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 人間が人間以外の生き物に育てられたという話はたまに聞くことがある。狼、犬、猿、豹など、様々な動物たちが人間を育ててきた。また、鶏や鸚哥などと一緒にそれらの鳥と同じ扱いを受けて育てられたために、人間との接し方を知らずに育ったという人間たちもいる。  全ては、すでに大人になっていた人間たちの勝手な都合だった。  そんな環境で育った子供たちを後から人間の世界に戻そうとしたとしても、まわりの人間は彼らの行動を理解することができず受け入れられない、同時に本人たちも人間の世界を嫌う。  レイは、生まれた時からロボットに育てられた。  まわりも、ロボットしかいない環境で育っていった。  十六年が経ったある日、レイの幸せな日々が突然終わりを告げた。  人間たちが、レイを人間の世界に戻すことを決め、迎えに来たのだった。本来生きるべき世界と言われた人間が住む世界は――。
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文字数 19,177 最終更新日 2018.11.13 登録日 2018.11.03
 長い日照りが続いた後に降った最初の雨が伴う独特のあの香りを、オーストラリアの科学者はペトリコールと呼んだらしい。  特定の植物から生じた油が、乾燥した地面にある時に、土壌や岩石の表面に吸着しており、雨によってそこから放出されることにより独特の匂いが発生するとされている。  奏音はずっとお日様の下を歩いてきた人間だった。そしてこれからも、少し影により道することはあっても、ずっと太陽のある世界で生き続けられると信じていた。  ある日降った大雨が、彼女の性質を変えてしまうまでは……。
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文字数 5,648 最終更新日 2018.11.01 登録日 2018.11.01
 本を読む人なら、登場人物の後を追いかけるだけじゃなく、物語の中に入り混んで一緒に旅をしたいと一度は思ったことがあるはず。  一緒に旅をしているつもりで物語を読み進めても、物語が終わると連絡の取れなくなった友達のアドレスを眺めるような淋しい思いをしたことがあるはず。  最近売りに出された本は、読み手を含めて物語が進行していき、読み手が死ぬ時が物語の終わりであるということが売りである。  本を開いたらそこが入り口となり、閉じたときには、物語の中の人物は眠りにつく。  実際の世界よりも、本の中では時間がはやく進む。本をよく読む人はそのぶん人生経験も豊富になるというものだ。  本の世界に惹かれた1人の少女ーー。  鶫の旅が、今、始まる。
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文字数 3,992 最終更新日 2018.11.01 登録日 2018.11.01
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