あなたは、あなた。

スマホを忘れて不安になったときは、社会との繋がりを考え直すいい機会

2019.12.02 公式 あなたは、あなた。 第31回
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不安の理由を考える

日本だけでなく、世界中の多くの人が、必ずと言っていいほど毎日スマートフォンを手にしていると思います。電車に乗っているとき、ちょっとした休憩時間、何か調べものをするときなど、現代を生きる私たちにとって、便利に生活するうえでは欠かせないものであることは言うまでもないでしょう。
そのため、人によっては、身体の一部のように錯覚してしまう人もいるのではないでしょうか。

スマートフォンは、プライベートな面だけではなく、仕事面でも活躍することも多いため、誰しもが依存してしまう傾向にあります。二十数年前では考えられなかったような発達と普及ですが、これは大きな社会の流れです。

しかしその反面、例えば、スマートフォンを家に忘れてしまった、もしくはなくしてしまったというとき、その不安や恐怖は、きっと言葉にできないほどのものではないでしょうか。ポケットの中、机の上、鞄の中など、いつもある場所にスマートフォンがないと、ソワソワして、とにかく落ち着かないという状態になってしまう人は多いと思います。

でも、そんな状態になったとき、決して過剰に心配したり不安を感じたりする必要はありません。

まずこの心配や不安とは何かというと、社会、世の中と急に遮断されてしまったという孤独感からくる恐怖なのです。しかし、実はその孤独感や恐怖は幻想です。

どんなことがあろうとも、ましてやスマートフォンがなくても、あなたはきちんと社会や世の中と繋がっています。
いつの間にかに、スマートフォンだけが社会や世の中と繋がる手段だと錯覚を覚えてしまっているのに過ぎないのです。

よく考えてみれば、当然だと思っているスマートフォンの存在は、もともとこの世になかったものです。私たちが人と人を通じて築き、繋がっていた社会という土台の上に、文明の利器として現れただけです。
つまり、スマートフォンがなくても、元来、私たちは社会や世の中と繋がりをもっているのです。

実際、職場でも絶対に携帯がなければできない仕事もそう多くないはずです。固定電話やパソコンがあれば、十分仕事はできるものです。

スマートフォンはあくまで便利な道具であって、絶対に必要なものではありません。手元になくて不安なときは、「大丈夫、大丈夫」と自分自身に声をかけて下さい。

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プロフィール

大來尚順
大來尚順

1982年、山口県生まれ。僧侶でありながら講演や執筆、通訳や仏教家関係の書物の翻訳なども手掛け、活動の場を幅広く持つ僧侶。龍谷大学卒業後に渡米。米国仏教大学院に進学し修士課程を修了。その後、同国ハーバード大学神学部研究員を経て帰国。

ビジネスマンの悩みを仏教の観点から解決に導く著書『端楽(はたらく)』や、英語に訳せない日本語の奥深さを解いた『訳せない日本語』(ともにアルファポリス)が好評のほか、国内外を問わず仏教伝道活動を広く実践している。

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