伝わる文章術

「長文感情型?」「短文理論型?」相手のメールタイプ別、円滑メール返答術

2019.06.13 公式 伝わる文章術 第29回
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メールの文体からタイプを見分ける

コミュニケーションの基本とは、相手の個性に応じた表現を選ぶことです。
丸い豆腐も切りようで四角、物も言いようで角が立つといいますが、同じ言い方であっても、相手の個性によっては角が立ったり、丸くなったりします。

メールのように相手の様子がわからないコミュニケーションでは、あらかじめ相手の個性を把握し、個性に応じたコミュニケーションが取れれば安心です。
しかし、メールのやり取りだけで会ったことはない、会ったことはあっても人柄まではよくわからない、という人がメールの相手というケースも少なくありません。

そういうとき、相手のメールの表現スタイルから性格を推し量るという方法があります。
まずタイプとしては理論型、実用型、感情型、人間関係型の4傾向に分かれます。
しかし、純粋に理論や感情だけという人は現実にはいません。理論型で実用型、あるいは感情型で人間関係型という複合タイプとなります。
具体的に見ていきましょう。
同じ用件でも、タイプによって表現スタイルは4つに分かれます。

●長文傾向の1・4タイプ、短文で済ませがちな2・3タイプ

●1タイプ(理論型で人間関係型)のメール
面会の日時は、明日の15時でよろしいでしょうか。
お会いできることを楽しみにしています。

1タイプの特徴は疑問形を多用すること。また比較的長文傾向(説明が丁寧)で、マメに返信をよこします。

●2タイプ(理論型で実用型)のメール
明日15時の面接よろしくお願いいたします。

2タイプのメール文は目的重視で、概して素っ気ない傾向です。断言的な表現を使うこともあります。
したがってメール文は短い。また、最低限のメールしか送ってきません。

●3タイプ(実用型で感情型)のメール
明日15時の面会、よいお話になることを期待しております。

3タイプも目的重視ですので短文傾向ですが、希望や期待などの感情を隠さず表に出してきます。
自分の要求や期待を訴えるメールは頻繁に相手へコミュニケーションを要求しますが、自分に関心のないことには返信頻度が下がるタイプです。

●4タイプ(感情型で人間関係型)のメール
面会は明日の15時でしたよね!
明日は天気もよさそうですし、お目にかかれることを楽しみにしています!

4タイプのメールは文末に「ね」を多用します。また「!」「?」を多用するのもこのタイプの特徴です。文章は長文傾向で、相手からのメールには必ず返信します。

送ってはいけないタイプ別ミスマッチメール

タイプ別の大まかな傾向を言えば、1・4タイプにはやや密度の高いコミュニケーションを取り、説明は丁寧であることを心がけることが基本。
一方、2・3タイプには用件のみのシンプルなメールが向いています。
あまり丁寧だと、くどい、あるいは「わかっていないんじゃないか」という不信感を与えかねません。
傾向が同じ者同士はトラブルになりにくいですが、傾向の違う人とのコミュケーションでは注意が必要です。
特にトラブルになりがちなのは、2と4の間のコミュケーションと1と3のやりとりということになりましょう。

<文例A ミスマッチメール 2タイプが4タイプにやりがちなパターン>
ご注文は納品指定日の3日前まで正式発注してください。
注文数量はロット単位となっております。

理論的で現実的なメール傾向の2タイプにとっては、まったく問題のないメールです。しかしフレンドリーで感情を重視する4タイプにとっては、素っ気ないですし、まるで命令されているようで気分を害しかねません。
相手が4タイプであるときは、タイプに合わせ配慮したメールを送る必要があります。

<文例B 相手のタイプに合わせたメール 2タイプから4タイプへ>
ご注文は、安全確実にお客様へ商品をお届けできるよう、納品指定日の3日前までに正式ご発注をいただけますようお願いをしております。
発注の数量は商品の特性上、誠に勝手ながらロット単位ということでご容赦をいただいております。

やや長めのメールとなってしまいますが、長文メールの傾向にある4タイプにとっては長いメールは苦になりません。

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プロフィール

亀谷敏朗
亀谷敏朗

1984年中堅ビジネス書出版社だった中経出版に入社。本づくりのかたわらセミナー事業、コンサルティング・ビジネスにも携わる。また、在職中は中小企業から一部上場企業までを横断した、企業内の教育担当者の異業種交流会を主催した。
2004年フリーの出版プロデューサーとして独立。主にビジネス書作家のデビューを支援する。
支援の一環として、新人作家の原稿づくりのアドバイスを手掛けたことから、改めて伝わる文章の研究を始める。
「名文は要らない」、「読者と編集の立場から見たわかりやすい文章」に軸足を置いた方向で、新人作家には文章の書き方をアドバイスしている。

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