あなたは、あなた。

「なんかさみしい」と孤独に苛まれるときは、自分と対話するいい機会

2019.04.15 公式 あなたは、あなた。 第16回
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気持ちをかき消そうとしなくていい

よく分からないけど、ふと「なんかさみしい」と孤独感に苛まれたことがあるという方は少なくないと思います。

夜遅く疲れて電車やバスに揺られて帰宅する途中など、心当たりのある方は多いのではないでしょうか。特に日曜日の夕方など、一人で部屋にいて、窓から差し込む夕暮れの光や夕陽を見たりたりすると、サザエさん症候群でありませんが、何故か孤独感に絡めとられてしまうこともあるでしょう。

もし今「なんかさみしい」と思っている方、もしくは今後このような感情を持ったときは、「素の自分と向き合えた」と思って、その時間を大切にして下さい。

実は、この時間は自分と静かに対話ができる貴重な時間なのです。ですから、「なんかさみしい」と感じてしまう理由を考えてどうにか対処しようとするのではなく、その感情をただ受け止めてあげて下さい。この感情は決して悪いものではないので、悪く捉えないようにしてくだい。

実は、誰もがこの「なんかさみしい」という気持ちと共に生活しています。しかし、私たちは、日常生活の中で毎日さまざまなことに追われています。その結果、そう簡単には対処できない気持ちを心の隅に置いて、目の前にある自分に課せられたことをこなしていきます。すると、それでアップアップになってしまい、「なんかさみしい」という気持ちは置き去りになります。きっとそんな感情に苛まれる余裕もないくらい、さまざまなことを考え、物事をこなしているのが私たちの日常のはずです。

ただし、だからと言って「なんかさみしい」という気持ちがなくなったわけではありません。この気持ちは、普段は忙しさで抑え付けられていたり、向き合う余裕がないだけで、肩の力が抜けたときや遠くに追いやっている圧力が衰えたときに、ふと出没してくるものなのです。それこそ、冒頭で挙げた事例のような状況のときです。

誰もこの「なんかさみしい」という気持ちを切り取ることはできないのです。ですから、この気持ちが出てきたときは、無理にどうにか隠そうとかごまかそうとするのではなく、その思いに浸り、自分と向き合う静かな時間にしてみてください。

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プロフィール

大來尚順
大來尚順

1982年、山口県生まれ。僧侶でありながら講演や執筆、通訳や仏教家関係の書物の翻訳なども手掛け、活動の場を幅広く持つ僧侶。龍谷大学卒業後に渡米。米国仏教大学院に進学し修士課程を修了。その後、同国ハーバード大学神学部研究員を経て帰国。

ビジネスマンの悩みを仏教の観点から解決に導く著書『端楽(はたらく)』や、英語に訳せない日本語の奥深さを解いた『訳せない日本語』(ともにアルファポリス)が好評のほか、国内外を問わず仏教伝道活動を広く実践している。

著書

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