絶対に失敗しない起業術

仕事に追われる起業家と、ゆったりできる起業家の違い

2019.02.19 公式 絶対に失敗しない起業術 第15回
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何がビジネスの「安定」をもたらすのか?

起業した当初は寝る間もなく、仕事に忙殺されるのが普通です。
来る日も来る日も集客に追われ、トラブルに追われ、落ち着く暇がありません。

寝不足になりながら、「ああ、ビジネスを早く安定させたい」と多くの起業家は願います。

では、その「安定」とはどこからもたらされるのでしょうか?
なぜ、頑張っているのに「安定」しないのでしょうか?

多くの人は「ビジネスの安定」がどこからもたらされるのか理解していません。

努力の方向を間違えてしまって、いつまで経っても忙しいまま、日銭のためにずっと動き回らなければならなくなってしまうのです。

商品のよさが安定をもたらすのか?
ブランドや知名度が安定をもたらすのか?
ビジョンの明確さが安定をもたらすのか?
業務効率が安定をもたらすのか?

もちろん、それらも重要な要素ではありますが、直接的な要因ではありません。

実は、ビジネスの安定は「既存客」からもたらされます。

例えば、ビジネスの安定している美容院というのは、たくさんのお客さまが何年もずっと通ってくれています。

わざわざ広告を出さなくても、既存客がちゃんと来てくれるだけで家賃が払えてスタッフの給料が出せていたりすれば、まさにこれはビジネスが安定している状態です。

このシンプルな事実に気づかないまま、既存客をつなぎとめる施策を打っていないと、売上が上がっても利益が残らず、いつまで経っても安定しないという状況に陥ってしまいます。

商品も大事だし、ブランドも大事です。ビジョンなどのメッセージも重要ですし、業務効率も欠かせない要素ですが、そのすべてを既存客との関係を維持するために使うことが重要なのです。

あなたは既存客との付き合いを長くする努力をしているでしょうか?

ビジネスにおける「安定」のメカニズム

さて、ビジネスの「安定」とはどういう状態なのか、もう少し一般論に落とし込んで整理したいと思います。

非常に簡単な表現をすれば、ビジネスの安定とは、「無理をせずに利益が出る状態」だと思えばいいでしょう。

その「利益」とは、当然のことながら以下の式で表されます。

「利益 売上 経費」

ということは、「利益」を増やすには、なるべく「経費」がかからないようにして「売上」が増えればいいわけです。

しかし、新規集客の場合は「売上」も上がりますが、「経費」も大きくなります。
というのは、もっとも労力がかかるのが「集客」だからです。

美容院の例で言えば、折り込みチラシやWEB広告にものすごいお金を出して、ようやく新規のお客さまが1人来てくれるという感じです。

しかも初回は割引だったりして、赤字になってしまう場合も多いでしょう。
初回のカウンセリングにも時間がかかるし、データを新規入力して会員カードをつくってという作業も発生するので、手間も相当かかります。

しかも、お客さまとは初対面ですので、スタイルの好みも分かりませんし、どんな接客が好きなのかもわからないところからのスタートです。担当スタッフも、非常に気を使うわけです。

要するに、経費の正体は「集客コスト」だと思っておけばいいと思います。

しかし、既存客にはこの手間がかかりません。
すでに知った仲ですし、お互いに信頼関係もできています。

「来月の予約もされますか?」
というひと言で、未来の売上が立ちますし、ちょっとした声掛けでトリートメントなどの商品や、ヘッドスパなどの追加のサービスを買ってもらえる場合もあります。

また、来店されていないときでも、ハガキ1枚、電話1本、メッセージ1通で来店を促したり、商品を買ってもらえる場合もあります。

これもほとんど経費は掛からないのにも関わらず、しっかりと利益をもたらしてくれます。
しかも、長い付き合いをしていたら気心が知れていますから、どのようなメッセージを伝えればよいのかも分かっています。なので、コミュニケーションの気苦労もありません。

それに、満足してくれているお客様は「口コミ」をしてくれますので、経費をかけずに新規客を増やすこともできます。

こういう既存客がたくさんいればいるほど、ビジネスは安定するわけです。

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プロフィール

今井 孝
今井 孝

株式会社キャリッジウェイ・コンサルティング
代表取締役

大手IT企業でいくつもの新規事業開発を手がけ、初年度年商が数億円を超える事業で社内アワードを受賞。その実績をもとに意気揚々と独立したものの、スモールビジネスの成功法則を知らなかったため、いきなり挫折。セミナーを開催しても閑古鳥が鳴き叫ぶばかり。挽回のために数百万円を投資して作成した教材はほとんど売れず、部屋を占領する在庫の山に。ネット広告につぎ込んだ資金は一瞬で消えてしまい、胃の痛みと闘いながら起業1年目は終了。
その後、10年連続300人以上が参加するセミナーを主催。トータルでは6,000人以上に。
集客できるようになった一方で、毎回結果を出すことに囚われるようになり、「やらなければ……」という苦しさを味わい、その結果、数多くの経営者から学びを得て“過程を楽しむ”という本質に到達した。売上に執着し過ぎることを消し去ったのは「誰かのために貢献し続けたい」という思い。そこで、ビジネスを心から楽しめるようになる。
それらの経験を踏まえたマーケティングとマインドに関するさまざまな教材が累計3,000本以上購入されるなど、3万人以上の起業家にノウハウや考え方を伝え、最初の一歩を導いた。
誰にでもわかりやすく、行動しやすいノウハウと伝え方で、「今井さんの話を聞いたら安心する」「自分でも成功できるんだと思える」「勇気が湧いてくる」と、たくさんの起業家に支持されている。

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