今どきの若手の育て方

次々と「若手に仕事を任せる」上司ほど、実はマネジメントに長けている

2020.01.16 公式 今どきの若手の育て方 第26回
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成長した若手に、自分の仕事を任せよう

若手という金の卵を、自分のなって欲しい人材に育てる目的は、上司自身の「組織ビジョン」を実現するためです。そのためには「どんな組織にしたいのか」、その組織で「何をやりたいのか」を明確にすることが必要です。

それは、自分が「楽に、楽しく」仕事ができ、成果を継続して出していくことに繋がります。そのために、若手の「能力を開花」させ、若手が仕事に「やりがい」をもてる教育と環境づくりを行うのです。
これが、今後の会社の「継続的な発展」をもたらし、自分にも大きなやりがいをもたらすのです。

例えば、ある管理職研修では「社内一の成果があげられる組織」や、「海外展開しても負けないプロの組織」「最高の成果をあげ有給休暇がすべてとれる組織」などが組織ビジョンとして出てきました。
それらはすぐに実現できるビジョンではありません。しかし、そのビジョン実現のために、具体的な一歩を踏み出すことに意味があるのです。

それが上司自身にとって大きなやりがいをもたらします。だからこそ、時間をかけても構わないので、ぜひあなた自身の本当にやりたい「ビジョン」を見つけて欲しいと思います。
そしてその実現のために、思い切ってやって欲しいことがあります。

それは、
「若手に仕事を任せる」です。

人が大きく成長するきっかけは、「経験を積む」ことです。多くの企業で、「あなたが成長したきっかけはなんですか?」と尋ねると、ほとんどの方が「今までやっていなかった仕事を任され、苦労を乗り越え達成したことです」と回答しています。
つまり、仕事を任されたことが大きな成長を促すのです。しかし多くの上司は、「任せる」ことが苦手なようです。
理由は、

・自分がやったほうが安心で早く終わる。
・任せて失敗した後のフォローが面倒。
・若手にはできないとバカにしている。
・自分の仕事がなくなることによる存在価値の低下が不安。

などです。

これでは、いつまでたっても若手は成長しません。最初は上手くいかず、フォローなど負担が大きくなる可能性はあります。しかし、仕事を任せれば、若手は経験を積むことができます。その経験は、若手が成長し、頼りになる存在へと大きく変化するきっかけとなるのです。

上司が仕事を若手に任せられるようになり、若手もその役目を上手く果たすようになれば、上司の仕事の負担は劇的に軽くなるでしょう。
これは同時に、上司自身の「仕事の質をあげる」ことに繋がります。若手に任せ、若手が成長し、上司自身の仕事の質が向上する。まさにグッドサイクルと呼べるものです。

このグッドサイクルを回すためにも、上司自身の「組織ビジョン」をしっかり持つことが重要なのです。

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プロフィール

石田祐一郎
石田祐一郎

株式会社GO FRONTIER代表取締役。大学卒業後、婦人服アパレル企業に就職。いちスタッフから数店舗の店長を経て、マネージャーとして全国を回る。その後、課長に抜擢。ブランド存続の危機の中で、社員一丸となって業績を挽回。さらに商品部長を経て取締役営業部長となり、全社の古い企業体質を改善。退職後はコーチング、アドラー心理学、メンタルケアを学び、プロコーチとして独立。現在は年間150回以上登壇し、成果が出るマネジメントとコミュニケーションのコツを全国で伝えている。

著書

今どきの若手の育て方

今どきの若手の育て方

「今の若手はやる気がない」「すぐに会社を辞めてしまう」「いくら教育しても育たない」――。いわゆる「ミレニアル世代」と呼ばれる若手の育成に悩むリー...
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