今どきの若手の育て方

今どきの若手とのコミュニケーションギャップはこう埋める

2019.09.05 公式 今どきの若手の育て方 第18回

「今どきの若手の育て方」より

若手とのコミュニケーション
における3つの落とし穴

二度手間の一番の理由は、指示している上司と聴いている若手との、認識のギャップにあります。つまり上司はこのレベルで実現して欲しいと思っているのに、若手自身の認識はまったく違う。ここに大きな差があるのです。

では、なぜそのようなギャップが生まれてしまうのでしょうか。その理由は、コミュニケーションにおける3つの落とし穴にあります。

【コミュニケーションの3つの落とし穴】
1.省略
2.歪曲(わいきょく)
3.一般化

まず「省略」です。「省略」による認識の違いは、手戻りとムダな作業を生む要因の最たるものです。例えば、ある若手がこんな経験をしたそうです。
上司に売上報告書を提出するようにと指示があり、しっかりとしたものを2時間かけて作成しました。細部にこだわった報告書になり、これなら上司も満足するだろうと思い提出しました。そして、こう言われたのです。
「ありがとう。でも結論だけでよかったんだよな」と。

これを聞いた若手は、かなりショックだったそうです。
結論だけでよかったら、結論と簡単な状況、要因説明のみで終わるため、作成に30分もかからなかったはずです。つまりその若手の1時間30分はムダになったということです。
実はこれがコミュニケーションでは頻繁に起きる、「省略」という落とし穴なのです。
何が重要かを明確にせずに伝えた気になっていると、「省略」の落とし穴にはまり、肝心なところが相手に伝わっていない可能性があるのです。これによって膨大なムダが生まれることもあるのです。

「歪曲」とは、自分の都合のいいように解釈してしまうことです。例えば「明日朝一で書類の提出をお願いします」という指示に対して、上司は就業前にできていると認識していましたが、若手の方は「午前の早い時間、つまり10時くらい」と思っていた、などです。

「一般化」とは、ある出来事を一般的な現象として認識することです。
例えば、会議などである数名の意見を「みんなが言っています」と「みんな」にしてしまうことや、1~2回の失敗を、「君はいつも失敗するね」と「いつも」にしてしまうことなどです。

特に指示においては、「省略」と「歪曲」が起こらないようにすることがポイントです。解決するには、「何を」「いつまでに」「どれくらい」を明確にした指示を出すことです。
上司は、若手が悩まない指示をすることを肝に銘じておきましょう。

次回に続く


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プロフィール

石田祐一郎
石田祐一郎

株式会社GO FRONTIER代表取締役。大学卒業後、婦人服アパレル企業に就職。いちスタッフから数店舗の店長を経て、マネージャーとして全国を回る。その後、課長に抜擢。ブランド存続の危機の中で、社員一丸となって業績を挽回。さらに商品部長を経て取締役営業部長となり、全社の古い企業体質を改善。退職後はコーチング、アドラー心理学、メンタルケアを学び、プロコーチとして独立。現在は年間150回以上登壇し、成果が出るマネジメントとコミュニケーションのコツを全国で伝えている。

著書

今どきの若手の育て方

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