今どきの若手の育て方

今どきの若手が求めている「一貫性のある指示」とはどういうものか

2019.08.29 公式 今どきの若手の育て方 第17回
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目的→目標→手段→役割の
一貫性ある指示を出す

仕事の基本構造は、業界、業種問わず共通するものです。
それは、「目的→目標→手段→役割」という構造です。この簡単な構造を踏まえることで、若手への指示が分かりやすくなり、モチベーションを高く維持して仕事ができるようになります。つまり、分かりやすい指示とは、
・明確な目的。
・目的と矛盾しない、明確な目標。
・実現可能で、明確な手段。
・明確な役割。

これらを満たす一貫性がある指示です。

目的には明確な「意思」を込める

目的とは、「誰のためか」「何のためか」ということです。つまりこの仕事は、誰に貢献する仕事なのか、何に貢献する仕事なのかということです。
そこには、明確な「意思」が入ります。この意思の有無が、相手の理解を得られるかどうかの大きな要素なのです。意思は、指示に対する「上司自身の本気度」のバロメーターです。目的意識が希薄であれば、上司の本気度は低いと言わざるを得ません。逆に、目的意識が明確に「上司の意思」として伝わるならば、本気度は高いと受け止められます。

目標は、目的と一貫していなければならない

目標は、その目的を実現するための指標です。そのため目標は目的と整合性がなければならず、目的と目標は一貫していなければなりません。

例えば、「お客様の満足度を高め、地域一番店になる」ということが目的だとします。そのうえで、
「地域のお客様のために、地域で売上一番を達成する。目標金額は〇〇円」
という目標を掲げるならば、目的と合致して一貫性があるので、部下は迷うことなく理解できるでしょう。

しかしこの目標が、
「売上予算110%達成」だったとしたらどうでしょうか。
この目標からは、売上予算以上の達成が目的だと勘違いさせられます。目的をしっかり伝えないと、お客様の満足度を高めることや、地域一番店になることが二の次になってしまいかねません。
目標達成が目的の実現に繋がっていないと感じさせると、何のために仕事をしているのかが、分からなくなってしまうのです。
「お客様のために何ができるか」を考えるよりも、「予算以上の売上をどうやって達成できるか」が重要になってしまいます。このような場合、若手のモチベーションはどんどん下がり、仕事に対するやりがいも感じられなくなっていきます。

目標設定の基本は「数値化」

目標を設定するときには、必ず「数値化」しなければなりません。結果と対比させるためにも必ず数値化する必要があるのです。
例えば、「お客様満足度を上げるために、社内風土をよくすること」を目的とします。この目的を実現するための目標を決めなければなりません。
そこで考え出されたものが、『きちんと挨拶をする』という目標だったとします。これは一目瞭然、数字が含まれていないので、ダメな目標だということが分かります。数字が入っていないと、目標の達成度合いについて検証ができないからです。
では、「毎日一回全員が挨拶する」という目標はどうでしょうか。「毎日一回」という数字があります。こうすれば、一日の終わりに、「今日は一回以上挨拶できましたか?」と数字で確認ができます。その結果、社員の実行率や、挨拶の回数の達成率が検証でき、今後の対策に生かせます。
「目的は○○です。その達成のために設定した目標は○○です。数値目標は○○です!」
ときちんと言えれば、上司の「意思」が明確に伝わります。若手もスッキリと数字に向き合えるようになります。

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プロフィール

石田祐一郎
石田祐一郎

株式会社GO FRONTIER代表取締役。大学卒業後、婦人服アパレル企業に就職。いちスタッフから数店舗の店長を経て、マネージャーとして全国を回る。その後、課長に抜擢。ブランド存続の危機の中で、社員一丸となって業績を挽回。さらに商品部長を経て取締役営業部長となり、全社の古い企業体質を改善。退職後はコーチング、アドラー心理学、メンタルケアを学び、プロコーチとして独立。現在は年間150回以上登壇し、成果が出るマネジメントとコミュニケーションのコツを全国で伝えている。

著書

今どきの若手の育て方

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「今の若手はやる気がない」「すぐに会社を辞めてしまう」「いくら教育しても育たない」――。いわゆる「ミレニアル世代」と呼ばれる若手の育成に悩むリー...
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