起業家が商品の単価を上げても喜ばれる10の高額化テクニック

2019.03.05 公式 絶対に失敗しない起業術 第16回
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ビジネスの成功に直結するのはコレ!

ビジネスの成功は、やってみなければわかりません。
しかし、「これは失敗する」というものはすぐにわかります。

それを見るための、大きなポイントの1つは「単価」です。

「単価が低いビジネスは難易度が非常に高い」ということが一般論として言えます。

単価が低いと、働いても働いても利益が出ないので、どうしても長時間働くことになります。

また、利益を確保するためには、たくさんのお客さまが必要になります。しかし、お客さまの数を増やそうとするとサービスの質は下がってしまいます。

そうするとリピートにもならず、また安く売らなければならないという悪循環に陥ります。

そして、つねに時間がなく、睡眠時間さえも削り、ついには「もう無理」と限界が来てしまうのです。

実はそれが失敗の大きな原因です。
小さな会社でうまくいっていない人の多くは、単価が低すぎるのです。

大企業のようにテレビ広告などを打つことができ、全国に販売網があるのであれば、100円ぐらいの単価でもやっていけます。

しかし、中小企業はそうはいきません。
それほどたくさんのお客さまを集客できないからです。

結局のところ、「単価を上げること」は、中小企業にとっては必須事項です。
しっかりとした利益率がなければ、あっという間に苦しくなってしまいます。

適正な商品単価の算出方法

中小企業の理想の経営スタイルは、「少数のお客さまにじっくりと対応すること」です。
クオリティも高く、お客さまとの信頼関係も強く、やりがいも大きくなります。

そのためには、しっかりとした対価をいただかなければなりません。

では、適正単価を決めるにはどうすればいいのでしょうか?

単純に言えば、欲しい年商から逆算するだけです。

例えば、年商1,000万円の場合、100万円の商品なら10人に買ってもらえば達成します。
しかし、1万円の商品であれば、1,000人に買ってもらう必要があります。

年間に10人に販売するのと1,000人に販売するのでは、労力は大きく違います。

1,000人に販売するのであれば、その数倍の人数に集客のアプローチをする必要があります。
しかも、1万円でも100万円でも、申し込み対応や領収書の発行などの作業は同じように必要なので、1,000人に対応するのには多くの時間が取られます。

多くの場合、中小企業にとっては、それは非現実的な数字です。

本連載の第3回目である『起業は「根拠」さえハッキリさせれば必ず成功する』の項目でも書きましたが、必要な年商を獲得するためには、その根拠が明確でなければ絵に描いた餅になります。

根拠の明確な、現実的な計画を立てるには、必要な集客数が本当に達成できるのかどうかを検証するところから始めなければなりません。

多くの場合、集客数には限界があります。
起業当初の方にとって、1,000人は大変です。

しかし、顧客数が10人でいいなら、かなり現実的です。
身近な人に声を掛けたり、紹介をしてもらうだけでもアプローチ可能な人数です。

現実的な顧客数が分かってくると、必要な商品単価も決まってきます。
おのずと商品単価を高くする必要があることに気づくのです。

単価を上げるさまざまな方法

では、どうやって商品単価を上げればよいのでしょうか?

実は、方法はいくつもあります。

例えば、1,000円のバックもあれば100万円のバックもあるように、ブランドを構築することで、価格が上げられたりします。

このように本当にさまざまな方法がありますが、ここでは、いくつかオーソドックスな考え方をご紹介します。

まずは、「専門特化」することです。

例えば、普通の紳士服店より、「経営者専門」のお店のほうが価格を上げられます。

経営コンサルタントよりも、歯科医院専門など、業界に特化したほうが価格設定は高められます。

ある英語コーチは、「海外展開したい経営者向け」にして100万円でコースを販売されました。

このように業界などで専門特化する方法もありますし、提供している手法で専門特化する方法もあります。例えばマーケティングでも、「チラシのスペシャリスト」などに特化するわけです。

また、これも専門特化の1つですが、富裕層向けに商品をつくることも考えられます。

富裕層は特別扱いされることを好みます。いわゆるステータスを手に入れるためにお金を使うということです。

それと同時に、富裕層はストレスが嫌いです。
行列で待たされたり、細かな手続きが必要だったりすることを嫌います。

ですので、お店に買い物に行っても、特別な部屋で商品を見て買うことを好みますし、さらには家に商品を持ってきてもらうことも喜びます。

電話一本で好みに応じてすべて手配してくれるのであれば、料金が多少高くても、そういうサービスを利用します。

また、「結果」に対して価格をつけるというのも有効です。

ある鍼灸師の方は、施術の単価をグンと上げました。
「妊活のコース」をつくったのです。

通常、1時間数千円で行っていた施術をコースにして、数十万円で売り出しました。
それだけで売上がかなり上がりました。

つまり、「施術」というサービスの切り売りではなく、「妊娠」という結果に対して価格をつけたわけです。

もちろん、100%の人が妊娠するとは言えません。その説明は必要です。
しかし、それまでの実績は伝えることができます。

子どもが欲しい人にとっては、その価値を金額にすれば、数十万円という桁ではなく、数千万円、数億円になるはずです。

ですので、そのような価値のサービスに数十万円の価格は妥当だと判断してくれるお客さまも、多くいらっしゃるわけです。

また、回数券などのまとめ買いを促すこともできます。

サービスそのものの単価を上げるのではなく、まとめて購入してもらうことで客単価を上げるという考え方です。例えば、カフェのコーヒーの回数券などです。

さらには、「使い放題」「食べ放題」という形式にして、会費をもらうという方法もあります。月会費を払えばコーヒーが飲み放題のカフェという感じです。

この場合、限界費用を抑えるために、コーヒーをセルフサービスにするなどの工夫は必要かもしれません。

また、特急料金を設定するという方法もあります。

スピード対応が必要な場合は価格を上げるわけです。

今まで付き合いで緊急対応をしていた方も、価格メニューに「特急料金」「夜間サポート料金」などを載せておけば、お客さまのほうも意識してくれます。

商品ではなくサポートを売るという方向性もあります。

売り切りの商品を安くたくさん売ることでは、大企業に勝てません。

ですが、小さな会社は、少ないお客さまに徹底的にサポートすることで差別化できます。

例えば、カメラを売るだけでなく、撮り方を教えてくれたり、撮影会を開いてくれるお店の方が重宝されます。

小さい会社だからこそ、お客さまの顔と名前を覚えるほどの手厚いサービスが提供できたりもします。

さらに、物語を使うという方法もあります。

ストーリーは最強の差別化要素です。

普通のたこ焼き屋さんより、おばあちゃんから教わった「秘伝のタレ」のたこ焼き屋さんのほうが美味しそうです。

開発秘話の苦労話があるほうが、共感して買ったりします。

ストーリーはブランドをつくるための強力な武器です。

そして、最も簡単なのはただ値上げするという方法です。

値上げするのに理由が必要だと考える人もいますが、よっぽど深い関係のお客さまの場合以外は、そこまで説明する必要はありません。

お客さまの方で勝手に、「コストが高騰してきたのかな」「腕を上げたのかな」という風に、解釈してくれるものです。

もちろん、値上げして離れて行くお客さまも多少は出てきますが、多くの場合、値上げして売上が下がることはありませんので安心してください。

もし心配であれば、お世話になっているお客さまだけは、お値段据え置きにしておけば問題ありません。

いかがだったでしょうか?
いくつかの事例を知るだけで、値上げのアイデアが出てきたのではないでしょうか。

他にもさまざまな単価アップの考え方がありますので、ぜひ、いろんな会社の商品を研究してみて下さい。

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プロフィール

今井 孝
今井 孝

株式会社キャリッジウェイ・コンサルティング
代表取締役

大手IT企業でいくつもの新規事業開発を手がけ、初年度年商が数億円を超える事業で社内アワードを受賞。その実績をもとに意気揚々と独立したものの、スモールビジネスの成功法則を知らなかったため、いきなり挫折。セミナーを開催しても閑古鳥が鳴き叫ぶばかり。挽回のために数百万円を投資して作成した教材はほとんど売れず、部屋を占領する在庫の山に。ネット広告につぎ込んだ資金は一瞬で消えてしまい、胃の痛みと闘いながら起業1年目は終了。
その後、10年連続300人以上が参加するセミナーを主催。トータルでは6,000人以上に。
集客できるようになった一方で、毎回結果を出すことに囚われるようになり、「やらなければ……」という苦しさを味わい、その結果、数多くの経営者から学びを得て“過程を楽しむ”という本質に到達した。売上に執着し過ぎることを消し去ったのは「誰かのために貢献し続けたい」という思い。そこで、ビジネスを心から楽しめるようになる。
それらの経験を踏まえたマーケティングとマインドに関するさまざまな教材が累計3,000本以上購入されるなど、3万人以上の起業家にノウハウや考え方を伝え、最初の一歩を導いた。
誰にでもわかりやすく、行動しやすいノウハウと伝え方で、「今井さんの話を聞いたら安心する」「自分でも成功できるんだと思える」「勇気が湧いてくる」と、たくさんの起業家に支持されている。

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