在するものの、守り手である者たちが奮闘した結果として、概ね平和と言って差し支えない世界が広がっていた。
双子の西洋少女を幼なじみに持ち、世界最強の男を父に持ち、天然な可愛らしい母親を持つ。
そして、彼――遠凪悠真――という少年も、圧倒的な強さを持ちながら、平和な日々を謳歌していた。
だが――。
その世界が、少年にとっての「鳥籠」であると、その少年はまだ知らない。
遠凪悠真という「世界の狭間」を巡って、平穏だった世界は、或る日を境に大きな変化を迎えるコトになる――。
人であり、×であり、××でありながら、××でもある。
彼はやがて、大きな翼を以て、空高くへ羽ばたくコトになるだろう。
彼が紡ぐ、ソレは、世界を巡る「壮大な運命」の物語だ。
第一部 / 神と天使の落とし子 - Know the pain of heart - / 遠凪悠真 編
第二部 / 殺戮少女とラグナロク - 壊れ果てる世界の先で - / ??? 編
最終部 / 哀しき女神の滅び歌 - Twilight of gods - / ??? 編
© 2022 黒砂糖。
文字数 92,496
最終更新日 2022.06.29
登録日 2022.06.11
神崎康平は、日々、己の中で人間に毒を吐きながら生きていた。
世界は醜く、穢れていて、人は愚かで救いがたい。
そして、彼の心も、日々の中で穢れていく。
だが、そんな青年の側には、一人の少女が付いている。
自称、成人済みの家出少女であり、専門学生だという。
追跡少女、その少女の名は凉花ひかり。
「お前さ。追跡《ストーカー》するつもりならもっと上手くやれよ。マジで」
「んぇ?」
恋というにはあまりに異質で、愛というには距離が近すぎる、棄てろと言われればソレは無理だと答えるだろう。
故に、そう、すべては運命だった。
痛みの中で、古疵の中で、彼らは手と手を合せて生きていく。
© 2021 黒砂糖。
文字数 105,887
最終更新日 2022.02.20
登録日 2022.01.31
名塚明来はある冬を過ごしていた。
自らが住んでいた東京の地を離れ、棄て、誰も自分を知らない北の果てに逃避行を図る。
その地、北海道の札幌にて、運命を変える存在に出会った。
大上透子。
彼女を語ることは極めて難しい。
誰よりも才覚に溢れ、それ故に、人と共に生きることが不可能であった。
そんな彼女が、名塚明来を拾い上げ、気まぐれと称して同棲生活を始める。
始まりから、そして、終わりまで、すべてが奇妙なお伽噺。
だが、確かに、明来と透子はその時間に存在していた。
そして――。
〝アナタがいない冬を過ごすくらいなら、私は、冬の訪れなどを求めない。〟
明来が抱く感情と、透子が抱く純粋なまでの異常さ、互いの愛の形が混ざり合う。
そして、溶け合い、消えて行く。
切なるひと冬の物語。
© 2021 黒砂糖。
文字数 71,873
最終更新日 2022.02.13
登録日 2022.01.31
見た目は女の子でも中身はちゃんと男の子。
富近由良(ユラ)はちょっとした先天的な病気で容姿が女の子である。
瀬戸好子(コノコ)はそんな彼の幼なじみであった。
最初の始まりはそれこそコノコの一言であったと思う。
『アンタは可愛い。もう。それでいいじゃない』
その言葉がユラにとってはすべてになった。
『〝……――可愛い物が、好き、嘘じゃない〟』
彼は自分の容姿をそのまま受け入れた。
そんなユラの〝割り切り〟を後にコノコは後悔し始める――。
ただ、君は、素直になればいい。
好きなら好きって、そう、言えばいい。
ユラの気持ちは届くのだろうか。
ちょっぴり複雑な、そんな、恋の物語である。
女の子然とした男の子と、ツンデレな女の子の、不器用な青春の物語。
割と適当なように見えて、適当なりに頑張る子、富近由良の奮闘記。
© 2020 黒砂糖。
文字数 87,347
最終更新日 2022.02.06
登録日 2022.01.31
御堂総合相談室。
そこは二人の若い男性所長と女性助手が切り盛りする小さな相談事務所である。
悩みを抱えた人たちに灯りを示す。
ソレが彼らの生業である。
御堂彼方には過去がある。
ただ、過去は過去であるからして、現在を生きる彼には戻れない。
出来るコトと言えば、今を、後悔なく生きるコト。
迷える人に自分なりの道を示す。
ソレが、彼一人としての、精一杯だった。
彼方は「答え」を示さない。
迷える者に「選択肢」を示すのみ。
「恋愛」「正義」「罪」「人生(命)」
彼はその悩みに対して自分なりの言葉で相手に向かい合う。
「アドバイザー」としての彼の生き様を――。
そんな小さな物語である。
© 2021 黒砂糖。
文字数 48,018
最終更新日 2022.01.23
登録日 2021.12.31
文字数 10,672
最終更新日 2021.09.30
登録日 2021.09.20
忘れもしない。あの。痛みの記憶。
その少女に逢ったことを僕は一生忘れないだろう。
いや。
忘れることなど出来ないのだ。
彼女は僕を赦しはしない。
救えなかった。
大切な人。
願いは今も心(ここ)にある。
© 2020 黒砂糖。
文字数 3,058
最終更新日 2020.03.27
登録日 2020.03.27
夜の散歩の物語。
静まりかえった宵闇の公園。
缶コーヒーを片手にベンチに座る。
遠く。
響く足音。
間違いない。
それは彼女のものだ。
© 2019 黒砂糖。
文字数 2,684
最終更新日 2019.09.13
登録日 2019.09.13
「また来年。な」
キミのいない世界。
言葉も。
想いも。
届かない。
でも。
「前を向こうと思うんだ。俺は」
『HATE』からその後の物語。
© 2019 黒砂糖。
文字数 1,766
最終更新日 2019.08.30
登録日 2019.08.30
「居場所がないよ。どこにもね」
僕はこの気持ちを抑えられない。
感情。
思念。
すべてを引き裂いて壊したい。
© 2019 黒砂糖。
文字数 1,058
最終更新日 2019.08.23
登録日 2019.08.23
お布団でゴロゴロ。
俺たちカップルは世間から見れば異端だろう。
二人揃っての〝超インドア派〟。
休日は一歩も外へは出ない。
でもね。
それはそれで幸せなんだ。
© 2019 黒砂糖。
文字数 1,490
最終更新日 2019.08.16
登録日 2019.08.16
「あなたはどうして。今日を。生きるの?」
〝見返り〟を求めて人は今日も寄ってくる。
嫌だ。
汚い。
「消えてくれよ」
頼むから。
© 2019 黒砂糖。
文字数 1,088
最終更新日 2019.08.02
登録日 2019.08.02
心優しき荒くれ者のお話。
殴る。
蹴る。
向かってくる相手がいる限り。
終わらない。
そして――。
「死ぬかもなぁ。オレぁ」
© 2019 黒砂糖。
文字数 2,447
最終更新日 2019.07.12
登録日 2019.07.12
想いはもう届かない。
見えない道を私は一人で歩く。
いつまでも。
どこまでも。
でもね。
その隣に君がいた。
© 2019 黒砂糖。
文字数 870
最終更新日 2019.07.05
登録日 2019.07.05
キミを守りたかった。
絡み合う視線。
吐息。
身体。
「ナイショだよ。お兄ちゃん」
そう言って。
彼女はボクにキスをする。
いつものことだ。
R15相当の作品です。
ご注意下さい。
© 2019 黒砂糖。
文字数 1,349
最終更新日 2019.06.28
登録日 2019.06.28
不良と家出少女の物語。
携帯に着信が入り続ける。母親から。父親から。ぜんぶを無視していた。
「どうでもいいよ」
夜空に向けて。
俺は言葉を落とした。
© 2019 黒砂糖。
文字数 1,597
最終更新日 2019.06.14
登録日 2019.06.14
あなたに僕は憧れた。
誰もいない観客席。
僕はステージの上に立った。
そして――。
『あなたがいるこの空へ』からその後の物語。
© 2019 黒砂糖。
文字数 1,763
最終更新日 2019.06.11
登録日 2019.06.11