あなたは、あなた。

いくら頑張っても成果があがらないと思うのは、実は間違った考え方

2019.09.16 公式 あなたは、あなた。 第26回
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「消えない点」を打つ

どれだけ努力しても仕事の成果があがらなかったり、望んでいた結果を得られなかったり、評価をしてもらえずに、もどかしい経験をしたことが、誰しもあると思います。

例えば、誰もやりたがらないような仕事にも率先して取り組んでいるにもかかわらず評価されなかったり、より仕事を効率よく進めるために一生懸命に勉強しているのに思うようにはかどらなかったり、もどかしさを感じてしまう状況は、人それぞれでしょう。
そんなときは、落ち込んでしまったり、もしくは心が折れそうになってしまうこともあるかもしれません。しかし、そんなときにあることを思うことで、今のあなたを元気づけることができます。

それは、あなたは「消えない点」を打っているということです。

その「消えない点」というものを、外国語の勉強にたとえてみたいと思います。外国語を勉強する場合、文法、発音、単語というさまざまな角度からバランスよく勉強していく必要があります。しかし、一番辛いのが単語の習得でしょう。
日常生活で使うような単語は習得も早いものですが、勉強が進んでいくと難しい単語が増えてきます。ときとして、非日常的な単語を目にすることもあるでしょう。
すると、このような単語を一体いつ使うのだろうか、必要なのだろうかと疑問に思いながら勉強する時期が来ます。

これを「点を打っている状態」と言います。単語の不必要姓を感じながらも、外国語を習得したいという目標をもって単語力を伸ばすために新しい言葉を次から次へと覚えている状態です。ある意味、無作為に点を打っている状態とも言えます。この状態の間は、どうしても自分の習得能力に不安を覚えたり、学習に面白みを感じなくなってしまう期間でもあります。
これが、まさにいくら頑張っても成果があがらないと感じてしまうときなのです。

しかし、実はこの「点を打っている状態」が一番大事なのです。たくさんの点はいつか点と点が線で結ばれ、意味をなすことがあります。さらに、場合よっては大量の点と点が重なることで奥行きのある線をつくることもあります。
だからこそ大事なのは、無作為に点を打つにしても、消えないようにしっかりとした点を打つことなのです。

語学の習得でいうと、決して忘れないようにしっかり単語を覚えることです。今すぐではないにしても、いつか必ずその単語を必要とするときがきます。

これは、何にでも言えることではないでしょうか。今のあなたはまさに、この「消えない点」を打っている最中なのだと思います。

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プロフィール

大來尚順
大來尚順

1982年、山口県生まれ。僧侶でありながら講演や執筆、通訳や仏教家関係の書物の翻訳なども手掛け、活動の場を幅広く持つ僧侶。龍谷大学卒業後に渡米。米国仏教大学院に進学し修士課程を修了。その後、同国ハーバード大学神学部研究員を経て帰国。

ビジネスマンの悩みを仏教の観点から解決に導く著書『端楽(はたらく)』や、英語に訳せない日本語の奥深さを解いた『訳せない日本語』(ともにアルファポリス)が好評のほか、国内外を問わず仏教伝道活動を広く実践している。

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