営業マンは70点主義でいい

商談を圧倒的にラクに進める「ポジショニング」とは?

2019.06.19 公式 営業マンは70点主義でいい 第20回
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クロージングなんかしたくないけれど…

いくら営業でお客さんと仲がよくなることができても、結局最後にはクロージングをするときがやってきます。

でも「買ってください!」とか「申し込んでもらえませんか?」って言った瞬間、結局売り込みの雰囲気になるみたいで嫌じゃないですか? 
とはいえ、言わなきゃ話が終わらないのはわかる、でもやっぱり"やましいことをしている感覚が消えない”。あぁ、葛藤が止まらない。

そんな状態だったあなたも、この連載を進めるたびにだんだんと考え方が変わって来たんじゃないかなと思います。
自分から無理やりクロージングするんじゃなくて、お客さんの口から『買いたい!』と言ってもらえるイメージが湧いてきましたよね? そして、ここ数回で紹介している『ポジショニングのステージ』を実践するだけで、嘘みたいに商談がスムーズに進むはずです。そのくらい営業をするうえで、「ポジショニング」がものすーっごく大事ってことなんです。

だから実は、この方法を悪用して目先の数字をどんどんあげることも、実際に存在します。もちろん、この連載を読んでいるあなたが悪用なんかしないのは知っています! 

でもね、知らずにそれに近いやり方を教えられたり、やってしまったりすることがあるんです。だから今回は、このポジショニングを悪用する方法と、正しく活用する方法について話したいと思います。

知らずにやってしまうかも!? ポジショニングの悪用…

そもそも『ポジショニングを悪用する』ってどういうことなのかと言うと…。要は『なんちゃってカリスマ』になることです。

なんちゃってカリスマとは?

本来の自分とはかけ離れたキャラで強引にポジショニングをする人のことを言います。嘘や調子のいいことを言って相手に魔法をかけて、その気にさせます。いかにも自信ありげにガシガシ接してくるので、思わず相手も騙されちゃうんですよね。

強引なポジショニングにもいろいろありますが、ここではよくある身近なパターンを紹介します

絶対ダメ! 強引なポジショニングのパターン

●他社の悪口を言って自社に乗り換えさせようとする

営業「今ってどこのサービスを使っているんですか?」
お客さん「今は、○○社の使っているね」
営業「あぁ、あそこですかぁ。いろんな噂がありますよねぇ。ココでは問題起きてないですか?」
お客さん「えっ? 何のこと?」

自分がやっていなくても、意外に耳にしたことあるんじゃないかと思います。これは競合のイメージを下げて、自社を救世主に仕立て上げる、最も簡単なやり方です。でもこのやり方で契約につなげようとすると、相手は「自分のことも他で悪く言うかもしれない人」ってイメージを持ってしまいます。とても不安定な関係性になってしまうので、ふとしたことでトラブルになりやすいので要注意です。

●嘘の成功事例を伝えたり、都合の悪いことを隠して相手を騙す

こんなことやっちゃダメなのは、みんなわかってるはず。でも、先輩や上司から教え込まれて、知らずにやってしまうことがあります。

「細かいこと気にしないで、とりあえず今までより経費削減になるってお客さんに伝えればいいから!」
とか「あとで、追加料金かかるとか、今は説明しなくていいから」みたいに、そういうトークを強制されるパターンも少なくないです。『えっ? それって嘘じゃないの?』って感じることありませんか?

こういう都合いいトークで営業をすると、相手からは『おぉ! この人スゴイかも!?』『この人の言うことを聞いてればうまくいくんじゃないかな!』って一目置かれるようになります。そして、当然一時的に売り上げはギューンって上昇します。

でもね、嘘はいずれバレる。魔法はいずれ解けるんです。
「この前言っていたとおりに全然ならないじゃないか。金返せー」
「後でお金かかるなんて聞いてないよ!」

大クレームや訴訟問題……、こうやって、ポジショニングを悪用したツケが回ってきます。ひどいときは、当事者が昇進していなくなっちゃって、後輩の自分がそのツケを払わされるなんて悲劇もあります。身に覚えのないことでめちゃくちゃキレられるという、まさに僕がそのタイプでした。

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プロフィール

中尾隼人
中尾隼人

株式会社everride(エバーライド )
代表取締役

1500人規模の上場企業で、営業未経験であったにもかかわらず毎年TOPセールスを記録。もともと人見知りの性格だったため、会社から教えられた一般的な営業手法が肌に合わず、見事に落ちこぼれ街道まっしぐら。そんな中、生き残りをかけてしゃべりが上手くない自分でも成果をだすための営業方法を試行錯誤する。

その結果、営業が得意じゃない自分でも売込みをせずにモノが売れる「人を引き寄せる手順」を確立。おちこぼれだった状態から全国No.1の記録を作るだけじゃなく、145日連続契約という記録も生み出す。所属部署において最速でチーム主任に抜擢されてからは、営業が苦手だった部下にも連続契約を達成させるなど、営業チーム育成コーチとしても実績を残す。

2012年に独立し、株式会社everrideを設立。現在は当時の「人を引き寄せる手順」を営業・求人向けの研修や広告制作に応用し、全国の営業苦手なスタッフを抱える企業や、人材不足で悩んでいる企業をサポートしている。

「営業は70点採れれば十分に成果が出る、そして70点なら誰だって取れる」というコンセプトで研修・コーチングを行い、今まで全く契約や売り上げがゼロだったスタッフが3ヶ月でドンドン目標達成をするなどの事例を量産し続けている。

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