絶対に失敗しない起業術

起業家の前に必ず立ちはだかる「1回目の失敗」。成功者はどう乗り越えるのか!

2019.06.04 公式 絶対に失敗しない起業術 第22回
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「1回目の失敗」で陥りやすい思考とは?

ある日のことです。
妻が外出していたときに、私はふと思いついてリビングのロボット掃除機のスイッチを入れました。

めったに私が使わないのですが、ふと気が付いてボタンをピッと。

「さぁ、これで家の掃除が終わってる。オレって気が利く」

ぐらいに思っていました。

しかし、自分の部屋に戻って5分ぐらいしたら、「パリンッ!」という音が。

あれっと思ってリビングに戻ると、観葉植物が倒れて植木鉢が割れ、ロボット掃除機は蔦(つた)みたいなものに絡まって止まっていました。

「ああ! なんてことをしてしまったんだ」
「邪魔になるものはよけたのに……」
「これが倒れるなんてこと、今までなかったのに……」

植木鉢の破片と、散乱している土の光景はものすごいショックを私に与えました。

気分は最悪だし、この状況を理解するので精一杯です。

ここでよくある思考に陥ります。それは、

「慣れないことをするもんじゃない」

という思考です。

これが刷り込まれたら、もう挑戦しなくなります。
「もう、こりごり」になってしまうからです。

「自分には向いていない」
「このやり方はうまくいかない」
「やるべきじゃなかった」

と思い込んでしまいます。

実は、この思考は、ビジネスでもよく起こります。

・商品を販売してみたら売れなかった
・セールスしたら断わられた
・広告を打ってもまったく反応がなかった

というたった1回の失敗で大きなショックを受けて、
同じように、

「自分には向いてないに違いない」
「このやり方は間違っているのだ」
「やるべきじゃない」

と思い込んでしまうのです。

もちろん、「成功するまでやり続ければ失敗はない」という言葉は、多くの人が知っています。成功者がどれだけ失敗を経験したかも、よく知られています。

しかし、本で読んだこととは違う次元の大きなショックが、起業家の心臓をグサッと突き刺すのです。

私が今まで見てきた中でも、「1回目の失敗でショック」を受けてあきらめてしまう人は、本当に多くいらっしゃいました。

ですので、成功と失敗の分かれ目は、この「1回目の失敗のショック」をどれだけケアできたかによると、私は経験的に思っています。

どんな失敗でもショックはありますが、やはり1回目の衝撃は相当なものだからです。

実際に、起業して半年たたずに500万円の売上をあげた人が、そのあと、少し売れない期間ができただけで、恐くなってサラリーマンに戻ってしまったこともあります。

「売れない」というショックが、彼から完全に自信を奪い去ってしまったのです。

たった1回のことなのに、です。

逆に言えば、「1回目のショック」をケアすることができれば、多くの人が成功できてしまうのではないでしょうか。

この3パターンで、誰もが出鼻をくじかれる

新しいことを始めるときには、さまざまなことが起こります。

そこでショックを受けることは、大きく次の3つのパターンです。

・計画通りにいかないこと
・別の予定が入ること
・ドリームキラーの登場

の3パターンです。

1つは、うまく行かず「計画通りにいかないこと」です。

初めてのことですので、失敗するのは当然のはずです。

しかし、失敗に免疫ができていないので、ショックが大きいわけです。

軽く考えていたのにうまくいかなくて「思ったより難しい」と思い、愕然とします。想像と現実のギャップにショックを受けるのです。

「失敗の大きさ」ではなく、本人の中の「ショックの大きさ」が、ビジネスをストップしてしまうというわけです。

もう1つは、新しいことをしようとしたときに限って「別の予定が入ってしまう」ということです。

せっかく新商品の企画を考えようとしていたのに、既存の取引先からの依頼が来たり、家族の用事が入ったり、子どもが熱を出したり、タイミングよくいろんなことが起こります。

「これは新しいことをやるなというサインでは?」
と感情的に受け取ってしまい、挑戦をあきらめてしまう人もいるわけです。

そして、最後の極めつけが「ドリームキラー」の登場です。

新しいことを始めようとすると、「そんなのうまく行かないよ」という人が必ず出てきます。

「○○さんが難しいと言っていた」
「うまくいかないとみんなに言われた」

と、何人かに反対されると、ガッカリして気持ちがなえてしまって、行動をストップしてしまう人も少なくありません。

いずれのパターンにしても「出鼻をくじかれる」という経験は、多くの人の情熱を簡単に奪い取ります。

「ショック」を「事実」にしない!

さて、1回目のショックが大きいのは仕方がありませんが、そのショックで起業をあきらめてしまう必要はありません。

ショックとは何かというと、自分の心の中で起こった単なる「感情」です。

このショックな「感情」が強烈なので、それを「事実」だと思い込んでしまい、自分で勝手に解釈をつけていきます。

「慣れないことはやるものじゃない」
「自分には向いていない」
「やるなというサインだ」
「みんながうまくいかないと言っている」

という言葉でショックという「感情」に説明をつけるのです。

人間は、「感情」と「事実」に整合性が付いていないと居心地が悪いものだからです。

「感情」の方が強烈だと、「事実」の解釈をそちらに合わせてしまうわけです。

冷静なときであればそうはならないのですが、ショックが大きいとこの傾向は高まります。

行動をストップしてしまえば、このショックを感じずに済みます。なので「自分はこれをすべきじゃなかったんだ」などと、やめる口実のほうに飛びついてしまうわけです。

しかし、ショックというのはただの「感情」です。「事実」ではありません。

一時的なものですし、同じ状況でも人によって感じ方はさまざまです。それに、1回目は大きなショックでも、2回、3回と同じ状況を体験すると慣れっこになって、そこまでショックを受けません。

大事なのは、ショックという「感情」に「事実」を合わせようとしている自分に気づくことです。

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プロフィール

今井 孝
今井 孝

株式会社キャリッジウェイ・コンサルティング
代表取締役

大手IT企業でいくつもの新規事業開発を手がけ、初年度年商が数億円を超える事業で社内アワードを受賞。その実績をもとに意気揚々と独立したものの、スモールビジネスの成功法則を知らなかったため、いきなり挫折。セミナーを開催しても閑古鳥が鳴き叫ぶばかり。挽回のために数百万円を投資して作成した教材はほとんど売れず、部屋を占領する在庫の山に。ネット広告につぎ込んだ資金は一瞬で消えてしまい、胃の痛みと闘いながら起業1年目は終了。
その後、10年連続300人以上が参加するセミナーを主催。トータルでは6,000人以上に。
集客できるようになった一方で、毎回結果を出すことに囚われるようになり、「やらなければ……」という苦しさを味わい、その結果、数多くの経営者から学びを得て“過程を楽しむ”という本質に到達した。売上に執着し過ぎることを消し去ったのは「誰かのために貢献し続けたい」という思い。そこで、ビジネスを心から楽しめるようになる。
それらの経験を踏まえたマーケティングとマインドに関するさまざまな教材が累計3,000本以上購入されるなど、3万人以上の起業家にノウハウや考え方を伝え、最初の一歩を導いた。
誰にでもわかりやすく、行動しやすいノウハウと伝え方で、「今井さんの話を聞いたら安心する」「自分でも成功できるんだと思える」「勇気が湧いてくる」と、たくさんの起業家に支持されている。

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