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西京で鵜飼として暮らす美しい少女・花夕(かせき)。
彼女は相棒の鵜の日輪(ひのわ)とともにつましくも充実した日々を送っていたが、そんなあるとき、仕事の帰り道に謎の辻占に出会い、「十日以内にかなり数奇で情熱的な恋に巡り合う」と告げられる。
その占いが的中したかのように、同じ夜、花夕のもとに、彼女を捨てた父の中納言と時の帝が訪ねてくる。
花夕はかねてより垣間見によって彼女に恋焦がれていたという帝にいきなり求婚される。
求婚に応じなければ日輪を焼き鳥にすると脅迫までされて、しかたなく中納言家で姫君修行をはじめることになるが……。
文字数 39,521
最終更新日 2021.03.07
登録日 2021.02.27
五月雨の季節を迎えた京では、雨が降り続いていた。
その日、清水に参詣していた繭子は、寺の門前で遊行の説経師を目にする。
繭子は「死んだ人間の魂は白銀の蝶になる」という一説に強く心を動かされた。
「死んでしまった母も、蝶になって会いにきてくれたらどんなに良いか」と繭子は思う。
ある日の朝、繭子は白銀の蝶を探して、小雨が降りしきる京の町をさまよっていた。
しかし途中で雨脚が強くなると、繭子はよく訪れる古寺で雨宿りをする。
そこで繭子は、顔の半分が爛れた薬草摘みの男と出会うが……。
☆初出:雑誌「Cobalt」(2014年/集英社)
出版権は集英社から引き上げています。
文字数 25,394
最終更新日 2021.03.02
登録日 2021.02.28
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