あなたは、あなた。

「やる気」を失ったときは、逆に自分をほめてあげる

2019.01.07 公式 あなたは、あなた。 第9回
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休憩を促す警鐘

物事に取り組んでいると、何かがきっかけで、ふとやる気を失ってしまうことは誰しもあると思います。徐々にやる気が失われていくこともあれば、急にやる気を失ってしまうこともあると思います。

やる気を失う原因には、周囲の人から何かを言われたり、何かをされたなどの外的な要因もあれば、自分が取り組んでいる物事に飽きたなどの自分自身の気分に由来する内的な要因など、さまざまでしょう。

そんなとき、どうにかしてやる気を取り戻そうと、あれこれ試行錯誤し、もがき苦しみながら何とか物事を完了させる人が多いと思います。

逆に、人によっては、一度失われたやる気をもう一度追い求めることはせず、気持ちに身を委ねて途中で物事をやめてしまう方もいるでしょう。これは、一見問題が解決したかのように見えますが、実は内心では何となく物事を途中で投げ出してしまったことへの後悔の念により、もやもやした気持ちに整理がつかず、落ち着かないのではないでしょうか。

しかし、もう無理に頑張らなくて大丈夫です。そして、何も気にする必要もありません。

「もういいや」とやる気を失ってしまったとき、一番に理解すべきことは、やる気を失ってしまうことは決して悪いことではないということです。むしろ、実はそんなときこそ、あなたをほめてあげるときなのです。

なぜならば、やる気を失うということは、それまでやる気があったということだからです。きっと短期的ないし長期的に物事に取り組んで頑張っておられたことでしょう。もしかすると、「今からやろう」と意気込んでいたら出鼻をくじかれたという方もおられるでしょうが、それでも一度はやる気を出して取り組もうとした姿勢は称賛されるべきです。

これまで取り組んできた物事へのやる気を失うということは、別の言い方にすると、頑張り過ぎていたあなたに少し休憩が必要だと告げる警鐘となります。きっと、気がつかないうちに、無理に頑張って心身に負担をかけていたという面もあるのでしょう。やる気が失われたときこそ、これまで頑張った自分をほめて保養してあげて下さい。

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プロフィール

大來尚順
大來尚順

1982年、山口県生まれ。僧侶でありながら講演や執筆、通訳や仏教家関係の書物の翻訳なども手掛け、活動の場を幅広く持つ僧侶。龍谷大学卒業後に渡米。米国仏教大学院に進学し修士課程を修了。その後、同国ハーバード大学神学部研究員を経て帰国。

ビジネスマンの悩みを仏教の観点から解決に導く著書『端楽(はたらく)』や、英語に訳せない日本語の奥深さを解いた『訳せない日本語』(ともにアルファポリス)が好評のほか、国内外を問わず仏教伝道活動を広く実践している。

著書

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