絶対に失敗しない起業術

売り込むから売れない? その処方箋とは……

2019.02.05 公式 絶対に失敗しない起業術 第14回
Getty Images

「セールスが苦手」を生み出すある誤解

セールスが好きな人はほとんどいません。
9割の人はセールスが嫌いです。

しかし、セールスは商売の基本です。せっかくマーケティングを行って目の前に見込み客が来てくれたのに、セールスができなければ最終的に売上をつくれずに終わってしまいかねません。

では、なぜセールスが嫌いなのでしょうか?

実は、多くの人はセールスを「売り込み」だと思っているから、苦手意識を持ってしまうのです。

「今まで営業というものを、やったことがありません。テレアポをしたり、買ってもらうために声をかけると考えると、足がすくみます」

「今までの友達に仕事の話を切り出すのが難しいです」

などという相談を多く受けます。

これが「セールス=売込み」という定義が生み出す間違ったイメージなのです。

しかし、実際のセールスではそんなことはしません。
本当のセールスとは「売り込み」ではないのです。

売り込まれた感覚はなく、ちゃんと相談に乗ってもらえた、よい解決策を提案してくれた、お得な提案をしてくれた、と感謝したくなるようなものです。

間違っても、急に友達に売り込むようなことはしません。

あなたがセールスの達人になれば、どんどんお客さまはやってきます。
喜んでくれる人ばかりになります。

本当に売れるセールスというのはとても気持ちがいいものです。
売られた気持ちになりません。

それに、そもそも「無理やり買わせる」なんてことができるでしょうか?

よっぽどのことがなければ、売り込まれて買うことはほとんどありません。暴力でも振るわれたなら話は別ですが、無理やり買わせるなんてことはできないのです。

繰り返しになりますが、セールスは売り込みではないのです。

感じのいい店員さん、悪い店員さんの違い

売り込みと、そうでないセールスの違いを、アパレルの店員さんを例に挙げて考えていきましょう。

まず、お店に入ったら、「いらっしゃいませ」と言ってくれると感じがいいですよね。
歓迎されているようで、気分がいいわけです。

感じのいい店員さんは、その後いきなりは話しかけません。
お客さまの邪魔にならないように店舗内を移動したり、他の服をたたんだりしています。

そして、商品をいくつか見た中で、気になるものが見つかったら、カガミを見ながら似合うかどうかを確認したくなります。
選んだ服をもってキョロキョロしていると、いい店員さんはさっとカガミをもってきてくれるか、カガミの場所を教えてくれます。

そして、ちょうどいい距離を保ちながら、それでも口数は少ないままです。

真剣に服を比較しはじめたぐらいで、感じのいい店員さんはいろいろと質問をして、ニーズを聞いてくれます。
どんなときに着るのか? どんな服と合わせるのか? どんな靴と合わせたいのか? それで、いくつかの服を提案してくれます。

さて、いいものが見つかったら、買うかどうかの判断が必要です。
そのためには、いろいろな疑問・質問に答えてくれる店員さんだと助かります。
家の洗濯機で洗えるのか? ジーンズとも合うのか? 夏まで着れるのか? 割引はあるのか? などです。

そして、最後に聞いてしまうのは「似合いますか?」という質問です。
この質問に「はい。お似合いです」と言ってくれると、安心して買おうと思います。

こういう店員さんは、売り込みしているとは感じません。
すべてお客側の気持ちに寄り添ってくれているからです。

つまり、相手の気持ちを無理に変えようとしていません。
お客さまの気持ちの変化に応じて、やって欲しいことをしているだけなので、売り込みされている感じはなく、お客さまは「自分が決めて買った」と思うわけです。

逆に言えば、感じの悪い店員さんは、その正反対のことをやっています。

・いきなり声をかけてくる
・カガミが欲しいときに気づいてくれない
・ニーズをちゃんと聞いてくれない
・疑問・質問に答えられない
・背中を押してくれない

ということです。

このセールスのプロセスは、多くの業種に当てはまります。
これから1つずつ詳しく見て行きます。

情報提供は「売り込み」ではない

まず、看板を出したり服を店頭に並べたりするのは情報提供です。
チラシを配布したり、呼び込みをするのもそうです。

しかし、これは単に「情報提供」であって売り込みではありません。

道を歩いている人の手を引っ張って、店の中に引っ張り込んでいるわけではなく、興味がある人だけ入ってもらえばいいわけです。

「買わなくてもいいから、一度見て行ってください」

という軽い気持ちでいいわけです。

買わないで出て行く人もたくさんいますが、その人たちにも「わざわざ見に来てくれてありがとう」という感謝の言葉が自然に出てくると完璧です。

ヒアリングは「売り込み」ではない

目の前にお客さまに売れないのは、お客さまへの共感が足りないからかもしれません。

相手がどんな状況にいて、どんな立場で、何に悩み、どんな気持ちで、どう苦しんでいるのか?

理解できればできるほど、セールスは簡単です。

なぜなら、お客さまに共感していれば、自然にいい提案をしてしまうからです。

相手の悩みに共感できていれば、変に売り込もうという気にもなりません。
誠心誠意、相手のためにできることをしようという気持ちになります。

共感すればするほどその気持ちは100%に近づいていきます。

なので「セールスは、どれだけじっくりヒアリングするか?」で、かなり成約率が変わってきます。

聞けば聞くほど、理解すればするほど、共感すればするほど、
「この人のためにこれを提案しよう」
という気持ちになれます。

それは「売ろう」ではなく、「手助けしよう」「サポートしよう」という気持ちなわけです。

ご感想はこちら

プロフィール

今井 孝
今井 孝

株式会社キャリッジウェイ・コンサルティング
代表取締役

大手IT企業でいくつもの新規事業開発を手がけ、初年度年商が数億円を超える事業で社内アワードを受賞。その実績をもとに意気揚々と独立したものの、スモールビジネスの成功法則を知らなかったため、いきなり挫折。セミナーを開催しても閑古鳥が鳴き叫ぶばかり。挽回のために数百万円を投資して作成した教材はほとんど売れず、部屋を占領する在庫の山に。ネット広告につぎ込んだ資金は一瞬で消えてしまい、胃の痛みと闘いながら起業1年目は終了。
その後、10年連続300人以上が参加するセミナーを主催。トータルでは6,000人以上に。
集客できるようになった一方で、毎回結果を出すことに囚われるようになり、「やらなければ……」という苦しさを味わい、その結果、数多くの経営者から学びを得て“過程を楽しむ”という本質に到達した。売上に執着し過ぎることを消し去ったのは「誰かのために貢献し続けたい」という思い。そこで、ビジネスを心から楽しめるようになる。
それらの経験を踏まえたマーケティングとマインドに関するさまざまな教材が累計3,000本以上購入されるなど、3万人以上の起業家にノウハウや考え方を伝え、最初の一歩を導いた。
誰にでもわかりやすく、行動しやすいノウハウと伝え方で、「今井さんの話を聞いたら安心する」「自分でも成功できるんだと思える」「勇気が湧いてくる」と、たくさんの起業家に支持されている。

出版をご希望の方へ