今どきの若手の育て方

部下に任せた仕事が半分しかできていない――上司はどうするのが正解?

2019.10.17 公式 今どきの若手の育て方 第21回
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目標は課題の解決ではなく
長所、強みで実現する

若手から課題や、悩みを本音で聴き、成果に結びつけるマネジメントのコツは、若手の「長所、強み、できていることを増やす」ことです。
そのためのポイントは、2点です。
・半分もできている、という見方をする。
・できていることを、どうしたら増やせるかを考える。
です。

「半分もできている」という見方をする

例えば、目標への進捗状況が半分だったとします。この「半分」に対する感じ方や見方には、二種類あります。それは、「半分しかできていない」と「半分もできている」です。あなたはどちらでしょう。
もしも、半分しかできていないと感じてしまうようならば、今すぐ変える必要があります。人を育てるのが上手い上司は「半分もできている」という見方を100%します。
一方で、人を育てるのが下手な上司は、「半分しかできていない」と言います。なぜなら、できていない課題に注目するからです。
つまり、「できていない半分」に注目するあまり「できている半分」が見えなくなり、すべてを「ダメだ」と感じてしまうのです。
しかし、人を育てるのが上手い上司は、「半分もできている」と思い、そこから次の一歩をどう進めばいいかを考えます。人を育てるのが上手い上司と下手な上司とでは、そもそもスタート地点が違うのです。

「できていること」を、どうしたら増やせるかと考える

若手の指導において大事な点は、「若手の課題を解決すること」ではありません。「若手に目標を達成させる」ことです。
目標を達成させる方法には、2通りのやり方があります。一つは、課題を設定し、できない場合はその原因を追求して解決するやり方。そしてもう一つは、できている点、強みを増やすやり方です。
この強みを増やして目標達成するやり方が、若手の成長を大きく促し、目標を達成させるのです。

例えば、あるシステムを売る若手営業マンがいました。
何回かとある会社に行って営業を行い、そこの社長と顔なじみとなり、コミュニケーションはとれるようになりました。
しかし、なかなか社長からは、どんなニーズがあるのか、どんなことに困っているかの本音が聴けていません。
そして、この話を進捗報告で上司に伝えました。
そのときに上司は、こうコメントしました。
「何やってんの! 社長のニーズが聴けなければ、こちらから製品やサービスの提案ができないよ! 何回あそこの会社に行ってるの? 次回行ったら必ず聴いてこいよ!」
こう言われたら若手は、「はい、頑張ります」としか言えません。
しかし、若手の気持ちは、「そうはいっても、どうすればいいかな。社長はああ見えて、なかなか本音を言ってくれないんだよな」です。
課題を解決しろと言われても、若手にとっては気が重く、どうしたらいいか見えないまま、また営業に行くことになります。

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プロフィール

石田祐一郎
石田祐一郎

株式会社GO FRONTIER代表取締役。大学卒業後、婦人服アパレル企業に就職。いちスタッフから数店舗の店長を経て、マネージャーとして全国を回る。その後、課長に抜擢。ブランド存続の危機の中で、社員一丸となって業績を挽回。さらに商品部長を経て取締役営業部長となり、全社の古い企業体質を改善。退職後はコーチング、アドラー心理学、メンタルケアを学び、プロコーチとして独立。現在は年間150回以上登壇し、成果が出るマネジメントとコミュニケーションのコツを全国で伝えている。

著書

今どきの若手の育て方

今どきの若手の育て方

「今の若手はやる気がない」「すぐに会社を辞めてしまう」「いくら教育しても育たない」――。いわゆる「ミレニアル世代」と呼ばれる若手の育成に悩むリー...
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