伝わる文章術

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2018.11.08 公式 伝わる文章術 第15回
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コラム いますぐ簡単にできる
文章のブラッシュアップ法 その15
数字をよりわかりやすく表現する方法

よく広さのたとえとして東京ドーム何個分という表現が使われます。実際の東京ドームの面積は約4万7千平方メートルで、東京ディズニーランドは約51万平方メートルですが、そういわれてもまったくピンときません。東京ディズニーランドは東京ドーム11個分と表現されたほうが、「あの球場が11個入るのか」と広さをイメージしやすいでしょう。
本来、数字自体が物事を正確に表す指標なのですが、数字でいわれるとかえって理解しづらいことは多々あります。

たとえばビジネスの基本となる数字について述べるとき、裸の数字をそのまま示されるよりも何かにたとえてもらうほうがわかりやすくなることがあります。

<文例① 数字で表現する>
日本という国はどういう国か。
日本の労働者はざっと約6000万人で、企業数は約420万社ある。
ち中小企業はその99.7%を占め、GDP約500兆円のうち300兆円を生み出している。
また日本では、1億円の資産を持つ人が約300万人いる。

難解というほどの数字ではありませんが、単に数字だけで表現されるだけだと何かつかみづらく感じられないでしょうか。そこで身近なたとえでこの数字を表現してみます。

<文例② 身近なたとえで数字を表現する>
日本という国はどういう国か。
日本人は二人に一人が働いていて、企業数はコンビニ数の50倍である。
そのうち中小企業が99.7%で、GDPの5分の3を占める。
また日本では、学校でいう1クラスに1人が資産1億円を持っていることになる。

言ってることは同じですが、こうした比喩で表現されることで、すこし数字が身近に感じられるようになるものです。

数字を見える化する

数字をわかりやすく表現する技術とは、ひとつは数字を目に見える形で表現することです。
何か形になっているものにたとえて表現する、あるいは何か見えるものと比較することでよりつかみやすくなります。東京ドーム何個分というのはその一例です。

この場合、何を基準にするかがわかりやすさに直結します。たとえばアメリカの地理的な大きさと経済的な大きさについて述べるとします。数字をそのままで書くとこうなります。

<文例③ >
アメリカの大きさはどれくらいだろうか。
アメリカの国土は983万平方キロメートル、人口は3億2600万人、経済力を示すGDPでは19兆4850億ドルである。

983万平方キロメートルというのは、あまりに巨大すぎて見当がつきません。大きさを認識するには何か基準になるものが必要です。我々にとって基準となるのは、やはり日本でしょう。日本と比較すると次のようになります。

<文例④ >
アメリカの大きさはどれくらいだろうか。
アメリカは国土で日本の約25倍、人口は約3倍、経済力を示すGDPが約4倍の国である。

どれくらいの大きさかは実際の数字で示すだけではなく、こうした比喩で表現する方法も文章技術のひとつです。

次回に続く

 

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プロフィール

亀谷敏朗
亀谷敏朗

1984年中堅ビジネス書出版社だった中経出版に入社。本づくりのかたわらセミナー事業、コンサルティング・ビジネスにも携わる。また、在職中は中小企業から一部上場企業までを横断した、企業内の教育担当者の異業種交流会を主催した。
2004年フリーの出版プロデューサーとして独立。主にビジネス書作家のデビューを支援する。
支援の一環として、新人作家の原稿づくりのアドバイスを手掛けたことから、改めて伝わる文章の研究を始める。
「名文は要らない」、「読者と編集の立場から見たわかりやすい文章」に軸足を置いた方向で、新人作家には文章の書き方をアドバイスしている。

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