人事はあなたのココを見ている!

毎日「定時」で帰る社員を、実は人事はこう見ている

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毎日「定時」で帰る社員に対する人事の本音

では、人事としては、残業をしないで成果を出し、毎日「定時」で帰る社員こそが理想なのかといったら、必ずしもそうとは言い切れません。

短い時間で効率よく成果を出す。それはもちろん素晴らしいことです。残業代で稼いでないのですから、ボーナスはたくさん払ってあげたいとも思います。

ただ、人事評価の基準は「効率」や「成果」だけではありません。

人事は、残業が多い・少ないだけではなく、周囲との関係も見ています。隣にドツボにハマって大変なことになっている同僚がいるのに、定時になったら「お先に」と帰ってしまう社員は、それはそれでどうなんだろうと思います。

人事評価には「チームワーク」という評価項目があります。チーフクラス以上には、周囲に仕事の目的や意味を伝え、チームの活性化を促す「動機づけ」も必要とされます。

・メンバーを放置し、困っている人がいても気づかない、助けない
・チームの力を引き出そうとせず、士気を高める責任を感じていない

こういう社員は、たとえ毎日定時で帰って成果を出していても、マイナスの評価がつきます。昇格や昇給でも不利になります。歩合給の会社で一匹狼として生きていくのなら、それでもいいのですが、そうでない職場であれば、やはり周りとの関係も大切です。

たとえば、育児をするために定時で帰る必要がある場合など、個人的な事情や考え方を会社に伝えておいてくれれば何も言いませんし、それで評価が下がることもありません。

しかし、特に理由もなく、毎日定時で帰っている人に対しては「もうちょっとできることがあるんじゃないの?」と思っているのが、人事の本音です。

適正残業時間は25〜30時間

なぜなら、「それでプラスアルファの仕事までできているのかな」とか、「あるポジション以上のマネージャーになったときに職務を果たせているのかな」とか……。
もしくは「より高い価値を出そうとしているのかな」、といったことが気になるからです。

もちろん「残業をしましょう」なんて言えません。「もう少しがんばろうよ」と言ったとしても、それは要請でしかなく、強制ではありません。政府の自粛要請と同じです。

しかし、本当に要領がよくて、やるべきこと以上のことをやっていて、毎日定時で帰っているのか、ただ割りきって仕事をしているだけなのか。
人事、あるいは管理職は、そこを見極めなくてはなりません。

「できる人」と「認められる人」は違います。

評価の場で「あいつ成果は出しているけど、メンバーの評判が悪いんだよね」などといわれている人は、ボーナスは高くても、ある一定以上のポジションにはつけなかったりします。

短い時間で成果を出すことは大事です。今後はますます重視されていくでしょう。
しかし、会社が求めているのは、それだけではありません。現状をよりよく改善していくことや、人を育てることも、同じように求められています、

36協定では、通常残業時間は年間を通じて、月30時間までとなっています。
適正残業時間は、25〜30時間と言えるかもしれません。

それを超えて残業をしている人は、もっと効率のよい仕事のやり方を考える必要があるといえます。
逆に、毎日「定時」で帰っている人は、自分が会社に求められているプラスアルファの部分について、一度考えてみてもいいのではないでしょうか。

次回に続く

 

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プロフィール

西尾 太
西尾 太

フォー・ノーツ株式会社
代表取締役社長

1988年
いすゞ自動車株式会社入社。人事部門配属
1990年
株式会社リクルート入社。企業の採用・教育に関する営業を担当
1998年
カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社入社。最終役職人事部長
2005年
株式会社クリーク・アンド・リバー社 人事・総務部長
2008年
フォー・ノーツ株式会社設立

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