絶対に失敗しない起業術

起業直後に計画が破綻したとき、成功する人と失敗する人の違い

2018.07.31 公式 絶対に失敗しない起業術 第1回
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計画を見直していますか?

「ようし!失敗しないように、綿密に計画を立てよう」
「この計画通りにビジネスを進めなければ」
という考えが、まさに起業の「失敗」の原因になるかもしれません。

多くの人は、計画通りに行かないことを「失敗」と呼びます。

しかし、本当の失敗とは、計画通りに行かなかったときに、あきらめて行動をストップしてしまうことなのです。

実は、私も起業前に事業計画を立てました。1年ぐらいの収支もシミュレーションしてみました。

自分の経験を活かして新規事業のコンサルティングを行うこと、ノウハウをCD教材にしてネット販売をすること、毎月セミナーやイベントを行うことなどを計画していました。

事業概要なども資料を作って、いろんな起業家の先輩に見てもらいました。
「良いんじゃない。頑張って」という言葉をたくさんの人にもらいました。

しかし、いざ始めてみると、計画は3か月で破綻しました。

まず、毎月セミナーやイベントを開催するために、
・新しいホームページを作り
・集客をして
・入金などの管理をして
・参加者のフォローをして
ということを毎月繰り返すというのは、自分の限界を超えた作業である、ということにすぐに気づきました。

あっという間に夜が来て、「ああ、もう無理……。明日やろう」となって、バタッと倒れて寝る、という毎日でした。もちろん、やろうとしていた仕事はずるずる後回しになり、計画はあっという間に絵に描いた餅になりました。

CD教材はほとんど売れませんでした。ネットなら何でも売れるのだろうという甘い考えはまったく通用しませんでした。

そして、そもそも新規事業のコンサルティングを受注してくれる会社を探す方法が分かりませんでした。経費だけがどんどん出て行きました。

私は小心者だったので、不安で胃がキリキリと痛み、緊張して腰がパンパンに張っているという日々でした。本当に焦っていて、自分はダメな人間なのではないかと思ってしまいました。

その時に気が楽になったのも、また先輩の方々の言葉でした。

周りの起業家の方々に聞いてみると、皆さんそろって、
「そんなもんだよ。それが当たり前だ」
と言ってくれました。

「計画通りに行ったことなんてない」
と誰もが笑います。

ほとんどの方が、計画通りにいかないという経験をされています。

真面目な人ほど無理な計画を立ててしまいます。
「起業家たるものこうあるべき」
という思いで、自分に過度な負荷をかけます。

また一方で、超楽観主義者の起業家もたくさんいます。
そういう人は、自分の理想通りに物事が進むと思っています。「これぐらいやれるだろう」と思って楽観的で甘い計画を立ててしまいます。

しかし、実際は予想外のことがたくさん起こりますし、当てにしていたことがうまく行かず、すぐに計画が破綻してしまいます。無理な計画はやはり無理なのです。

考えてみると、そもそも、本当に計画通りに行くことなんてあるのでしょうか?
私は比較的大きな会社に勤めていましたが、予定通りに事が運んだプロジェクトをいまだに見たことがありません。どんなプロジェクトもトラブルの連続です。

けっこう保守的な人間が集まっている会社でさえそうなのです。ましてや新しいビジネスを立ち上げるにあたっては、予想外のことが起こることは当然です。

私の計画に「いいんじゃない」と言ってくれた方々は、皆さんそれを経験済みでした。

事業計画を書いても、やってみないと分からないことの方が多いので、「まずは始めてみろよ!」という気持ちで背中を押してくれたわけです。

私も今はコンサルタントとしてビジネスの立ち上げの相談も受けますが、その計画に100%の完全性を求めることはしません。

代わりに、計画の中の予測できることと予測できないことの切り分けを行います。
そして、計画通りに行かないことを前提にビジネスを始めてもらいます。

その覚悟をしてもらい、背中を押すのが私の重要な仕事の1つなのです。

計画が破綻したのに、なぜ成功するのか?

さて、計画がうまく行かないことがほとんどだとして、それでもビジネスに軌道に乗せる人とそうでない人がいます。その違いは何なのでしょうか?

それは、計画通りにいかなくなったとき、そこからなんとか成功するまで試行錯誤するかしないかの違いです。

「ああでもない、こうでもない」と、商品を変えたり売り方を変えたり、さまざまなことを対処していく人は最後には成功します。

一方で、当初の計画に固執してしまうと、動きがストップしてしまいます。
この違いなのです。

私の場合は前述のとおり、起業して最初の一年は大赤字で目も当てられない状況に陥りました。ネットでCD教材を売ろうとしてもダメ、毎月のセミナーは開催できなくてダメ、ということでジタバタしていたのですが、たまたま有名な講師のセミナーをプロデュースする側に回ることで、ようやくビジネスが軌道に乗り始めました。

当初、まったく考えていなかったビジネス形態ですが、それが収益の柱になり、人脈も広がり、今の自分を作ってくれました。毎回300人以上を定期的に集客できるようになって、その集客方法を教えてほしいという人が増えて、今度は自分がそれを教えるようになっていったのです。

もし、当初の計画が頓挫(とんざ)した段階であきらめていたら、今ごろはまた会社勤めに戻っていたと思います。

今となっては笑い話ですが、もしあきらめていたら、今は誰にも話せずに葬りたい過去として秘密にしていたかもしれません。

ビジネスをされている方に聞いてみると、私と同様に、最初に計画していたことで成功している人はほとんどいません。皆無と言ってもいいくらいです。

つまり、起業家になるということは、完璧な計画を立てて遂行することではないということです。起業家になるということは、想定外のことに対処しつづけるということなのです。そして、最後になんとか帳尻を合わせるということです。起業家とは、決して予定通りに事を進める人ではありません。

起業の成功は試行錯誤の数に比例します。

計画どおりに行かなくなってからが起業家の本当の仕事のスタートです。

資金的にも足りなくなってくるかもしれませんが、そこからが腕の見せ所です。今まで数多くの人を見てきましたが、必ず何とかなります。

もう無理だと思ったときに、考えて・考えて、知恵を絞って新しい方法が見つかるということが、私の周りでは毎日のように起こっています。

「こんな方法があったのか!」
と、周りの人が驚くような方法を見つけることが、あなたを特別な存在にしてくれます。

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プロフィール

今井 孝
今井 孝

株式会社キャリッジウェイ・コンサルティング
代表取締役

大手IT企業でいくつもの新規事業開発を手がけ、初年度年商が数億円を超える事業で社内アワードを受賞。その実績をもとに意気揚々と独立したものの、スモールビジネスの成功法則を知らなかったため、いきなり挫折。セミナーを開催しても閑古鳥が鳴き叫ぶばかり。挽回のために数百万円を投資して作成した教材はほとんど売れず、部屋を占領する在庫の山に。ネット広告につぎ込んだ資金は一瞬で消えてしまい、胃の痛みと闘いながら起業1年目は終了。
その後、10年連続300人以上が参加するセミナーを主催。トータルでは6,000人以上に。
集客できるようになった一方で、毎回結果を出すことに囚われるようになり、「やらなければ……」という苦しさを味わい、その結果、数多くの経営者から学びを得て“過程を楽しむ”という本質に到達した。売上に執着し過ぎることを消し去ったのは「誰かのために貢献し続けたい」という思い。そこで、ビジネスを心から楽しめるようになる。
それらの経験を踏まえたマーケティングとマインドに関するさまざまな教材が累計3,000本以上購入されるなど、3万人以上の起業家にノウハウや考え方を伝え、最初の一歩を導いた。
誰にでもわかりやすく、行動しやすいノウハウと伝え方で、「今井さんの話を聞いたら安心する」「自分でも成功できるんだと思える」「勇気が湧いてくる」と、たくさんの起業家に支持されている。

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