あらゆるスキマ時間で集中学習! 無駄ゼロ独学術

社会人なら身につけたい「集中力が高まる」自宅学習術

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メインの勉強の場所は自宅

独学での資格試験挑戦は、人にとっては長くつらい道のりです。難関資格の多くは、一年に一度しか試験がありません。落ちるともう一年勉強することが確定します。

私も経験しましたが、このときは本当に苦しいです。合格すると未来は大きく開けるものの、受からなければメリットはさほどありません。人生を足踏みしている感覚になります。

また、挑戦期間が長くなると、家庭や仕事などの状況が変わります。人によっては、挑戦を続けることが許されなくなることもあるでしょう。そのため、学習方法をなるべく効率化し、短期間で「合格」というゴールまでの道のりを走り切ることが望ましいです。

勉強を効率化するには、当然ですが、集中することが必要です。テキストや問題に向かっていても、他のことに意識を奪われていれば、内容は頭に入りません。成果が小さくなるので、せっかく時間を割いて努力した意味が失われてしまいます。

これまでの連載で、「社会人が独学で勉強=誘惑と戦うこと」とお伝えしました。本来であれば、仕事が終わった後は自由時間です。Youtubeを見たり、おいしいものを食べに行ったり、友達に会いに行ったり、楽しく過ごすための時間です。
資格試験に挑戦しているときは、時間の使い方はその反対です。勉強というつらいことのために、楽しく過ごせるはずの時間をささげることになります。

そして、いくつか考えられる勉強場所の中で、自宅は最も誘惑に負けやすい場所です。快適に自由時間を過ごすためのグッズが揃っており、本来、勉強するにはふさわしくないからです。それでも、予備校に通わない独学者にとっては、自宅は勉強時間を確保するために大切な場所でしょう。
コロナ禍前は、カフェやファミリーレストランが、伝統的な勉強場所として存在していたものの、現在は飲食店に長時間滞在することは難しくなりました。そのため、自宅での勉強がメインになる人が増えていると思います。

まずは、時間数と勉強量を決める

それでは、誘惑の多い自宅で勉強を効率化する方法を考えてみましょう。

まず、やってはいけないのは、だらだらと長時間勉強することです。よくあるうまくいかないパターンは、始めと終わりの時間やノルマの分量を決めずに、体力の続く限り勉強に取り組もうとする方法です。これは、一日二日は続けられても、そう遠くないうちに精神的な限界が訪れます。

仕事で想像してみてください。終わりの時間を決めずにできるところまでやる、と決めて仕事を始めたら、普通は身が入らないはずです。仕事が大好きという人以外は、「早く帰りたい」という思いが頭を離れないでしょう。

つらいことに取り組むときは、明確な終わりがないと、心が持ちません。メリハリを作って、努力するときは努力し、休むときは休まなければ、長い独学の日々を乗り切れないでしょう。

従って、自宅学習に取り組む際に最初に決めるべきは、家で勉強する時間数と、勉強量の二点です。合格までに付けるべき実力と、残っている日数から必要な量を逆算し、一日あたりのノルマに落とし込みます。やるべきことを終えたら自由時間を楽しむようにし、翌日に疲れを残さないようストレスを解消しましょう。

自宅での勉強は、環境作りが大事

また、一人暮らしの人を除いては、家族にも気をつかう必要があります。
私は2013年の春に第一子である長男が生まれ、同年の夏に、司法書士試験に合格しました。そのため、受験勉強と並行して、出産準備や子育てを行う毎日でした。妻に負担が集中しないよう、電車での移動時間を中心に勉強し、帰宅してからは子どもの面倒をみていました。さらに、子育てと並行して勉強を続け、2014年には公認会計士試験に合格しました。

このとき、資格を取ると将来が安定することと、何年も勉強を続けるつもりはないことをあらかじめ説明し、「期間限定」という条件付きで家族の理解を得ていました。いくら資格取得にメリットがあっても、負担を妻に押し付けていたら、応援してもらうことは難しかったでしょう。

自宅での勉強は、環境作りが大事です。試験勉強に家族が不満を感じれば、ストレスが自分に返ってくることになり、結果的に集中できなくなります。家族がいる人は、勉強を問題なく続けられるよう、負担をかけていることを忘れず、感謝するようにしましょう。

これに加えて、「物理的な制約をつける」で書いたように、日常生活になくても困らないゲーム機やマンガは封印しましょう。スマホはなるべく手の届かない位置に持っていきましょう。勉強時間の間は、キッチンや浴室などに置いておいてもよいかもしれません。

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プロフィール

石動龍
石動龍

青森県八戸市在住。公認会計士、税理士、司法書士、行政書士。読売新聞社記者などを経て、働きながら独学で司法書士試験、公認会計士試験に合格。石動総合会計法務事務所代表。ドラゴンラーメン(八戸市)店長、ワイン専門店 vin+共同オーナー、十和田子ども食堂ボランティアとしても活動している。趣味はブラジリアン柔術(黒帯)と煮干しラーメンの研究。

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