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今後のビジネスで「T型人材」が生き残る理由

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今後目指すべきは「T型人材」

世の中の先行きが見えません。雇用に不安を感じている人は、6割を超えているといいます。私たちは、今後どのような働き方を目指せばいいのでしょうか?

これまで日本で求められてきた人材像は、大きく分けると2つとされてきました。ゼネラリスト「一(いちのじ)型人材」と、スペシャリスト「I(アイ)型人材」です。

ゼネラリストとは、ビジネスにおける幅広い知識やスキル、経験を有する人材。どんな部署でも活躍できる総合職、いわゆる「何でも屋さん」です。

スペシャリストとは、特定領域に特化した知識やスキル、経験を有する専門職。一芸に秀でた「○○屋さん」といえる働き方です。

しかし、このどちらか一方だけでは
生き抜いていくのは難しい時代になってきました。

ゼネラリストに強く求められるのはマネジメント力ですが、それだけでは他者との差別化はできません。出世を目指すにしても、転職もしくは独立・起業を目指すにしても、何らかの「強み」を明確にすることが必要です。

スペシャリストにしても、「それしかできない」という状態は危険です。組織の中で、自身の専門性に常にニーズがあるとは限りません。独立・起業をする場合も、そのスペシャリティ以外に、営業や経理などのスキルが必要になります。

今後目指すべきは、「一型」と「I型」の両方を併せ持った
「T型人材」です。

あなたは「何屋さん」ですか?

総合力が求められるゼネラリストであっても、自分の強みを見極め、
専門性を磨いていくことは極めて重要です。

「何でも屋さん」では、ただの便利屋さんで終わってしまう可能性が高く、
組織のトップに立つことは難しいでしょう。

ラーメン店にたとえるなら、「何でもできます」というお店より、「担々麺専門店」など、メニューを絞っているほうが成功しそうな気がしませんか?

人材も一緒です。

「営業屋さん」なのか「経理屋さん」なのか「人事屋さん」なのか、
自分は「何屋さん」なのかを明確にする。

「自分の強み=専門性」をアピールすることが、自身の市場価値を高め、
出世はもちろん、転職や起業・独立で成功する近道です。

一方、専門性を持ったスペシャリストであっても、そのスキルだけで生き延びていくのは困難です。どんなに美味しい「担々麺」をつくれても、それだけで成功するわけではありません。部下を持てば、マネジメント力が必要になります。独立・起業するなら、マーケティングや経理のスキルも不可欠です。お客様とのコミュニケーション力も大切です。

どんな職種においても、営業力や交渉力、計数管理、人的ネットワークなど、
いわゆるマネジメント力やコミュニケーション力と呼ばれるスキルを持っていないと出世することは難しく、転職や独立・起業をしても成功は難しいでしょう。

ビジネスにおける一定の知見と高い専門性を持っている。
それが「T型」と呼ばれる人材像です。

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プロフィール

西尾 太
西尾 太

人事コンサルタント。フォー・ノーツ株式会社代表取締役社長。「人事の学校」「人事プロデューサークラブ」主宰。
1965年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。いすゞ自動車労務部門、リクルート人材総合サービス部門を経て、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)にて人事部長、クリエイターエージェンシー業務を行なうクリーク・アンド・リバー社にて人事・総務部長を歴任。これまで1万人超の採用、昇進面接、管理職研修、階層別研修を行なう。パーソナリティとキャリア形成を可視化する適性検査「B-CAV test」を開発し、統計学に基づいた科学的なフィードバック体制を確立する。中でも「年収の多寡は影響力に比例する」という持論は好評を博している。
著書に『人事担当者が知っておきたい、10の基礎知識。8つの心構え。』(労務行政)、『人事の超プロが明かす評価基準』(三笠書房)、『働き方が変わる、会社が変わる、人事ポリシー』(方丈社)、『プロの人事力』(労務行政)などがある。

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