3
件
豊富な知識を持つ彩流 依は、国に属する正式な陰陽師の家系である、紫条 蓮と共に、蓮につく式神を求めてある山中に入った。その山は神と仏が併存する場所。険しい道を進み、頂上へと向かう中、依が足を滑らせ落下した。依の体を朽ちた木の幹が突き抜け、死を覚悟していたが、蓮の呪力で死を免れる。
依の体を突き抜けていたのは、その地に祀られた『依代』だった。
落ちた場所に覚えのある依は、蓮の言葉を聞きながら、蓮との出会いを思い出す。
『他の何よりも……誰よりも、依。お前がいい』
依と蓮が山に行ってから、少しずつも状況が変わっていく。
蓮の父親である総代が、ある仏の像を他の寺院に移していた。
仏の像を移した場所は、依と蓮と親交の深い、藤兼家の寺院だった。
蓮は自分のところから移された仏の像がなんだったかに気づくと、何が起こり始めているのかを察し、寺院の息子である藤兼 羽矢に協力を求める。
『冥府の番人、藤兼 羽矢。別名、死神。その門を開けてくれ』
死者の魂が閻王に裁かれる日、冥府に導いた魂が消えていた。羽矢は、魂が奪われている原因を察し、閻王に奈落への立ち入りの許可を得て依たちと共に河原に向かう。
河原には舟守がいたが、その舟守は霊園で見掛けた神司だった。
依たちは、冥府から魂が消えるのは神司が関わっていると、神司の行方を探す。
神司を追って辿り着いた神社の木には、釘を打ち込まれた人形《ひとかた》が無数にあった。
『ここは常夜……夜だけの神の場所。呪いの神社だ』
次々と冥府から魂が消え、行方を追う依たちは、神司の企みが何であるかを知る。
そしてその理由は、蓮と登った山に繋がっていた。
文字数 140,701
最終更新日 2022.05.22
登録日 2021.10.18
『望まないものの方が容易に掴めるなんて……あんまりだ』
比較的おとなしく、真面目でそのうち最強になる予定の主人公(呪術医)。態度も口も悪いが頼れる男(最強呪術師)と呑気で自由気ままで何処かズレてる男(天才呪術師)と馬鹿で短気な勘違い男(多分呪術師)が出て来ます。どの辺りで登場するか、是非ご一読ください。
死を回避する中で、医術が及ばない絶望的状況の中、ブリコルールが行なったものは、呪術だった。
人々はこれを呪術医と呼んだ。
呪術医が増えていくとその思想は分かれ、派閥を生み、明確になっていく権力に、いつしか人の体は実験物のようになっていった。
一夜の幼馴染みの圭は、権力を象徴する『塔』に入ってしまう。戻って来るという圭の言葉を信じながらも、中々戻って来ない圭を心配する一夜は、様子を見に塔に向かった。
塔の下層階のコウとタカに連れられ、向かった先で一夜は、不思議な存在の『彼』の能力で圭と会い、『約束』を交わす。
圭は『印』といってあるものを一夜に渡すと、一夜の前から消えてしまう。
それは、圭が一夜に託したものだった。
『それを持っていてくれれば、必ず俺は戻るから』
一夜の中に託されたものは、圭の心臓だった。
『僕の中に……圭の心臓がある』
塔の支配者に奪われたものを取り戻す為、一夜たちは塔に向かう。
文字数 236,482
最終更新日 2021.10.15
登録日 2020.11.26
呪術師たちが住まう森には、主という存在が立てられていた。
主が持っていた一冊の書。そこには、精霊の力を得る方法と、数百年生きる男の存在が書き記されていた。
その男は、心臓に宿し力を持った者……宿した力は『精霊』の力だ。
その存在に気づいた時、医術に呪術を組み合わせて病を治すという『呪術医』が、大きな権力者となっていた。
人々の命と、呪術医を集約するかのように建った『塔』
塔に属さない呪術医の弾圧が始まり、死者が増えて行く。
その塔の主は、書物に記されていた男だった。
『望む事、全て、思いのままに』
主が書き込んだその一文が、主の死後、呪いのように動き出し始めた。
そして、精霊を宿す『宿』が現れる。
呪術師たちの力を奪うように、後継者である行嘉貴桐の前に塔の主、来贅が現れ、『主』対『主』の闘いが始まる。
望む事、全て、思いのままに……その力を手にするのは『選ばれた者』だけ。
だが、その言葉の始まりには、深い思いが込められていた。
『僕の事を知ってはいけない』クライマックスに重ねる為の、主人公違いの過去編であり、並走する物語です。
文字数 233,081
最終更新日 2021.10.11
登録日 2021.06.08
3
件