人生100年時代を幸せに生きる明日への一歩

過ぎたことをいつまでも考えない秘訣は、「今の幸せ」に気付くこと

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「後悔」と「不満」が過去に人を縛り付ける

やめたいけれどやめられないことの一つに、もう過ぎてしまったことをいつまでも思い悩んでしまうということがないでしょうか。

いくら考えても仕方ないことはわかっているつもりでも、ついつい考えてしまう。おそらく多くの方が共感されることだと思います。

過去のことを気にしてしまう原因は大きく分けて二つあると思います。
一つは、「後悔」。そして、もう一つは「後悔」の元となっている「現状に対する不満」ではないでしょうか。
この「後悔」と「不満」の入り混じった気持ちが、過去のことをいつまでも気にさせてしまう原因と言えるでしょう。

いつまでも過去を引きずってしまい悩む方は多いと思いますが、そんな悩みを和らげることに役立つ考え方があります。

~プラスに転換する考え方~
今の幸せだけを考えることで過去を許す

一般的に、過去のことを考えてしまうことは、「悲観的」「後ろ向き」として否定的に言われてしまうことが多いと思います。
しかし、それは一つの側面にすぎません。なぜならば、もっとさまざまな捉え方や役割があるからです。

大前提として、過去を振り返るという行為自体にはよし悪しはありません。問題となるのは、それをどのように日常生活に活かすかという点にあります。 
ここが、過去を振り返ることを肯定的なものにするか、否定的なものにするかの重要な分かれ道なのです。

学習という点では、過去から学ぶことは大切です。過去の「成功」や「失敗」の経験の中から、人はさまざまなことを感じ、学びます。
過去を振り返ることは、生活をしていくうえで欠かせないことだと思います。これは誰もが納得することだと思います。

いわば、「温故知新」の精神とも言えるでしょう。「故きを温ね、新しきを知る(ふるきをたずね、あたらしきをしる)」と書き下しますが、新しきものは、古いもの中からこそ見出されるということを意味します。
よりよい生活を営んでいくには、過去の歴史や経験を振り返り、その中にこそ秘訣があり、蔑(ないがし)ろにしてはならないということです。

しかし、そう簡単に気持ちを割り切ることはできず、後悔しかできないという方もいると思います。きっと、過去の出来事を許すことのできない気持ちがそうさせているのではないでしょうか。
しかし、そんな気持ちを和らげる考え方があります。

それは今の自分を振り返り、よいと思っていることや幸せだと感じることなど、何か今の現実の中で自分を肯定的に捉えることのできることを考えてみるのです。
まずは些細なことでも構いません。そのことだけを考えるように心掛けてみて下さい。

また、今の自分に何もいいことなどないという方は、「過去の出来事がなければ今の状態よりさらにひどい状態になっていた」というふうに考えてみて下さい。事実その通りだと思いますし、現在は過去の蓄積だと考えるのです。

このように、今の自分を肯定的に思うことに意識を向けることで、徐々に過去に対する心持ちも変わってくるのではないでしょうか。
大げさな話ですが、事実として、どんな過去であろうとも、過去がなければ今の自分の「いのち」もないというふうに思ってみて下さい。

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プロフィール

大來尚順
大來尚順

浄土真宗本願寺派 大見山 超勝寺 住職
著述家
翻訳家

1982年、山口市(徳地)生まれ。龍谷大学卒業後に渡米。米国仏教大学院に進学し修士課程を修了。その後、同国ハーバード大学神学部研究員を経て帰国。僧侶として以外にも通訳や仏教関係の書物の翻訳なども手掛け、執筆・講演・メディアなどの活動の場を幅広く持つ。2019年、龍谷大学 龍谷奨励賞を受賞。著書に『あなたは、あなた。』(アルファポリス)『超カンタン英語で仏教がよくわかる』(扶桑社) 『小さな幸せの見つけ方』(アルファポリス)など多数。

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