あなたは、あなた。

心がザワついて、妙に落ち着かない時があるのは自然なこと

2019.01.21 公式 あなたは、あなた。 第10回
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実は大切な能力

頻繁にはないことですが、人には何かよからぬことが起きそうな予感がしたり、不安や心配が募ってじっとしていられず、落ち着きを保てないときがあると思います。これを「心がザワつく」とよく言いますが、そんな時は言葉ではなかなか表現できないような、気分の悪い感覚に包まれると思います。

誰もができれば避けたい状態だとは思いますが、実はそのザワつきは重要なものなのです。是非とも、大切に受け止めてあげて下さい。

何か嫌な予感がするという感覚、不安や心配をすることは、別の言い方をするならば、石橋を叩いているのです。例えば、ザワつきによって、自分の判断を見直したり、これまで脇目もふらずに突っ走って物事に取り組んでいた自分を立ち止まらせ、自分を振り返らせたり、自分の足元の確認をすることができるのです。

ザワつきの多い人というのは、実はいろいろなことを深遠に考えることのできる素晴らしい能力の持ち主なのです。その結果、実は大きな失敗が少ないはずです。これは誰もが羨むことです。

心がザワついたときというのは、それは内なるあなたの感覚、いわゆる「本能」があなた自身に「慎重になるように」と伝えてくれているのです。ですから、目を背けるのではなく、その伝言を素直に受け取ればよいのです。心がザワつくことでいたずらに混乱したり不安を抱く必要はありません。

心のザワつきを感じたら、まずそのザワつきを受け止めましょう。そして、静かな場所に移り、何が不安なのか自分自身に問いかけ、一つひとつ紐解いていくのです。そうすると、自然とザワつきは治まっていきます。大丈夫です、これは一時的なことです。しばらくすれば、ザワつきは治まります。ザワつきが治まったら、また新たな思いで物事を再開すればよいのです。

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プロフィール

大來尚順
大來尚順

1982年、山口県生まれ。僧侶でありながら講演や執筆、通訳や仏教家関係の書物の翻訳なども手掛け、活動の場を幅広く持つ僧侶。龍谷大学卒業後に渡米。米国仏教大学院に進学し修士課程を修了。その後、同国ハーバード大学神学部研究員を経て帰国。

ビジネスマンの悩みを仏教の観点から解決に導く著書『端楽(はたらく)』や、英語に訳せない日本語の奥深さを解いた『訳せない日本語』(ともにアルファポリス)が好評のほか、国内外を問わず仏教伝道活動を広く実践している。

著書

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