今どきの若手の育て方

優れた上司が「部下のよさを2個ほめる」理由

2019.11.07 公式 今どきの若手の育て方 第22回
Getty Images

「ほめる」を2個伝えると
若手の嬉しさは倍増する

現在、企業のマネジメントにおいて「ほめる」ということは、残念ながらまだまだ一般的ではありません。しかし、この「ほめる」ことが、企業の成長にとって必要なのです。それは、その人の強みを成果に繋げることができるからです。
つまり「ほめる」とは、相手の「強み」を伝え「生かす」マネジメントなのです。

ここでは、上手くほめるポイントをお伝えします。
相手が嬉しいと感じる、と同時に次も頑張るほめ方は、「2つほめる」です。
2つほめるポイントは、
・結果と過程。
・いい行動といい性格。
です。

通常ほめるときは、相手の成果や結果に対してです。
例えば、「今回、いい営業成績だったな、頑張ったな!」「朝早くから出勤して、偉いな!」などです。これらは目に見える結果をほめているだけなので、誰にでもできます。
また、本人も分かっていることなので、実はそれほどありがたい気持ちにはならないものなのです。そこで、成果が出た要因となる「過程」へのコメントも伝えるのです。そうすると俄然、相手の感じ方が違ってきます。
「今回、いい営業成績だったな、頑張ったな! 本当にお客様が欲しい情報がしっかりと資料の中に組み込んであって感心したよ。着眼点もよかった。情報収集を頑張った努力の結果だな!」

こんな風に言われたらどうでしょうか。

若手にとって重要なことは、「結果」と同時に「その結果に繋がった過程」を見てもらえていることなのです。
「過程」に対してコメントすることは、「私は、あなたを見ていますよ」という暗黙のメッセージとなります。このメッセージを感じることができるので、「結果」と「過程」の2つをほめられた方が嬉しく思えるのです。

これはまた、若手が失敗したときのフォローにもなります。
例えば、ミスをした若手に、
「なぜ失敗したかしっかり分析して、次に必ず成果を出してください」
とだけ言ったとします。若手はそう言われたからといっても「次は頑張ろう」という気持ちにはなりません。
これが、
「今回の失敗に関しては、しっかりと分析して次に必ず挽回してくれよ! しかし、何度もお客様のところに足を運ぶ努力をしたことは、よかったと思うよ。その努力が次の成果に繋がることを期待しているよ」
と言われたらどうでしょう。
失敗はしましたが、次は頑張ろうという気持ちにならないでしょうか。「過程」での努力を認められたことで、次への意欲が湧いてきます。
また、「いい行動」と「いい性格」は密接に関係していますので、その関係性を伝えることで、嬉しさは倍増します。

ご感想はこちら

プロフィール

石田祐一郎
石田祐一郎

株式会社GO FRONTIER代表取締役。大学卒業後、婦人服アパレル企業に就職。いちスタッフから数店舗の店長を経て、マネージャーとして全国を回る。その後、課長に抜擢。ブランド存続の危機の中で、社員一丸となって業績を挽回。さらに商品部長を経て取締役営業部長となり、全社の古い企業体質を改善。退職後はコーチング、アドラー心理学、メンタルケアを学び、プロコーチとして独立。現在は年間150回以上登壇し、成果が出るマネジメントとコミュニケーションのコツを全国で伝えている。

著書

今どきの若手の育て方

今どきの若手の育て方

「今の若手はやる気がない」「すぐに会社を辞めてしまう」「いくら教育しても育たない」――。いわゆる「ミレニアル世代」と呼ばれる若手の育成に悩むリー...
出版をご希望の方へ