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『聖女』として、清く正しく生きてきた少女、アウローラ。
聖堂の中でも一際女神の寵愛を強く受けた彼女に、『普通』はなかった。
民のため、神のために日々身を捧げ続ける毎日だった。
しかしそんなある日、教会に黒い髪と眼を持った、不思議な少女が現れる。
祈りの日、神々の祭壇の上に突如光と共に舞い降りたその少女を、人々は『聖女』と呼んだ。
『聖女』の名を名乗れるのは、一人だけ。
国のためだけに生きてきたはずのアウローラは、あっさりと『聖女』の名を奪われた。
現代の『聖女』と前代の『聖女』が同じところにいてはいさかいの種にしかならないと判断され、彼女は『聖女』の名を奪われ、更に、ずっと過ごしてきた大聖堂からも追い出されることに。
彼女が次に派遣されたのは、何もない閑静な国境付近の村。
誰にも見送られることもなく、一人大聖堂から出たその瞬間、彼女は思い出す。
「…………あら、わたし殺されちゃうのかしら?」
この世界が、自分に優しくない破滅エンドしか残っていないクソゲーだということを。
死にたくない元『聖女』は、考えた。
「よし、ヒロインの座を奪ってしまえ」
と。
文字数 4,057
最終更新日 2021.01.23
登録日 2021.01.21
資源豊かな大国、ネナード。
その国の王女は周辺諸国では知らぬ人がいないくらい、有名であった。
輝くプラチナブロンドの髪、鮮烈に滲む深紅の眼。
神秘的なまでに美しく、尚且つ弱冠12で王政に関わる程、賢い。
そんな彼女には婚約者がいたのだが、そんなものお構い無しと言わんばかりに次々と縁談が舞い込んで来る。
さて、そんなある日、なんと婚約者から婚約破棄を言い渡された!
「は?わたしより立場下の癖に何言ってんの?(あら侯爵子息、急にどういたしましたの?」
外面女神、内面毒沼の王女様は下の人間にそんなことをされたのが許せず、彼を嵌める為に画策に走る。
※暫く更新不定期です。
文字数 50,981
最終更新日 2021.01.22
登録日 2019.07.28
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