人事はあなたのココを見ている!

毎日「定時」で帰る社員を、実は人事はこう見ている

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残業とボーナス、どちらの収入が多いか?

今回は「残業」について、人事がどのように考えているかをお伝えしたいと思います。
先日、ある企業の社員からこのような相談をうけました。

「私はなるべく定時で帰れるように、毎日ToDoリストを作って効率的に仕事をしています。でも会社には、だらだら残業している人が少なくありません。人事はこういう社員に対して、どう思っているのでしょうか?」

残業については、もちろん厳しく見ています。だらだら残業をして毎月7〜8万円稼いでいる人は、半年たったら残業代だけで50〜60万円くらいの収入になります。
ボーナスで50〜60万円はなかなかつけられません。となると、効率よく仕事して毎日定時で帰っている人よりも収入が多くなってしまいます。

毎日定時で帰る人がバカを見る。こんなことがあってはならないので、どの会社でも人事はさまざまな施策を講じているはずです。

私は人事部時代、社内の残業ランキングを作っていました。毎日のように長時間残業をしている社員がいたら、管理職に対して「ちゃんと見ていますか?」と注意をしなくてはなりません。そのランキングは経営とも共有し、上司が部下の残業をきちんと管理しているかをチェックする機能としても活用してプレッシャーをかけていました。

戦後最悪といわれる不況によって、今、多くの企業が経営難に陥っています。どの企業でも、今後ますます残業への見方は厳しくなっていくはずです。

その残業で「成果」を出しているか?

ただし、残業そのものが「悪」というわけではありません。重要なのは、労働時間そのものではなく「何」をやっているかです。
もっとハッキリ言ってしまえば、その残業によって「成果」を出しているかどうかです。

意味もなく、だらだら残業をして、何の成果も出していない。これは当然、問題になります。「きちんと上司に申請して承認をとって残業をしてください」と注意もしますし、上司の管理責任も問われてきます。

しかし、そうでない残業もあります。デキる人のところには、仕事が集中してしまうものです。効率よく働いて、成果も出しているけれど、仕事量が多くてどうしても残業時間が多くなってしまう。こういう場合は、必要な残業と判断します。

必要な残業かどうかは、労働時間と人事評価を照らし合わせれば、すぐにわかります。残業が多くても成果を出していれば、評価が高い。残業は多いけれど成果を出していなければ、評価は低い。
一目瞭然です(ただし、これは「評価者」がしっかり見ていることが前提です。残業が多いメンバーに対して、成果ではなく、単に「あいつはがんばっている」と評価してしまう、イケてない評価者もいます。ここはやはり、「どれだけの成果を出しているか」をしっかり見ていく視点が必要です)。

もちろん必要な残業であっても、あまりにも長時間に及んでいる場合は「ほどほどにしてくださいね」と伝えはしますが、その残業によって評価が下がったりすることはありません。なぜなら、会社が最も重視しているのは、「成果」だからです。

リモートワークが普及してきたことで、今後は残業の「中身」に対する評価も厳しくなっていくでしょう。これまでは職場のデスクに座っていれば、たとえネットサーフィンをしていたとしても、仕事をしているように見えたかもしれません。

しかし、在宅勤務の場合は、働いている姿が見えません。残業申請をした結果、どのような成果を出したのか、シビアに判断されます。
今後は「成果の定義」がもっと明確化され、それがオフィスにおける仕事に対してもフィードバックされていくでしょう。

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プロフィール

西尾 太
西尾 太

フォー・ノーツ株式会社
代表取締役社長

1988年
いすゞ自動車株式会社入社。人事部門配属
1990年
株式会社リクルート入社。企業の採用・教育に関する営業を担当
1998年
カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社入社。最終役職人事部長
2005年
株式会社クリーク・アンド・リバー社 人事・総務部長
2008年
フォー・ノーツ株式会社設立

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